2021女子プロ連続写真|女子プロのアプローチテクニック
LADIES SWING PHOTO[保存版]女子プロ連続写真大特集2021 PART3
今の女子プロたちは、アプローチショットもハイレベルだ。難しいことはあまりやらずに、器械的にシンプルにスイングするからピンに寄る確率が高い。小祝さくらのアプローチスイングにも、目からウロコの上達のヒントが隠されている。連続写真を見て、タメになるポイントをゲットしよう。
GOLF TODAY本誌 No.592 58〜64ページより
小祝さくら|手元が上昇しながらインパクトするのが大正解
手元を下げながら打とうとするとちゃんと当たらない
最初に注目して欲しいのがグリップ。手のヒラで握るパームグリップではハンドダウン気味のアドレスとなり、インパクトで手元が下がりやすい。その点、小祝さくら選手はフィンガーグリップに握って、ややハンドアップ気味に構えています。こうするとインパクトでは手元が緩やかに上昇し、ヘッドは下降してハンドファーストに、正確にとらえられます。大半のゴルファーは手元を下降させながら打とうとしますが、間違いです。
小祝さくらに学ぶスイングのポイントはココ!!
POINT-1 ダウンスイングで手元が先に最下点にきて、ヘッドは下降を続ける。手元とヘッドの最下点は違うのだ。
POINT-2 手元が上昇するからボールをハンドファーストにとらえられる。手元とヘッドのタイムラグを正しく理解しよう。
小祝さくら
こいわい・さくら(ニトリ)2017年プロ入り後、ツアー通算6勝。アプローチの巧さを証明するリカバリー率はつねに上位にランク
稲見萌寧|腕とクラブを胸板の前にキープしてお腹を回転
高さを少し出したいピッチエンドラン。バックスイングでフェースをあまりシャットに使わず、インパクトでは手首をリリースさせながらヒットしています。カラダを右に回転して、左に回転。お腹と腕が同調したシンプルで、反復性や再現性がとても高いスイングです。
①腕とクラブを胸板の前にキープしたまま、お腹を右に回転
②手首を早めにリリースしてインパクト。少しだけ高さを出している
③フォロースルーでお腹が目標を指すまで回転。腕とクラブは胸板の前にキープ
稲見萌寧
いなみ・もね(都築電気)キックボクシングで体幹を鍛える練習を取り入れて、2020~21年に大ブレイク。その成果はアプローチにも表われている。
原英莉花|ラフからはフェース面を広く使うのがコツ
ラフからのアプローチです。ボールは沈んで見えますが、実際はボールが少し浮いていることが多い。そんなときはフェースを少し開き、早めにリリースさせてインパクトするとフェースの面が広く使えます。上から鋭角に、ハンドファーストに打ち込むのは避けましょう。
①サンドウェッジのフェースを軽く開いて構える
②ヘッドをインサイドから入れて、手首を早めにリリース
③フェースを返さないことで、フェース面が広く使えてボールが上がりやすい
原英莉花
はら・えりか(日本通運)2020年は日本女子オーオープン、JLPGAチャンピオンシップリコー杯の2つのメジャーを制して一気に開花。21年もメジャー獲りを狙う。
古江彩佳|バンカーでは最後まで両ヒザを伸ばさない
バンカーなど足場が悪いショットでは、両ヒザを深く曲げて重心を低くして構え、両ヒザの角度をキープするのが大前提。古江彩佳選手はその基本を忠実に実行し、さらに構えたときの左手首の角度が変わらないようにスイングしています。バンカーショットの見本です。
①左手首を甲側に折る「カッピング」のグリップで構えている
②アドレスの左手首の角度がインパクトでも変わらない
③アドレスの両ヒザの角度をフィニッシュまでしっかりキープ
古江彩佳
ふるえ・あやか(富士通)ドライバーからパターまで、すべてが巧いオールラウンドプレーヤー。バンカーからパーをキープするサンドセーブ率もトップクラス。
西郷真央|ピンが遠いバンカーはロフトを立てて打つ
あまり低く構えず、むしろ前傾姿勢を浅めにしてアップライトに立っているのはピンが遠いバンカーショットだから。そしてリリースを抑えて、ハンドファースト気味にインパクト。ピンが近いときはロフトを寝かせて打ちますが。遠いときはロフトを立てて打つのがコツです。
①前傾姿勢が浅めのアップライトなアドレス
②バックスイングでフェースをシャット気味に上げていく
③ロフト角を減らすイメージでハンドファーストに打てばキャリーが十分に出る
西郷真央
さいごう・まお(大東建託)西村優菜、吉田優利らと同じミレニアム世代。2021年のシーズンからベスト10入りの回数が急増し、賞金ランクもアップ。
渋野日向子|右手首の角度を変えずにボールを低く出す
①ボールを右足の前か、それよりも少し外にセット
②右手首の角度をテークバックからフォロースルーまでキープ
渋野日向子
しぶの・ひなこ(サントリー)「スマイルシンデレラ」で人気のプレーヤー。残された21年シーズンにもう一度輝きを取り戻して欲しいところ。
上田桃子|アドレスの手元とヘッドの位置関係をキープ
①手元の位置などアドレスのバランス感覚がとてもいい
②インパクト後の手元とヘッドの位置関係がアドレスと変わらない
上田桃子
うえだ・ももこ(ZOZO)2007年は年間5勝をあげて、21歳で賞金女王。円熟期を迎えた今は、多彩なワザで勝負に挑み、勝利を積み上げる。
田辺ひかり|スイング中、ヘッドを低く動かすイメージ
①バックスイングで手元がやや低い位置に上がる
②フォロースルーでヘッドを低く長く出している
田辺ひかり
たなべ・ひかり(伊藤園)1997年4月13日生まれ、広島県出身。165㎝。2020年の日本女子プロで2位タイなど、メキメキ力をつけた。
スイング解説
石井忍
いしい・しのぶ1974年8月27日生まれ、千葉県出身。日大ゴルフ部を経て98年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くのツアープロを指導。現在は千葉、赤坂、神保町で「エースゴルフクラブ」を主宰。アマチュアレッスンも精力的に取り組む。
取材協力/エースゴルフクラブ千葉
取材トーナメント/ 明治安田生命レディスヨコハマタイヤゴルフトーナメント、アース・モンダミンカップ