2021ライダーカップは、米国が納得の10ポイント差で圧勝!
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米国と欧州の対抗戦、ライダーカップは米国が19−9で圧勝して2大会ぶりの勝利を収めた。今回の米国メンバーは世界ランキングトップ10が実に8人。“ライダーカップ史上最強”の顔ぶれだったのである。
2021ライダーカップは、米国が納得の10ポイント差で圧勝!
ライダーカップの総ポイント数が「28」となった1979年以降では最多差となる10ポイント差。地元開催でド派手な勝利を飾った米国だったが、この圧勝劇は両チームメンバーの世界ランキングを比較するとうなずけるところがある。
米国チームは大会開催時の世界ランキング10位以内の選手が12人中8人もいた。最も悪い順位だったのがスコッティ・シェフラーの21位。12人の平均順位は8.9位だったのだ。
現行の世界ランキングが創設された1986年以降、ライダーカップは今回を含めて17回開催されているが12人の平均順位が「10」を切ったのは両チームを通じて初めて。これまでは前回大会(2018年)の米国の11.2位が最高だった。
対して欧州チームの世界ランキング平均は30.8位。トップ10は1位のジョン・ラームのみで、最も低い順位はベルント・ウィスバーガーで63位だった。
とはいえ、米国が世界ランキングで上回っているのはいつものこと。17回中、欧州の世界ランキング平均順位が上だったのは2006、08年の2回しかない。それでも、この17回の勝敗では欧州が10勝6敗1分と大きく勝ち越している。
ただ、今回は差が大きすぎた。平均順位の差が「21.9」もあったのだ。前述したように前回大会で米国は当時の最高記録である平均11.2位という布陣だったが、欧州も平均19.1位とそれほどの差はなかった。開催地は欧州(フランス)。結果は欧州が17.5−10.5で圧勝した。
今回は差が開きすぎたことに加えて開催地が米国。やはりホームの利は絶大でここ17回でホームチームが11勝5敗1分という成績である。
ライダーカップで何度も“番狂わせ”を許してきた米国だったが、今回はホームの利と圧倒的な“戦力差”で押し切ったといえるだろう。中でも米国最上位の世界ランキング2位、ダスティン・ジョンソンは5戦全勝と奮闘。世界ランキング1位で臨みながら1勝4敗に終わった前回大会のリベンジを果たした。
ライダーカップ出場各選手の世界ランキング
米国 | 順位 | 欧州 | 順位 | |
---|---|---|---|---|
D・ジョンソン | 2位 | J・ラーム | 1位 | |
C・モリカワ | 3位 | V・ホブラン | 14位 | |
C・カントレー | 4位 | R・マキロイ | 15位 | |
X・シャウフェレ | 5位 | T・ハットン | 19位 | |
J・トーマス | 6位 | P・ケーシー | 24位 | |
B・デシャンボー | 7位 | M・フィッツパトリック | 27位 | |
T・フィナウ | 9位 | L・ウェストウッド | 35位 | |
B・ケプカ | 10位 | T・フリートウッド | 37位 | |
H・イングリッシュ | 11位 | S・ローリー | 42位 | |
J・スピース | 13位 | S・ガルシア | 43位 | |
D・バーガー | 16位 | I・ポールター | 50位 | |
S・シェフラー | 21位 | B・ウィスバーガー | 63位 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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