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スピンがかかる アプローチ はヘッドが上から入ってる【ゴルフ初心者レッスン】ゴルフスイングの基本

2週間でコースに出られる! 関浩太郎のビギナーレッスンVol.9

2021/07/18 ゴルフサプリ編集部

YouTube番組「KOTAROゴルフTV」とのコラボレーション企画の第9回。前回はアプローチの状況とそれに合った使用クラブを紹介したが、今回はその打ち方を学ぶ。ポイントはヘッドの入射角。常にボールに向かってヘッドを上から入れることだ。

ヘッドを上から下へ動かさなければいけないワケ

アプローチを打つ場合の最重要事項は入射角。ボールに向かってヘッドが落ちてくる角度で、アタックアングルとも言います。入射角は上から下へが絶対条件。ヨコからでもなければ、下から上でもありません。理由は3つあります。

理由1 ボールの手前に障害物があるから

グリーン周りはラフが長く、ディボット跡などの凸凹や傾斜もあります。このような状況では、ボールの手前=ヘッドの下降ルートに障害物がある格好になり、ボールに向かって下からはもちろん、ヨコからヘッドを入れてもその影響を受けます。ケースによっては正確にボールをヒットできないこともあるでしょう。障害物に影響されないためには、ヘッドを上から入れる必要があるのです。

ヘッドをヨコから入れると手前のラフなど障害物に邪魔される。
ヘッドを下から入れると障害物に影響されるのみならずトップになることも。

理由2 狙ったところにボールを止めたいから

狙ったところに打つとは、狙ったところにボールを止めるということです。そこで必要になるのがバックスピン、ボールに飛ぶ方向とは逆の回転をつけることです。

それにはヘッドを上から入れてクラブフェースの上を滑らせながらヒットしなければいけません。例えば、下からボールを撫でるように打ってトップ気味に当たるとボールに順回転がかかって、落下してからも止まらずコロがってしまうのです。

ボールにバックスピンがかかれば落下してから止まりやすい。
ボールにオーバースピン(ドライブ)がかかると止まらない。

理由3 ウェッジの重心が高いから

少し専門的な話になりますが、他のアイアンと比べるとウエッジはネック部分が長くなっています。これは重心位置を高くするためです。

アイアンのネックが長くないのは重心位置を低くするため。低重心にすると、芯より上でヒットした時にスピン量が減ってボールが飛ぶからです。つまりウエッジではその逆をやり、スピン量が増えるようにしているのです。

高重心=芯が上にあるということ。ヘッドを地面に掘り込んでいくようにヘッドを上から入れないと芯に当たらないのです。

ボールの赤道あたりから地面に向けて上から下にヘッドが入るダウンブローで打つのが基本。

AW、SWは手首のコックでヘッドを上下させる

ウエッジでのアプローチは手首のコックを使って打ちます。第7回で紹介したタテ振りを使うわけです。ウエッジでのアプローチは手首のコックを使って打ちます。第7回で紹介したタテ振りを使うわけです。

コックとは手首を親指側に折る動き。体を左に回しながらコックしてクラブヘッドを上げたら、アドレスの位置に戻りながらコックを解きます(リリース)。こうすればボールに向かって上からヘッドが入ります。打ったあとはそのままヘッドを低く保ちます。再びコック(リコック)してヘッドを上げる動きは不要。「コック→リリース→ノーリコック」で、ヘッドを「上げる→下げる→下げっぱなし」という動きに導きましょう。

AWとSWはともにこの打ち方。振り幅の大きさで距離をコントロールします。

練習法を一つ紹介しましょう。ボールのワングリップほど後方のマットの上にメモ用紙を一枚貼り付けます。メモ用紙はあらかじめ半分に折っておき、マットに着いた側の端をテープで留めておきましょう。

できたらボールを打つだけ。テークバック時にはヘッドがメモ用紙に触れても構いませんが、ダウンスイング時に当たってはいけません。当たったら入射角が低すぎ。上から入れば当たりません。

手首のコックを使ってヘッドを上げ下げするが、手首をヨコ(手のひら側や甲側)に折ることはない。
打った後に再びコックを入れる必要はなし。

練習方法

ボールのワングリップ後方のマット上に、直角に折ったメモ用紙を貼り付ける。
テークバックではメモ用紙に触ってもいいが、ダウンスイングでは触れないようにクラブを下ろす。

8番はパットの要領でトゥ側でヒットする

8番アイアンでコロがして寄せるには、パッティングのようにストロークするのが有効で、パッティングアプローチとも呼びます。

まずパッティングのイメージで8番アイアンを持ちます。グリップの握り方もパターと同じにしましょう。

パットのようにボールの近くに立つには、クラブを吊るようにして少し短く持ちます。こうするとヘッドのヒールが浮いてトゥ側が地面に接しますがそれでOK。トゥ側にセットしたボールをパットの要領で打つだけです。

通常の8番よりかなりロフトが立ちますが、このように打つとボールが5cmほど浮いてから着地してからコロがりはじめます。グリーンに近いところからなら、芝の影響を受けず直接グリーンに乗せることもできます。

パターのように、近くのボールに対してクラブを吊るように持つと、必然的に短く持つことに。握り方はパットと同じ。
パット同様にアドレスするとヒール側が浮く。そのままパットのストロークを行えばいい。

◼︎関 浩太郎プロフィール
せき・こうたろう。1974年生まれ、茨城県出身です。ゴルフを始めたのは15歳。関東国際カントリークラブでプロ研修生として修行後、ゴルフ留学のため渡米し。米国でのゴルフ留学時には、カリフォルニアアズメディアプロゴルフスクールに通い、最新のスイング、クラブ、トレーニング、メンタル理論を学ぶ。その後、カリフォルニアプロツアーを転戦。プレーヤーとして、色々な経験を積む。
帰国後は有名クラブ職人に弟子入りし、フィッティング理論、クラフト技術を学んだ。プロコーチ、クラフトマンとして、日々アマチュアゴルファーの悩みを解決するとともに各種ゴルフメディアで活躍中。SEKI GOLF CLUB 目黒を主宰。

取材・文/岸 和也
撮影/相田克己
協力/SEKI GOLF CLUB 目黒


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