シングルさんの神ドリルPART2|飛距離&方向性アップのためのドリル(前編)
【時短練習スペシャル】練習は量より質!シングルさんの練習法であなたもシングル!
練習不足&運動不足でも、スイングスピードを維持するコツからフックやスライスを克服する練習まで。トップアマが実践する飛んで曲がらないショットを打つためのドリルを試してみよう。
GOLF TODAY本誌 No.593 28〜37ページより
GolfDrill⑪|超省エネ!シャドースイングでボールを打たずに飛距離アップ!
「日本アマ」「日本ミッドアマ」「日本シニア」の3冠を日本で初めて達成したスーパーアマ、和田博さんが実践している超省エネの飛距離アップドリル。
Profile
和田 博さん
(わだ ひろし)1962年生まれ、東京都出身。12歳でゴルフを始め、34歳の時に「日本ミッドアマ」優勝。2000年の「日本アマ」は並み居る学生強豪を退け38歳でアマ日本一となる。17年は「日本シニア」で優勝。
伸び伸びとした高いフィニッシュが理想!
①早い段階で右股関節にのる。バレーボールを両手で挟んだまま動かすイメージで間隔をキープできれば左肩が遅れない。
②下半身をきちんと切って左足の股関節に乗っていく。
③しっかり左に乗って、しっかり回すよう意識。左ワキは締めない。
①左ワキを締めるとブレーキがかかってスイングスピードが落ちる。
②左ワキをフリーにしてクラブを行きたいところに行かせれば、ヘッドが加速しフォローが伸びる。
しっかり体重を乗せたハーフのシャドースイングを
練習場ではドライバーに時間を割き、かなりの球数を打っている人が多い。だが、目の前にボールがあると当てに行く意識が働くのでスイングが小さくなりかえって飛ばなくなってしまう。また、長いクラブを打ち続けると、体力が消耗し後半は惰性になりがち。ひいては故障の原因にもなる。和田さんが実践しているのはクラブを持たないシャドースイングだ。
飛距離アップのためにはバックスイングで大きな捻転差を作ってから、フィニッシュに向かって振り切ることが大事。ハーフウェイのシャドースイングで、右から左にしっかり体重を乗せながら腰をしっかり回せているかどうか、下半身の動きに意識を集中する。そして実際にボールを打つ際には、どのような球が出るかは気にせず、フィニッシュまでスパーンと振り切ることだけ考えよう。
シングルゴルファーの神ドリルPART1|スイング作りに役立つ基本のドリル(前編)
高度なテクニックも土台があってこそ。上級者がふだんの練習でもっとも時間を割いているのは基本中の基本のおさらいだ。スイ...
応用編|軽く、短いシャフトでスピードを出す
クラブを持つとボールに合わせてしまいます。シャドースイングは下半身の動きを覚えるのにすごくいい練習です。マネをするときはスタンスの広さをいろいろ変えてやってみるといいでしょう。自分が一番身体を動かしやすいスタンス幅が見つかります。
GolfDrill⑫|シャフトだけで振ればスイングスピードが上がる
試合でも練習でも100%の力で振ることは滅多にない。しかし、どうしても届かせたいときやラフが深いときには100%が必要。スピード感を忘れないためにシャフト素振りが役に立つ。
Profile
飯塚裕一さん
(いいづか ゆういち)1966年8月22日生まれ。神奈川県出身。日体大荏原高校でゴルフを始める。99年「日本アマ」39位タイ。2003年「日本ミッドアマ」31位タイ。ドライバー平均飛距離265ヤード。ベストスコア65。
カチャカチャドライバーをヘッドなしで振る
①ヘッドの重さがない分、体を使わないと速く振れない。切り返しでクラブが上がりきる前に腰を切り始め、上半身と下半身の捻転差を大きくするのが速く振るコツ。
②手を使わないで腰の回転にクラブがついてくるイメージで振ろう。
飛ばしたいときは右足体重
練習の始まりに片手打ち30球が定番
ふだんよりも飛ばそうとしたときにミスが出るのは、身体がそのスピードを覚えていないため上手く反応できないからだ。
ドライバーのヘッドは重心距離が長いので、クラブ任せである程度まで速く振れてしまう。さらに自分でスピードを上げていくためには、先の軽いものを振ってみるのが効果的だ。素振り用のスティックでもかまわないが、カチャカチャ付きドライバーのヘッドを外したシャフトを振るとグリップの感覚がふだんと同じなのでよりコツがつかみやすい。
やってみるとわかるが、軽いからといって腕を速く振ろうとしてもなかなかスピードは上がらない。先の軽いものほど速く振るためには体全体を使わなければならないので、正しい下半身の使い方もマスターできる。
応用編|歩測で距離感を養う
ヘッドの付いていないシャフトは、下半身を積極的に動かさないと速く振れないし、軌道がブレやすいのですごくいい練習になります。ただ、シャフトだけだとしなりを感じにくくなるので、初中級者ははじめ軽くて軟らかいスティックを使うといいかもしれません。
GolfDrill⑬|低スピンボール&ドライバーはアッパーで飛ばす
いまどきの低スピンのドライバーとボールの性能を引き出すにはアッパー軌道でインパクトを迎える必要がある。アッパーで飛ばすためのコツと練習法がこちら。
Profile
中澤奨太さん
(なかざわ しょうた)1988年生まれ、30歳。長野県出身。大学入学後にゴルフを始め、卒業後はサラリーマンアマとして競技に出場。2018年「関東アマ」決勝出場、「ミッドアマチュアゴルファーズ選手権」関東大会10位。
①右足に6~7割くらいの体重をかけ、アッパーブローで打てる体勢を作る。
②グリップエンドが体の中心から離れないように手と体を一緒に回す。
③切り返しは軽く左足を踏み込んで、下半身からダウンスイングをスタート。
④胸が後ろを向いたまま、腕を上から下にストンと下ろす。
⑤グリップよりも手前から低く長くヘッドを動かす。
30センチ手前からヘッドを地面と平行に動かす
クラブが上から入るとスピンが増えて飛距離をロスし、ヒッカケも出やすい。ダウンブローに入るクセを解消し、常にゆるいアッパー軌道で打てるようにするには、ボールの30センチ手前からヘッドを水平に動かすイメージで振りたい。
練習では飛球線と平行にクラブを置き、グリップの長さを目印にしよう。クラブを上げるときはグリップエンドがおへそを指すように意識すれば手と体が同調する。下ろすときは下半身から動かして手は真下にストンと下ろす要領で。目標に対してフォローを真っすぐ出すよう意識すると、ボールの手前から低く長くヘッドを動かせる。アドレス時から右足に6割くらい体重をかけておいて、右軸のアッパー軌道で打てる体勢を作っておくのもコツだ。
応用編|本物のスクエアスタンスを身につける
ターゲット方向にスタンスを真っすぐに合わせると、飛球線に対してはクローズドになる。ターゲットよりも若干左を向くのが、本当のスクエアスタンス。練習の時から飛球線と平行にガイドライン(クラブ)を置いてその方向に合わせるようにする。
私も30センチまでは真っすぐ引くように意識しています。ダウンスイングの際も30センチ手前のボールを打つくらいのイメージを持つといいでしょう。常に自分の右サイドでボールを打つように意識することで入射角も自然とシャローになり、ダウンブローの度合いも小さくなります。
GolfDrill⑭|球がつかまらない!は7番アイアンのハーフスイングで修正
いまどきの重心距離の長いドライバーではヒッカケよりも右に飛ぶミスが出やすい。球をしっかりつかまえて飛ばせるように正しいフェースローテーションを身につける練習方法。
Profile
小原 淳さん
(おはら じゅん)1983年生まれ。神奈川県出身。日本大学ゴルフ部出身。2010年「全国都道府県対抗アマ」団体優勝。19年「日本ミッドアマ」2位タイ。「神奈川県ミッドアマ」は通算3勝。ドライバー平均飛距離260ヤード。
ドライバーでも球がつかまるようになる!
①クラブを水平に上げたとき、フェース面が正面を向くようにする。
②フォローの時はバックフェースが正面を向いていればオーケー。
ハーフスイングでローテーションを習得
真っすぐな球を打とうとしてヘッドを真っすぐに出そうとすると、余計にボールが右に出るようになる。その原因はフェースローテーションが使えなくなり、フェースが右を向いたまま当たるからと考えられる。
球が思うようにつかまらないときにオススメのドリルは7番か8番アイアンのハーフスイング。フルスイングよりも球がつかまりにくいハーフスイングでは意識してフェースローテーションを入れないと球を真っすぐ飛ばせない。チェックポイントは、低くて真っすぐな球が出ているかどうか。
ハーフスイングではフルスイングよりも球が低くなるので、もし真っすぐに飛んでいたとしても、打ち出しが高ければフェースが開いて当たっているということになる。
応用編|スライス解消ドリル1|手の位置を低くする
スライス解消ドリル2|トゥでかまえる
フェースの返りにくいクラブでは、フェース面の向きを変えないようにシャットに上げるのも正解です。それでもつかまらないときはフェースをかぶせてかまえ、つかまる体勢を作っておくのもありです。フォロースルーは打った後の結果なので、つかまったときはフェースが返っているのが正解。
アドバイザー
寺西 明
(てらにし あきら)30歳でゴルフを始め、「関西アマ」「関西ミッドアマ」など数々のタイトルを獲得。2015年、49歳でプロテスト一発合格。2020年は「日本シニアオープン」で優勝し、シニアツアー賞金王獲得。ツアー通算6勝。ゴルフ塾「寺小屋」で多くのプロやアマを指導する。
協力/関東ゴルフ連盟