新しいヨネックスのEZONE GT ドライバーはゴルファーに未来を見せる!
450ccと425ccの2本のドライバーをコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証
ヨネックスのEZONE GT ドライバー
ヨネックスのテクノロジーの結晶である『EZON GT』ブランドの新しい2本のドライバーは、どんなゴルファーのために開発されたのか? コースに持ち込んで打ってみてわかったことをレポートする。
撮影/篠原嗣典
ヘッドをたわませる発想を変えたEZONE GTのサイドウォールが高機能を発揮する!
ヨネックスは、2022年3月11日に新しい『EZONE GT』シリーズのクラブを発売する。
ドライバーは『EZONE GT 450 ドライバー』と『EZONE GT 425 ドライバー』の2本がラインアップ。
“「ぶ厚いインパクト」で、飛球線に押し込む強さ。”というコピーだ。
『EZONE GT』というブランドを知らないゴルファーのほうが多いかもしれないが、ヨネックスの最先端のテクノロジーをわかりやすく全力投入したクラブを市場投入していることで、一部のゴルフギアファンに評価されているブラインドである。
わかりやすくと書いたのは、見た目でわかるような親切な工夫を施して、近未来的な雰囲気を醸し出しいているからだ。
新しい『EZONE GT ドライバー』を見ても、フェースのデザインは、はみ出るほどのプリント部分が目立つが、よく見ると、普通であれば横方向に入っているミーリングが縦方向に入っていて、ボールの曲がりを抑えている。
また、プリント部分もボールの大きさから逆算されていて、構えてみると芯に当てやすくゴルファーを誘導するように出来ているのだ。
今回注目すべきテクノロジーは、「新ヘッド構造サイドウォール」である。
ヘッドの外周部分を肉厚加重帯にすることで、今までの縦にヘッドのたわみを適切化させる発想のテクノロジーではなく、外枠で横からたわみを最適化するという発想にしたのだ。それだけで十分に面白いし、興味深い。
そこに重量を配置すれば、慣性モーメントが大きくなり、ミスヒットにも強くなることも推測できる。
そもそも、ヨネックスはテニスやバドミントンのラケット開発で、カーボンや金属の特性を知り尽くして、世界をリードしているのである。その基礎的なテクノロジーが、ゴルフでも活かされると考えれば、注目しないほうがおかしな話なのだ。
もちろん、新しいテクノロジーの中には、机上の理論になってしまって、現場でその機能を発揮できないケースも少なくないことも承知している。
だからこそ、コースでラウンドして検証するわけである。
まずは、『EZONE GT 450 ドライバー』(ロフト9度、純正シャフトSフレックス)を打ってみた。
構えてみると、大きいヘッドだとわかる癖がない良いフォルムに安心感がある。スッと方向が出せて、構えやすい。素振りをしてみると、シャフトも変な挙動はせずに、振りやすい。
特別なことは考えずに、ナチュラルに打った。
中弾道。ストレート。やや棒球系。飛距離は230ヤード。
文句がないボールが出た。飛距離も、ヘッドスピード40m/sとしては、最高に近い結果だ。
面白かったのは、打音がきれいで、弾き感があるのに、打ち応えが独特なことだ。
ボールがフェースと接している時間が長く感じた。昔のパーシモンのクラブを打っているときのような感じだった。
ラウンドを通して、最も飛んだホールでは250ヤード。
この飛距離は驚異的で、自分でも驚いた。
個人的に、良かったのは、とにかく、狙い通りにしか飛ばないことだった。
ドライバーを使った全てのホールで、狙って芯を外した打ったホールも含めて、ほぼストレートなボールで、狙った方向に飛んでいったのだ。当然だが、ラウンドをしたスコアもすこぶる良かった。
新しいテクノロジーのサイドウォールは、強烈に機能していると感じた。
また、新しい専用シャフトも飛距離と方向性に影響していた。
『EZONE GT 450 ドライバー』は、ある程度ドライバーが打てるゴルファー全てにオススメしたい。
癖がなく、余計なことをしないので、腕前が剥き出しになる傾向があると思うが、方向性能と飛距離性能は無視するのがもったいないレベルである。
2本のドライバーがあるから個性が発揮できる!
続いて、『EZONE GT 425 ドライバー』(ロフト9度、純正シャフトSフレックス)を打った。
構えたときに、ヒール目で打ちなさい、というドライバーのメッセージを感じた。数値よりもライ角がフラットに見える。
素振りでは『EZONE GT 450 ドライバー』と同じ感覚だが、構えるとけっこう違う。
『EZONE GT 425 ドライバー』をナチュラルに打つと、少し右に逃げるボールになる。ライ角がフラットなことだけではなく、ヘッドの特性も影響していると感じた。
左にボールが飛んでいってしまうミスに悩んでいるゴルファーには、オススメだ。
『EZONE GT 450 ドライバー』は、扱いやすくて楽なドライバーだったが、『EZONE GT 425 ドライバー』は頑固なドライバーで扱いが難しいところがあった。
数ホールでドローボールを打とうとしたが、ドロップしてしまったり、逆球が出たりした。
大人しく、同じボールを繰り返して打つように考えられているのだと感じたが、ヘッドスピードが速ければ、球筋を操りやすいドライバーになるのかしれない、と途中で何度か感じた。
『EZONE GT 425 ドライバー』は、ヒールにしか当たらないと困っているゴルファーにもオススメしたい。市場にはフェースのトウ側に当てさせようとするドライバーが主流になっているが、『EZONE GT 425 ドライバー』はヒール目に当ててこそ性能がフルに発揮されるように出来ているのだ。
個性的なドライバーは、その個性を見極めてこそ、正しく使える。それを教わった気がした。
今までのドライバーで、特に悩みがないゴルファーは、『EZONE GT 450 ドライバー』を選択して、挑戦してみると良い。
ヘッドが小さいことの利点としてのボールコントロールをフェードバイアスのように使って、市場にはあまりないドライバーを探しているゴルファーは『EZONE GT 425 ドライバー』だ。
今回の試打を通して、ヨネックスのテクノロジーには感心した。
『EZONE GT 450 ドライバー』の結果が良かったことが、新しいテクノロジーの影響かどうかは、実は明確にはわからない。
しかし、サイドウォールの考え方は、近い将来に他のメーカーでも採用されるのかもしれない、と思った。
ドライバーには相性があるという説がある。合わないドライバーを使い熟そうと努力するすることは、結局は無駄になるというわけだ。
最先端のテクノロジーのドライバーでも、相性はあると思う。
『EZONE GT 450 ドライバー』の結果の良さは、僕との相性が関係するのかもしれない。
ドライバーは、巡り会う運命みたいなものがあると、より性能をアップさせる部分もある。
打つ機会があったら、逃さないことだと断言できるのである。
篠原嗣典。ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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