1. TOP メニュー
  2. ゴルフギアにお悩み
  3. クラブ選び
  4. テーラーメイド P790アイアン(2021)の試打評価レビュー

テーラーメイド P790アイアン(2021)の試打評価レビュー

試打のスペシャリスト・高橋良明の本気レビュー

2021/10/05 ゴルフサプリ編集部

テーラーメイド P790アイアン

テーラーメイドのアスリート向けアイアン『P700シリーズ』の中でもっとも打ちやすいと評判の中空アイアン『P790』の2021年モデルがよりシャープなルックスになって新登場。ゴルフクラブ試打のスペシャリストとしておなじみのプロゴルファー、高橋良明が3代目『P790アイアン』の飛びとやさしさについてレポートをお届けします。

[目次]

テーラーメイド P790アイアン(2021)の総合評価

テーラーメイド P790アイアン

飛距離性能★★★★☆(4/5)
打球感★★★★☆(4/5)
操作性★★★★☆(4/5)
上がりやすさ★★★★★(5/5)
総合評価★★★★☆(4/5)

テーラーメイド P790アイアン(2021)の特徴

テーラーメイド P790アイアン

3代目『P790アイアン』(2021)はクロモリ鋼のL字型鍛造フェース、軟鉄ボディ、タングステンウエイト、ウレタン系充填剤で構成されたマルチマテリアル中空アイアンです。シャープな見た目はほぼブレードアイアンながら、サイズが同じく中空構造の『P770アイアン』よりも一回り大きく、ネックのグース感が強いためかまえたときの安心感があります。テーラーメイド史上もっとも薄いフェース、充填剤の軽量化、ボディの各部の薄肉化などにより低重心化を徹底。ストロングロフト設計と相まって、高初速、高弾道でやさしく飛ばせるアスリートアイアンに仕上がっています。

特徴

  • テーラーメイド史上最薄フェースにより初速がアップ!
  • 新素材「SPEEDFORMTM AIR」により打感と弾きがアップ
  • 前作比2倍超のタングステンが高弾道の大きな飛びを実現

特徴1. テーラーメイド史上最薄フェースにより初速がアップ!

テーラーメイド P790アイアン

アイアンで一般的に使われている炭素鋼に比べて強度が非常に高いクロムモリブデン鋼はフェースを薄く軽く作ることが可能です。『P790アイアン』では前作の1.6ミリを下回る1.5ミリの薄さを実現しています(#6と#7)。また、テーラーメイドのドライバーにも採用されている偏肉構造(インバーテッド・コーン・テクノロジー)とL字形状により、反発エリアがフェース周辺部や下部に拡大。高初速・高打ち出しの大きな飛びを実現すると同時に、オフセンターヒット時の飛距離ロスを小さくしています。

特徴2. 新素材「SPEEDFORMTM AIR」により打感と弾きがアップ

テーラーメイド P790アイアン

中空アイアンの唯一の弱点は内部の空洞で音が共鳴し打感・打音が悪くなること。これを解消するために『P790アイアン』の中空部分にはウレタン樹脂が充填されています。ウレタンは元々軽い素材ですが、『P790アイアン』用に新開発された「SPEEDFORMTM AIR」の比重は従来よりも69%軽く、その結果約3.5グラムの軽量化を達成。余剰重量をソールに配置することでさらなる低重心を実現しています。また、「SPEEDFORMTM AIR」は柔軟性にも優れているため、絶妙な打感と打音を実現すると同時にフェースの反発力もアップしています。

特徴3. 前作比2倍超のタングステンが高弾道の大きな飛びを実現

テーラーメイド P790アイアン

フェースとボディの薄肉化や「SPEEDFORMTM AIR」の採用で大きな余剰重量が生まれたことで、使えるタングステンウエイトの重さは従来の14グラムから31グラムにアップしました(#7の場合)。『P790アイアン』ではタングステンウエイトをソールのトゥ寄りに配置することで低い重心と高い慣性モーメントを両立。さらにソールにはフェース下部のたわみを大きくする「スピードポケット」を設けることで、高い打ち出しとミスヒットに対する寛容性を実現しています。

テーラーメイド P790アイアン(2021)のスペック

『P790アイアン』は『P770アイアン』よりも少しずつロフトが立てられています。とくにミドルアイアンは2〜2.5度ストロングロフトの飛び仕様。純正シャフトは日本シャフトの軽量スチールが2種類ラインナップされていますが、『N.S.PRO 950GH neo』は2022年1月発売予定となっています。

メーカーテーラーメイド
製品名P790アイアン('21)
ヘッド素材[#3〜7]
ボディ:軟鉄(8620)鋳造+タングステンウエイト+SPEEDFORM™️ AIR、フェース:クロモリ鋼(4140)鍛造

[#8〜PW]
ボディ:軟鉄(8620)鋳造+SPEEDFORMTM AIR、フェース:クロモリ鋼(4140)鍛造
番手/ロフト角3I/19度
4I/21度
5I/23.5度
6I/26.5度
7I/30.5度
8I/35度
9I/40度
PW/45度
シャフトN.S.PRO MODUS3 TOUR105(S)、N.S.PRO 950GH neo(S)
長さ(5I)38インチ
重量/バランス(#5)約409g/D2(N.S.PRO MODUS3 TOUR105 (S))
約405g/D1(N.S.PRO 950GH neo(S))
価格6本セット(#5〜9、PW):181,500円(税込み)
単品(#3、#4):30,250円(税込み)
公式サイトテーラーメイド公式サイト

テーラーメイド P790アイアン(2021)を試打レビュー

新たなマテリアルを採用するなど熟成を重ねた3代目『P790アイアン』どんなゴルファーにフィットするのか。今年発売されたほとんどのアイアンを打ち尽くしてきた高橋良明の試打レビューをお届けします。

試打レビュー

  • 中空とは思えないほど見た目がシャープで構えやすい
  • 見た目がシャープだけど打ってみるとすごくやさしい
  • 力一杯振らなくてもクラブがボールを飛ばしてくれる

中空とは思えないほど見た目がシャープで構えやすい

テーラーメイド P790アイアン

昔の中空アイアンのようなボテッとした印象はまったくないですね。ややグースがあるので見た目は少しやさしいプロモデルといったところでしょうか。トップブレードが前作よりも薄くシャープになっていて、バックフェースはほぼマッスルバック。顔もすごくきれいでかっこいいアイアンです。『P790アイアン』は『P770アイアン』よりもブレードが少し長いので安心感があって、ターゲットに対してスクエアに構えやすくなっています。仕上げはミラーからサテンに変わったことでどの方向で構えても太陽の反射が気にならないし、よりシャープで強い球が打てるイメージになりました。

見た目がシャープだけど打ってみるとすごくやさしい

テーラーメイド P790アイアン

『P790アイアン』は見た目がシャープでも打ってみるととにかくやさしいアイアンです。 リーディングエッジが刺さる感じもなく、地面に当たったときのヘッドのブレが非常に少なく、トゥに当たってもフェースが開かないし、ヒールに当たってもフェースが閉じないので、ターゲットに対してほぼ真っすぐに打てるし、多少左右にブレたとしても曲がり幅は許容範囲内です。また、上下のスイートエリアも広く、少しトップかなと思っても球が浮くし距離もほとんど落ちません。ヘッドが下をくぐってフェースの上に当たったときはスピンが減りますが、打ち出しが高いのでドロップして飛ばなくなる心配はありません。

力一杯振らなくてもクラブがボールを飛ばしてくれる

とにかく弾きが強くて球が上がります。目一杯振らなくても初速が出ますし、弾道は自分の感覚だと10ヤードくらい高くなっているので飛ばないはずはありません。とくに驚いたのは、フェースの下側に当たってしまったときにも十分な打ち出し角が得られることです。弾きがいい分スピンが減っても高さがあるのでねらったエリアに止められます。『P790アイアン』ならヘッドがシャローに入ってもクラブが球を上げてくれるのでダウンブローをそれほど意識する必要はありません。アスリートモデルですが、やさしくさらっと振っても飛ばせるアイアンになっています。

テーラーメイド P790アイアン(2021)がおすすめの人

テーラーメイド P790アイアン

『P790アイアン』を一言でいえばオールマイティ。ほとんどのアマチュアが助けてもらえるアイアンです。番手によって20ヤードくらい前に行くので、長くて難しい番手で無理をしなくてもグリーンに届かせることができます。また、球のつかまりがよくヘッドのブレも小さいのでミスヒットもカバーしてもらえます。打ち込む必要がないのでシャフトさえ選べば女性でもちょっと振れる人なら使えそうです。もちろん、顔がきれいでターゲットをイメージしやすいので上級者もまったく違和感なく使えます。少し体力が落ちてきてもう少し楽に飛ばしたいと思っている人にはとくにオススメです。3番や4番でもしっかりキャリーの差が出せるので、他のアイアンセットと組み合わせてユーティリティ感覚で使うのも面白いと思います。

テーラーメイド P790アイアン(2021)の評価

新しい『P790アイアン』は前作に比べてボール初速が上がって、打感はすごくソフトになっています。これら2つを両立できているところに中空アイアンの進化を感じます。とくにトゥ側のスイートエリアはかなり広くなっていて芯で打った時と飛距離はほぼ同じです。また、ヒール側に当たった時にも打感がほとんど変わらないし、下側に当たっても初速も高さも出るのでミスショットになりません。また、キャリーとランのバランスがちょうどいいので手前からターゲットをねらっていきやすいアイアンです。


高橋良明

テスター/高橋良明(たかはし・よしあき)

1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門誌やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリスト。

協力/サザンヤードカントリークラブ (茨城県)

テーラーメイド P770アイアン(2020)の試打評価レビュー

トップラインが薄くオフセットの少ないコンパクトなブレードアイアンでありながら、見た目から受ける印象とは裏腹に飛距離が...

あわせて読みたい