フェース向き? スイング軌道? 曲がる理由がわかる球筋のメカニズム
2週間でコースに出られる! 関浩太郎のビギナーレッスンVol.10
YouTube番組「KOTAROゴルフTV」とのコラボレーション企画の第10回。ショットが曲がるとほとんどの人は体の動きを問題視する。テークバックをインに引いたとか、体が回っていなかった、といった具合。しかし、注意しても同じように曲がっていないだろうか? だとしたら視点を変える必要あり。体の前にクラブの動きと球筋の関係を知るべきだ。
ミスの原因を体の動きに求めると直りづらい
ショットでボールが曲がる理由を挙げたらキリがありません。なぜなら、体型や運動能力はもちろん、体の動かし方まで千差万別だからです。気にするなとはいいませんが、動き方を疑う前にやることがあります。球筋を解析することです。
詳細は後述しますが、ショットの球筋は9つしかありません。そしてこの9パターンはクラブが生み出す、以下の4つの要素でできています。
1 スイング(ヘッド)軌道
2 インパクト時のフェース向き
3 ヘッドの入射角
4 ヘッドスピード
1と2はショットの方向性に影響します。スライスやフックはスイング軌道とフェース向きの関係で出ます。
3はミート率に影響します。ダフりやトップは入射角が適正範囲を逸脱しています。
4は飛距離に影響します。速ければ飛び、遅ければ飛びません。
1の軌道には「インサイドアウト」、「インサイドイン」、「アウトサイドイン」、
2のフェース向きには「オープン」、「スクエア」、「クローズ」の、それぞれ3種類があります。
1がインサイドイン、2がスクエア、3がダウンブロー、4が速ければ理想的なショットになるわけです。
「球筋=体の動き」と考えると4つの要素が抜きになります。つまり、ショットに直接影響する部分を検証せずにスイングを修正しようとすることになる。修正できればいいですが、これにより多くの人が迷宮にハマっているのが現実です。
【スイング軌道】
アウトサイドイン
インサイドアウト
インサイドイン
【フェース向き】
スクエア
オープン
クローズ
ミスしたら軌道とフェース向きの関係を明らかにする
さて、ショットの球筋は9種類とお話しました。それは以下の通りです。
【9種の球筋の図】
出球が右で右に曲がる 1
出球が右でそのまま真っすぐ 2
出球が右で左に曲がる 3
出球が真っすぐで軽く右に曲がる 4
真っすぐのまま飛ぶ 5
出球が真っすぐで軽く左に曲がる 6
出球が左で右に曲がる 7
出球が左でそのまま真っすぐ 8
出球が左で左に曲がる 9
9種の球筋は1と2の組み合わせの結果です。なお、フェース向きはスイング軌道に対してのものです。
インサイドアウトXオープン=1
インサイドアウトXスクエア=2
インサイドアウトXクローズ=3
インサイドインXオープン=4
インサイドインXスクエア=5
インサイドインXクローズ=6
アウトサイドインXオープン=7
アウトサイドインXスクエア=8
アウトサイドインXクローズ=9
4~5の球筋についてはそれほど問題はありませんが、それ以外は飛ばなかったり、トラブルを招くことになるかもしれません。これらのショットが出た時には、まず軌道とフェース向きの関係がどうなっているか把握しましょう。いきなりスイングに手を加えるのは、病名がわからないのに薬を処方するようなもの。症状を見極めるのが先決です。
スイングフォームばかり気にしても、クラブの動きが間違っていたらショットには反映されません。逆にフォームが個性的でもクラブがちゃんと動いていればいいショットになります。プロ100人のスイングを比べると共通点は多くありませんが、ダウンスイングからインパクトへ向かうクラブはみんな同じように動いています。クラブありきでスイングを考えることがナイスショットへの近道なのです。
◼︎関 浩太郎プロフィール
せき・こうたろう。1974年生まれ、茨城県出身です。ゴルフを始めたのは15歳。関東国際カントリークラブでプロ研修生として修行後、ゴルフ留学のため渡米し。米国でのゴルフ留学時には、カリフォルニアアズメディアプロゴルフスクールに通い、最新のスイング、クラブ、トレーニング、メンタル理論を学ぶ。その後、カリフォルニアプロツアーを転戦。プレーヤーとして、色々な経験を積む。
帰国後は有名クラブ職人に弟子入りし、フィッティング理論、クラフト技術を学んだ。プロコーチ、クラフトマンとして、日々アマチュアゴルファーの悩みを解決するとともに各種ゴルフメディアで活躍中。SEKI GOLF CLUB 目黒を主宰。
取材・文/岸 和也
撮影/相田克己
協力/SEKI GOLF CLUB 目黒