ゴルフの掛け声「ファー」とは|意味や語源【用語解説】
ゴルフをしたことがある人も、これから始めるという人も、「ファー」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
ゴルフのミスショットの代名詞のように捉えられることが多いですが、この掛け声には、ゴルフを安全に楽しむ上で重要な役割があります。
今回はそんな「ファー」の掛け声について、意味や語源、掛け声の後のアクションに至るまで詳しく解説していきます。
ゴルフの掛け声「ファー」とは
ゴルフの掛け声「ファー」とは、ゴルフ場でボールを大きく曲げた際、周りにその危険を知らせるための合図です。
ボールが人に当たらなかったとしても、相手は急にボールが飛んで来たらとてもびっくりしますし、不快な思いをしてしまいます。ゴルフをする上で、必ず覚えておかなければならないマナーの1つです。
- ゴルフで「ファー」と叫ぶ理由・目的
- 「ファー」の語源・由来の説
- 「ファー」は間違い。正しくは英語の「フォアー」
ゴルフで「ファー」と叫ぶ理由・目的
ミスショットして隣のホールへ飛んで行ったボールが、たまたま歩いていたプレーヤーに当たってしまうと大けがをしてしまいます。ラウンド中、別のホールからボールが飛んでくるかもしれないと、常に気を張っているプレーヤーはいません。
ミスショットしてしまった人が「ファー」と大きな声で叫ぶことによって、隣のホールにいる人へ危険を知らせることができます。
「ファー」の語源・由来の説
「ファー」という言葉の語源はいくつかありますが、最も有力なのは、英語で「前へ」を意味するforeに由来するとする説です。
もう一つは、イギリスの兵士が戦場で「前方注意」を促す時に使っていたbeware beforeを短くしたものという説。戦場でもゴルフ場でも、危険を知らせるのに長い文章を言っていられないので、現在のように短い言葉になったと言われています。
「ファー」は間違い。正しくは英語の「フォアー」
語源が「fore」または「before」なので、「ファー」ではなく「フォアー」と叫ぶのが正解です。
海外の試合などを見ていると、外国の選手が隣のホールに打ち込んでしまったときなどにそのように言っているのが分かります。
しかし日本人は「ファー」のほうが言いやすく、その発音で定着しているので、どちらでも問題はありません。大切なことは、とにかく遠くまで聞こえるよう大きな声で叫ぶことです。
ゴルフで「ファー」と叫ぶシーン・タイミング
静かなゴルフ場でむやみに「ファー」と叫んでしまうと、集中しているプレーの迷惑になってしまいます。ここでは、どのようなシーン・タイミングで使うのが適切なのかを解説していきます。
- ティショットで隣のホールへ打ち込んでしまった時
- 誤って前の組へ向かって打ち込んでしまった時
ティショットで隣のホールへ打ち込んでしまった時
1番わかりやすいのがこのケースです。ボールが飛んだ方向に隣のホールがあり、人が歩いているかもしれない場合には必ず大きな声で「ファー」と叫びましょう。
隣のホールではなくOBの場合には、人がいないので叫ぶ必要はありません。ただし、打った方向がOBなのか隣のホールなのか分からない場合には、念のため「ファー」と叫ぶようにしたほうが安全です。
誤って前の組へ向かって打ち込んでしまった時
落下地点が見えないブラインドホールでは、前の組がいるのかいないのかわからないまま打ってしまうことがあります。
もういないかなと思って打った後、見えないところから急に前の組のプレーヤーが出てきた場合は、すぐに「ファー」と叫びましょう。
こうならないように、ブラインドホールでは後ろの組はカートのGPSで前のカートの位置を確認し、前の組も誰か1人が後ろの組の見えるところで待機しておくようにすることが大切です。
ゴルフで「ファー」と掛け声を発した後の対応
掛け声で周りに危険を知らせても、不運なことにボールが当たってしまうことがあります。また当たらなかったとしても、打ち込んでしまった相手への謝罪は必要です。
ここでは、掛け声のあとの対応について解説します。
- 打ち込んだ方向のプレイヤーに怪我がないか安全確認
- 万が一、打球事故が起きてしまった場合の対応
打ち込んだ方向のプレイヤーに怪我がないか安全確認
もし人に当たってしまった場合、すぐに騒ぎ声が聞こえてくるはずなので、まずは声がしないか確認します。騒ぎ声が聞こえた場合は即座に、しない場合はいったん自分の組のプレーの邪魔にならないことを確認してから、ボールの飛んだ方へ向かいます。
打球が当たっていない場合、隣のホールではプレーが続いているので、ホールに進入する際は気を付けましょう。誰も怪我をしていないことが確認できたら、打ち込んでしまったことに対して「すみません」と一声謝ってから、自分のボールを拾うのがマナーです。
万が一、打球事故が起きてしまった場合の対応
もし自分の打球によって人を怪我させてしまった場合、まずは謝罪をした上で相手の容態の確認をして下さい。頭に当たってしまった場合は命の危険もあるので、安全な場所へ移動し、マスター室に連絡して迎えを呼びます。
クラブハウスに戻ったら、アイシングを用意してもらうなど率先して看病に当たるようにしましょう。後日病院に行く場合、当ててしまった人が治療代を負担するのが一般的なので、必ず相手に自分の連絡先を伝えておく必要があります。
ゴルフ場での怪我や破損に備えて「ゴルフ保険」に加入しよう
このように自分の打球で人を怪我させてしまうと、治療代や病院への交通費、休業補償等で多額の費用を負担しなければならなくなるケースもあります。
そんな時のために「ゴルフ保険」に入っておくことがおすすめです。ゴルフ保険に入っておけば、こうした費用だけでなく、クラブの破損やホールインワンのパーティ費用など幅広く補償してもらえるので、安心してゴルフを楽しむことができます。
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ゴルフの掛け声「ファー」について改めておさらい
- 掛け声の語源はforeやbeware beforeなど前方への注意を促す言葉から来ている
- 隣のホールへ打ち込んだり、誤って前の組に打ち込んでしまったときに使用する
- 怪我をした人がいないかを確認し、怪我をさせてしまった場合は最後まで看病をする
これからゴルフを始める人も、既に何度かゴルフ場に行ったことがある人も、しっかりと「ファー」の掛け声の意味を理解して、安全にゴルフを楽しみましょう。