シングルさんの神ドリルPART3|UT&アイアンの球筋を安定させるドリル(前編)
【時短練習スペシャル】練習は量より質!シングルさんの練習法であなたもシングル!
シングルを目指すなら可能な限りパーオンを狙えるようにしたい。アイアンやUTの球筋を安定させ、グリーンに止まる球を打つためのドリルでショット力を磨こう。
GOLF TODAY本誌 No.593 46〜53ページより
GolfDrill⑳|ショートアイアンをハイティアップで打つ
狙ったところへ正確に飛ばすには、とくにビジネスゾーンで正しい動きを身につけることが大切。ティアップしたボールをハーフショットで打つドリルはかなり効果が高い。
Profile
吹野耕一さん
(ふきの こういち)1966年12月17日生まれ。東京都出身。15歳でゴルフを始める。「日本アマ」「日本ミッドアマ」「日本シニアオープン」など全国大会。2004年「全日本ダブルスゴルフ選手権」優勝。ベストスコア63。
芯に当てる練習なので、少し難しめの9Ⅰを使う
ハーフショットで球筋と距離を揃える
このドリルには9番アイアン前後を使うのがオススメ。素振りで体を慣らした後、ティアップしたボールを打つ。ティアップを高くした方が効果があるので、オートセッターの場合は一番上、ゴムティならアイアン用ではなくドライバー用を使おう。力加減はフルショットの7~8割くらい。130ヤード飛ぶ人なら90~100ヤードくらい飛ばすイメージだ。ミドルアイアンやロングアイアンならある程度打ててしまうが、ロフトのある9Ⅰでティアップしたボールにミートさせるのはかなり難しい。出球の高さと距離が揃うようになれば、スイングプレーン、スイングスピード、ヒッティングポイントが安定した証拠。芝の上なら見違えるように精度の高いショットが打てるようになっているはずだ。
応用編|9Ⅰハーフショットの延長に1Wフルショット
ティアップしたボールを上から潰しに入るとスピンが増える。入射角をできるだけゆるやかにして左右対称のなめらかな軌道で打つことが飛ばして曲げない方法。
長いクラブでもティアップしたハーフショットは効果があります。上がりやすい5Wはヘッドが上から入ると球が上がりすぎてしまいますが、腰から腰までのハーフスイングで真横から打てるように練習すればコントロールして飛ばせるようになります。
GolfDrill㉑|次回のために腕の力みをとるラウンド後のリハビリドリル
ミスを怖がってボールに当てにいくとだんだんそのクセが強くなる。悪いクセが身に付かないようにするためにはラウンド後直ちにリハビリを行う必要がある。
Profile
坂輪成章さん
(さかわ なりあき)1979年6月25日生まれ。千葉県出身。「日刊アマ関東大会社会人」3連勝(2016~18年)。「千葉県ミッドアマ」2勝(16、18年)。ドライバー平均飛距離260ヤード。ベストスコア63。
でんでん太鼓のようなハーフスイング
練習はラウンド前よりラウンド後が大事
ミスをしたくない気持ちが強くなると無意識に上からぶつける打ち方になる。その結果、手が浮いて球が右にも左にも飛ぶように。クセを次のラウンドに持ち越さないためにその日のうちに腕の力をゆるめておこう。
リハビリはハーフスイングで行う。フルスイングでスピードが上がると腕を使ってしまうからだ。肩から指先までは自分から動かさないようにして、グリップを握っているだけ。腕の力をできるだけゆるめておいて体のターンで振る。腕は体の回転についてくるイメージだ。
コツはクラブを下ろす動きと体の回転とを分けて考えること。下ろしながらクラブを回そうとすると、返す意識が強くなり、手が浮きやすくなる。腰を回し始めるのを少し我慢して、クラブを落としてから動かそう。
応用編|ドライバーもでんでん太鼓のように振る
1Wでもコツは9Ⅰのハーフスイングとまったく同じ。腕でする仕事はクラブを早く落とすことだけ。体の回転を使ってクラブを体の正面に持ってくる。
ラウンドした後に練習するのはすごくいい習慣です。一生懸命打たなくても、その日上手くできなかったことを復習したり、体の動きを整えたりすることが次のラウンドにつながります。でんでん太鼓のドリルは背中の軸を意識することでさらに効果が上がります。
GolfDrill㉒|フック解消に効果大!クローズドスタンスでフェード打ち
左のミスを徹底的に防げば、大叩きすることもなくなる。2019年の社会人アマ日本一に輝いた水上晃男さんが実戦しているショットが引っかかるときに即修正できるドリル。
Profile
水上晃男さん
(みずかみ あきお)1967年生まれ。大阪府出身。「内閣総理大臣杯第49回日本社会人ゴルフ選手権」ほか数々のアマチュア大会で優勝。18年「日本ミッドアマ」は1打差2位タイ。19年同大会で念願の初優勝を達成した。
スタンスはドロー(クローズド)だが、軌道はフェード(アウトサイドイン)
①左足を前に出してかまえアウトサイドインに振る。
②左方向へ打ち出すためクラブを左方向に振っていく。
左手甲を上に向けてフェースかぶりを修正
フックのミスが出るときは、たいていクラブがインサイドから下りている。それを修正するためにはスタンスを少しクローズドにしてフェードを打つ練習がオススメ。
クローズドスタンスでクラブを左に振ることで寝ていたクラブが立って下りてくるようになる。また、左足が前に出ているので右脚がフォローでしっかり左脚にくっつき、体が左へスエーしなくなる。
意識的に修正するのは、左手の甲の向き。左手の甲はフェースの向きと同じなので、インパクトで左手の甲が下を向いているとフェースがかぶって球が強くつかまってしまう。左手の甲ができるだけ上を向いたまま打てるようになれば、ダウンスイングでクラブが立ってきてタメもできる。こうした動きを再確認し覚えることで、フックが出にくくなる。
応用編|体の回転と腕の振りでスピードアップ!
クラブを遅らせてインパクトで追い越させるよりも、「体の回転と一緒に手を振る方がスイングスピードは上がる」と水上さん。クラブを体から離さず、常に体の正面に置いたまま振れるように練習する。
左手甲の使い方はぜひマスターしてください。左ヒジから下がシャフトと一体というイメージで振るといいでしょう。また、昔は下半身を使うなといわれていましたが、いまのクラブは曲がらないので、フックに悩んでいる人も下半身を動かすようにすれば距離も出ます。
GolfDrill㉓|ハーフウェイからスイングでアーリーリリースを解消!
ヒッカケのほかさまざまなミスを引き起こすアーリーリリース。クセを解消するにはハーフウェイバックからスイングをスタートするドリルが効果的だ。
Profile
関澤 誠さん
(せきざわ まこと)1970年7月15日生まれ。埼玉県出身。中嶋常幸プロに憧れて15歳でゴルフを始める。2009年「日本社会人ゴルフ選手権」優勝、2005年「埼玉オープン」ローアマ。ドライバー平均飛距離260ヤード。
腰の高さからスイング!
①腰の高さからスイングスタート。右手を使うことがなくなる。
②フィニッシュは最後まで振り切る。フルショットの6割くらいのキャリーが目安。
左手リードで振り切る
左サイドを使って振ることが大切
ふつうにフルショットするとダウンスイングの始めから右手が悪さをしやすい。だが、ハーフウェイで静止した状態からスイングを始めれば、自然に左手がリードすることになり、右手が勝ってしまうことはなくなる。
ポイントは左サイド。特に左腰の動きが重要で、自分から腰を切っていくようにしないとインパクトに間に合わなくなる。ヘッドスピードが上がらないので球は低く出るが、球を上げることよりしっかりつかまえることが大切。つかまりやすい9Iから始めて、6Iや5Iでつかまった球が打てるようになればOK。
フルショットに移行しても体の動かし方は同じ。腰が止まれば右手が追い越してひっかけてしまうので、ハーフウェイダウンから腰を切っていこう。
応用編|フェードのアドレスでフックを解消
手元が止まってフェースが返るフックを解消するには、フェードを打つイメージで構えるといい。スタンスをオープンにして、手は少し前に出してハンドファーストに。ボールはやや左に置くと、クラブが左に抜けやすくなる。構えが変われば体の動きも自然に変わる。
切り返さないでスイングする場合、下半身から動かさないとクラブを振ることができません。ハーフウェイからでも、肩の高さからでも、トップからでも下半身を使ういい練習になります。私もスタート前には必ずこのドリルをするようにしています。
アドバイザー
寺西 明
(てらにし あきら)30歳でゴルフを始め、「関西アマ」「関西ミッドアマ」など数々のタイトルを獲得。2015年、49歳でプロテスト一発合格。2020年は「日本シニアオープン」で優勝し、シニアツアー賞金王獲得。ツアー通算6勝。ゴルフ塾「寺小屋」で多くのプロやアマを指導する。
協力/関東ゴルフ連盟