重田栄作の久々のラウンド直前&当日の秘訣 11ドリル
練習場で使える上達必須の71ドリル PART-8
自由な行動が制限されてラウンド回数が減っている人も多いはず。久しぶりのラウンドでちょっと不安…という人のために重田栄作が、ラウンド直前&当日の秘策を伝授。久々でも自信満々に振れる!
GOLF TODAY本誌 No.591 74〜79ページより
ドリル61|一球ごとにコースのルーティンを取り入れて30球打とう!!
①ティアップしたら②スパットにボールを結んだラインとフェースが直角になるよう右手1本でヘッドをセット③左手をグリップにそえてスタンスを合わせたら④もう一度目標を確認してからショット。フィニッシュをしっかりとり、球の行方を最後まで追うことが大事。
本番と同じ動作を繰り返すことで、久しぶりでも安心して臨める
前のラウンドから時間が空くと、つい緊張していつもなら当たり前のようにやっていた所作が抜けてしまったりして自分のスイングができなくなりがち。直前の練習は本番を想定して適度なプレッシャーをかけつつ球を打ち、それらの悩みを払拭することが大切です。100球打つなら、そのうち30球くらい、コース本番とまったく同じ手順で構えて打ち、球の行方までしっかり確認する一連の動きを繰り返しましょう。こうして自分のリズムやテンポを再確認しておけば久々のゴルフでも落ち着いてラウンドできるはずです。
ドリル62|「1打目、2打目」と想定して、一球ずつクラブを変えて打つ!
クラブを変えることで、より実践的なシミュレーションができる。
久々のゴルフを控えた練習では、より実践的な方法でゴルフ勘を取り戻すことが先決。コースプレーをシミュレーションするなら、1球ずつクラブを替えてラウンドさながらに打つのが効果的です。ドライバー→ウッド→アイアン→ウェッジと一連の流れを10回ほど行いましょう。同じクラブをバンバン打つとミスが出てもアジャストしてしまいますが、1球ずつなら真剣勝負。緊張感も予習することがカギです。
ドリル63|「3つの振り幅」で打ち分けて、久々だと狂いやすい距離感をカバー
振り幅で調整すれば、客観指標があるから大ミスがなくなる
そもそもアプローチはアマチュアにとって難しく、久々のゴルフで成功させるのは至難の技ですが、グリーン周りで行ったり来たりしていたらすぐにダボ、トリの大叩きにつながってしまいます。久々のゴルフでも合格点のアプローチを打つには、3つの振り幅で打ってキャリーを把握するドリルが有効です。振り幅は右の写真の3種類。どれも客観的に確認しやすく狂いにくいのがポイント。この練習で自分の中の指標を作っておくことで、いざアプローチするときでも迷わず自信を持ってストロークできるはずです。
ドリル64|首のストレッチで、トップとフォローの体の回転をサポート
①体を左に回すとフォローに。首が柔軟なら軸を保って振り抜ける。
②体を右に回してトップに。首が柔軟なら体がしっかり回って理想の形に。
首が柔軟なら、軸を保ちつつ大きく体を回せる
ゴルフは横を向いて前傾し、一方方向に振るという独特の動きをするスポーツ。普段の生活では使わない体の動きが求められます。その中の一つ「首の柔軟性」を向上させるストレッチを紹介します。気をつけの姿勢から首だけを左に回して、そこからアゴを肩に引きつけます。このまま体を右に回すと理想のトップの形に。逆に右を向いてアゴを引きつけて体を左に回すとフォローができ上がります。スイング軸を保ったまま深いトップを作り、粘りながら振り抜くには、首の柔軟性がとても大切なのです。
ドリル65|足のツケ根ストレッチで、下半身の安定感をアップ
①左足は内に向けて前後に動かす(上)。左足ツケ根の柔軟性が向上し、上体の動きにつられず左の壁を保って振り抜ける(左)。
②右足は外に向けて前後に動かす(下)。右足ツケ根の柔軟性が上がりテークバック時のスムーズな体の回転をサポート(下)。
トップの「右」、フォローの「左」の壁が安定する
ゴルフ特有の動きをサポートするには事前の準備が欠かせませんが、足のツケ根のストレッチも不可欠です。下半身を安定させながら上体を深く回すには右足ツケ根の柔軟性が、フォローで左の壁を保つには左足ツケ根の柔軟性が求められます。方法は簡単。右足はツマ先を外に向け、左足は内に向けて足全体を前後に大きく動かすだけ。これだけで、久々のゴルフでも安定感のあるスイングにグッと近づくはずです。
ドリル66|手首を前、後ろに回転!上げて下ろして打つ、すべての動きをサポート
手首ストレッチ1つめは、手首を柔らかく使うためのストレッチ。クラブを立てて持ったらヘッドを後ろに前に、縦方向に動かす。
ドリル67|釣りのキャスティングのイメージが◎。スムーズなリリースに効果抜群!
手首ストレッチ2つめは手首の縦方向のストレッチ。ダウンスイングでタメたパワーをインパクトで一気に放出する動きを再現。
ドリル68|手首を外旋、内旋!インパクト前後のローテーションに効く!
「タメて返す」ゴルフ特有の手首の動きがスムーズになって、力強く振り切れる!
久しぶりのラウンドでゴルフ特有の動きに体が慣れていないのに、腕や手首が固いままスタートすれば、ダウンスイングでタメが効かなかったり、フォローでもローテーションができずに球がつかまえられません。3つストレッチをそれぞれ両手で行って入念にほぐしておけば腕回りの柔軟性が増して、久々でもスムーズに振り切れるはず!スタート前はもちろん、ホール間の待ち時間にも手軽に試せて効果絶大!ぜひ取り入れてみてください。
ドリル69|当日朝の30球は、得意なアイアンと1W、ウェッジの3本だけが◎!!
不安を残さないため、難しいクラブは打たないのが正解。
朝の練習はその日の調子を確認したり、体をほぐすのが主な目的。スイングのチェックや修正が目的ではありません。にも関わらず久しぶりのゴルフとなるとムキになって打ち込んでしまうケースも。結果、ミスを連発して不安を残してスタートする悪循環に陥りかねません。久々のゴルフなら得意なアイアンと必ず使う場面のあるドライバーとウェッジの3本だけを打つのがオススメ。ミスが出やすい長いアイアンやウッド類はあえて打たないのが正解!気持ちよくスタートするための準備をすることが第一です。
ドリル70|頭&お尻壁つけドリルで、絶対NGな伸び上がりと突っ込みを防止
壁で固定するから理想の動きをすんなり体感できる。
久々のラウンドを控え練習場でショットの打ち込みはできても、なかなか実践的なパット練習はできないもの。当日の練習では芝の速さなどグリーンのチェックがメインですから、ラウンドが近づいたら室内でも簡単にできる「壁ドリル」で正しい体の動きをチェックしておくのがオススメです。頭をつけてフォローでヘッドアップするのを防ぐ練習と、お尻をつけて体の起き上がりを抑える練習です。ともに自覚しずらいミスですが、壁を使って固定することで強制的に正しい動きを体に覚えこませることができます。
ドリル71|感覚ではブレやすいスクエアインパクトを強制的に体に叩き込む
理想の形を物理的に作るから、スクエア感覚がよくわかる。
久々のゴルフでは特に、絶対外したくないショートパットの精度を上げる練習がオススメです。ティ2本でボールを挟んでセット。あとはいつもどおりのストロークで、フェースをティにカチンとぶつけてインパクトします。インパクトと同時にヘッドがビタッと止まりますが、これが理想的なスクエアインパクトの形。フェースが開いたり閉じたりするのを強制的に抑えることができるため、球はいとも簡単に真っすぐカップへ向かいます。何度も繰り返して正しい形を叩き込みましょう。
レッスン
重田栄作しげた・えいさく
1968年6月18日生まれ、神奈川県出身。03年プロテスト合格。ジャンボ軍団・金子柱憲の専属キャディで4勝に貢献したあと、03年にプロテスト合格。07年より山梨アーバングリーン八田でレッスン開始。ツアープロからアマチュアまで幅広くレッスンを行う。
取材協力/ 北の杜カントリークラブ、サザンヤードカントリークラブ、昭和の森ゴルフコース、太平洋クラブ御殿場コース、長坂ゴルフ練習場、船橋カントリークラブ、武蔵丘ゴルフコース