1. TOP メニュー
  2. スコアに効く
  3. 練習方法
  4. 適当なアドレスがミスを招く!「あそこに打つ!」という強い意識を持ち丁寧に構える習慣を

適当なアドレスがミスを招く!「あそこに打つ!」という強い意識を持ち丁寧に構える習慣を

PGA初の女性A級ティーチングプロ 中村英美がレクチャーする「100を切るためのお約束!」|第7回

2023/05/21 ゴルフサプリ編集部

100切りにはティショットでOBを打たないことが絶対条件。最高のショットが打てなくても、第2打でグリーンが狙える場所に運べたら合格だ。「ドライバーの方向をなるべく安定させるためにもアドレスを丁寧に作る習慣をつけましょう」と中村英美。ミスを少なく抑えるアドレスのポイントとは!?

アドレスを丁寧に作ってドライバーの方向を安定させよう!

クラブを真っすぐにキープしてフェースをセット

ドライバーショットはフェアウェイの真ん中に行かなくても、フェアウェイをキープできたら万全です。ターゲットを30ヤードくらいの幅まで広めにとり、気持ちをラクにして打ちましょう。といっても無造作に打ってはいけません。ショットの方向性をできるだけ安定させるためにアドレスを丁寧に作る心がけがとても重要です。アドレスのポイントは、ターゲットに対してスクエアに構える意識を持つこと。ターゲットは30ヤードの幅でも、狙いはその幅の中央です。打つ前に「あそこに打つ!」と狙いを明確にして、ボールと目標を結ぶターゲットラインをイメージしましょう。

アドレスを作る手順は下記の通りです。

・両足を揃えた姿勢でクラブを右手に持ち、フェース面をターゲットラインに対して真っすぐにセット
・左足、右足の順でスタンスの位置を決める
・グリップを左手から握り、右手を添えてアドレスが完成

アドレスを作るときは最初にフェースをセット。
両足を揃えた体勢でクラブを右手に持つといい。
ボールが左カカト内側の延長線上となるように左足を広げる。
次に右足を広げる。左手をお腹に添えるとターゲットラインをイメージしやすい。
左手をグリップし、最後に右手を握ってスクエアなアドレスが出来上がり。

最初にフェースをセットするときは、クラブを左右に傾けないように注意しましょう。真正面からはクラブが地面に対して真っすぐに見えるように、アドレスの完成までクラブの角度を変えないことが大事です。これはフェースをスクエアに合わせるための重要項目なのです。スタンスの位置を決める段階ではボールが左カカト内側の延長線上となるように左足をセットし、さらにスタンスの幅が自分の肩幅よりもやや広めとなるように右足をセットしましょう。私の場合、左手をお腹に添えて左手の甲を基準にして肩や腰、スタンスがターゲットラインと平行にセットしているかを確認しながらアドレスを作っています。ぜひ参考にしてもらいたいポイントです。

フェースを合わせるときからクラブを真っすぐにしておくことが大事。
目標意識をしっかり持って、スクエアに構える習慣をつけよう。

OBがあるホールはフェアウェイ中央を狙わない

ティショットを打つときは、ティーイングエリアの傾斜に気を配りましょう。ティーイングエリアは平らな場所と思い込んでいる方がとても多いのですが、実際は目につきにくいアンジュレーションが設けられていることがよくあります。結果的にミスショットを誘発させてしまうケースがあるので、決められたティーイングエリアの傾斜を足元で確認し、平らに感じられる場所を見つけてティアップしましょう。特に女性ゴルファーの場合、レディスティが斜めに造られていることが多く、ティーイングエリアの傾斜にはご用心です。

ティーイングエリアは平らな場所ばかりとは限らない。傾斜に十分気を配ろう。
平らな場所を見つけてティアップするだけでミスをかなり防げる。
ドライバーのティアップの高さは指2本分くらいが目安。低すぎたり高すぎたりしないように注意。

そして、もう一つ頭に入れておいてもらいたいポイントがあります。何かというとOBがあるホールでは安全なサイドを狙うこと。フェアウェイ右サイドがOBなら、フェアウェイの真ん中を狙わないで、フェアウェイの左サイドに目標を定めて打ちましょう。これなら球が右に飛んでもOBまでは行かないから安心。左サイドがOBの場合は安全な右サイドに打つのがいいでしょう。ある程度のミスを想定した上で安全策を取るのもティショットを安定させるコツです。

スライスがよく出るという人なら、右のOBはとても気になりますよね。そんなときはティーイングエリアの右寄りで構え、フェアウェイの左サイドを狙って打つのがオススメです。右のOBが視界に入りにくいですし、フェアウェイの対角線を利用することでフェアウェイの幅を広く使います。ティーイングエリア上なら自分の好きな場所にティアップできるのですから、ティーイングエリアのスペースを有効活用しましょう。立つ場所によっては「何か違和感があってミスしそうだな」とか「ここからなら気持ちよく打てそうだな」などと本能的に感じるケースもあると思います。自分の直感は結構当たるものですから、プレッシャーなく打てる場所を選んで打つようにしましょう。

スライスが出やすい人はティーイングエリアの右寄りで立ち、フェアウェイ左サイドを狙うのがベスト。右OBのホールでは特に効果的だ。
ティーイングエリアのいろいろな場所から目標方向を見て、違和感なく打てそうな場所を選ぶのも大事なポイント。

最後にスライスの矯正法をアドバイス。スライスがよく出る人はアウトサイドインの軌道で、フェースが開いて当たるのは原因であることが多いので、軌道修正の練習をしましょう。用意するのは500ミリリットルのペットボトルだけ。これをボールの真後ろのやや外側に置きます。アウトサイドインの軌道になる人はダウンスイングでクラブヘッドがペットボトルに当たってしまいます。ペットボトルに当たらないようにクラブをインサイドから下ろしてくるとインパクトでフェースがスクエアに戻りやすく、スライスが軽減されてドライバーの方向が安定しやすくなりますよ。

ペットボトルをボールの飛球線後方30センチの10センチ外側付近に置く。
クラブヘッドがペットボトルに当たらないようにインサイドから振り下ろす。
アウトサイドインの軌道になる人はダウンスイングでペットボトルに当たる。

〈まとめ〉
・ターゲットに対してスクエアに立つ意識を持つ
・アドレスを作るときは最初にフェースをスクエアにセット
・真正面からシャフトが真っすぐ見える構えが理想
・ティーイングエリアの平らな場所を選んでティアップ
・OBがあるホールは安全なサイドを狙って打つ
・フェアウェイの対角線を利用することも考える
・スライスを直したいなら軌道修正の練習をしよう

目標をしっかり決めて、アドレスを丁寧に作れば方向性がよくなる!

中村英美
なかむら・ひでみ/群馬県出身。163㎝。法政大学ゴルフ部卒。2015年の関東女子ミッドアマ優勝。フィリピンや台湾でトーナメント出場の経験を積んだ後、ティーチングの道に進む。21年にPGAで女性初のA級の資格を取得。22年はPGAアワード賞の最優秀賞に輝いた。アマチュアレッスンのほか、女子ゴルファーのキャスティング、コンペ・イベント企画を運営するV・J・Golfを主宰。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部


PGA初の女性A級ティーチングプロ 中村英美がレクチャーする「100を切るためのお約束!」


前回へ 次回へ

シリーズ一覧へ