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ドライバーは「30ヤードの幅」にターゲットを広めにとろう!

PGA初の女性A級ティーチングプロ 中村英美がレクチャーする「100を切るためのお約束!」|第6回

2022/05/21 ゴルフサプリ編集部

中村英美

スコアメイクの要はアプローチやパットなどのショートゲームだが、ティショットのミスを減らすことも大事だ。「でもグッドショットを打たなくちゃ! と自分を追い込まないこと。少しくらいミスしてもOKと気楽に考えてくださいね」と中村英美。100が切れるようになるドライバーショットの打ち方のコツを教えてもらおう。

ドライバーは「30ヤードの幅」にターゲットを広めにとろう!

セカンドでグリーンを狙える場所ならどこでもOK

ティショットでは基本的にドライバーを使って打ちます。ドライバーの飛ばしはゴルフの醍醐味ですから、気持ちよく飛ばしたいですよね。でもOBに打ち込んだり、林や崖に行ったりしてはスコアになりません。100切りを目指すなら、ティショットの安定性が必須です。ドライバーは飛距離よりも方向性を優先してプレーしましょう。

ドライバーショットはフェアウェイをキープできたら最高ですが、グッドショットを打つよりも大きなミスを減らすことが第一。ボールが曲がったとしてもセカンドショットが打てる場所にあれば合格です。フェアウェイを外してもラフで止まって、グリーン方向が狙えるのなら全然問題ありません。「いいショットを打とう!」と自分でプレッシャーを背負うとカラダが硬直してクラブがスムーズに振れなくなってしまいます。フェアウェイの幅は大体30〜40ヤードくらいあるのが普通ですから、「30ヤードくらいの幅に飛んでくれたら大成功!」くらいの気持ちでスイングしてください。

中村英美
ティショットは目標を30ヤードの幅にとって、気持ちをリラックスさせよう。

といっても最初から「フェアウェイのどこでもいいや」と安易に考えてターゲット意識がおろそかになってはいけません。ホールの状況にもよりますが、フェアウェイの中央付近に目標をしっかり定めて、その方向に対してスクエアに構えるのがベストといえます。結果的に100点満点のショットが打てなくても、方向が左右にブレたり距離があまり出なかったりしても60点くらいのショットが打てたなら、自分のミスを許容する心を持ちましょう。OBや林などの0点のショットを打たなければいいのです。

クラブを短く持つだけで0点のショットが激減する

ドライバーショットの方向が安定しないという人は、目標に対してカラダが右を向いてしまう傾向が多く見られます。これは遠くの目標に目や肩を合わせようとするためです。そこでカラダが右を向きやすい人へのアドバイス。ボールの真後ろに立ってフェアウェイ方向を見てボールと目標を結ぶターゲットラインをイメージしたら、ボールの左側へと回り込むようにボールに近づいてアドレスを作るようにしましょう。こうすると肩が目標の右を向きにくく、目標に対してスクエアに構えやすくなります。

中村英美
遠くの目標に目や肩を合わせようとするとカラダが右を向きやすいので注意。
中村英美
目標を広くとるのはいいが、ボールと目標を結ぶターゲットラインを明確にイメージして目標意識を高めることが大事。
中村英美
カラダが右を向きやすい人は、ボールの真後ろからボールの左へと回り込むように近づくと肩が右を向きにくくなる。
中村英美
最終的には目標に対してスクエアに構えることが方向を安定させるための一番のポイント。

飛ばそうとしてクラブを急角度で振り下ろしたり、上げようとしてすくい打ちになったりするのもショットのブレを引き起こす原因です。どちらにしてもクラブを振りすぎてはボールを正確にヒットするのが難しくなります。

フェースの芯に当たらず、ボールがとんでもない方向に行ってしまうという人はクラブを短く持ちましょう。通常はグリップエンドを2〜3センチ余して持つなら、グリップの真ん中を持つのです。短く持つだけでシャフトのしなりが抑えられてクラブの振り遅れを防ぐ効果があります。

またグリップが細く感じられるため、インパクトでフェースがスクエアに戻りやすくミート率が上がります。クラブのコントロール性が上がって方向の安定性が格段にアップしますよ。

中村英美
ボールを打ちにいったり(左)すくい上げたり(右)するとショットの方向が安定しにくい。
中村英美
ドライバーショットの方向が左右にブレやすい人はグリップの真ん中を握り、クラブを短く持とう。
中村英美
クラブを短く持つとスイングが自然とコンパクトになり、トップのポジションが決まりやすい。
中村英美
インパクトでフェースがスクエアに戻りやすく、ミート率がアップして曲がり幅を小さく抑えられる。

「出球の安定」でフェアウェイキープ率がアップ

ドライバーショットの方向を安定させるには、「出球」をコントロールして打つ必要があります。
出球とはボールが飛び出して行く方向のことですが、0点のような大きなミスショットは出球が最初からズレてしまっているのです。

そこで私がオススメしたい飛び出しのボールをイメージするドリル。
練習マットの50センチから1メートルくらい先にターゲットラインを挟むように2本のクラブ、またはスティックを30センチ間隔で並べます。ボールの先にゲートを作っておき、その間にボールを通過させるつもりで打つ練習です。皆さんはインパクトでちゃんと当てることばかりに意識がいきますが、ボールの飛び出す方向の確認も大事です。

中村英美
ボールの先に2本のクラブを飛球線と平行に並べてドライバーの練習をしよう。
中村英美
出球の方向を意識することで、スイングのフォームが固まりやすい効果もある。
中村英美
ボールにちゃんと当てることよりも、出球の方向をしっかりチェックしよう。

最近のクラブやボールは性能が向上して、左右に曲がりにくくなっています。右にスライスしてしまうと悩む方の球筋を見ていると、ボールが最初から目標の右に出て、途中から軽く右に曲がるパターンがほとんどで、曲がり幅はそれほど大きくはありません。左にフックしてしまったというケースも出球が左に出ているだけのことが多いです。つまりフェアウェイの中央に打ち出すことができれば、ボールが多少曲がってもフェアウェイの30ヤードの幅の中に収まりやすいということになります。出球の方向を意識することで、遠くの目標に対してスクエアに立つ感覚も養われますから効果抜群ですよ。

中村英美
ボールが2本のクラブの間に飛ばせるようになればフェアウェイキープ率が上がる。

〈まとめ〉
・ドライバーを30ヤードの幅に打とう
・完璧なショットを打つことは考えない
・目標をしっかり決めて打つ意識を必ず持つ
・カラダが目標の右を向きやすい点に注意
・クラブを短く持ってコンパクトにスイング
・出球を安定させる練習でドライバーに自信をつけよう

ティショットはセカンドショットが打てる場所に運べたらOKと気楽に考えよう。

中村英美

中村英美
なかむら・ひでみ/群馬県出身。163㎝。法政大学ゴルフ部卒。2015年の関東女子ミッドアマ優勝。フィリピンや台湾でトーナメント出場の経験を積んだ後、ティーチングの道に進む。21年にPGAで女性初のA級の資格を取得。アマチュアレッスンのほか、女子ゴルファーのキャスティング、コンペ・イベント企画を運営するV・J・Golfを主宰。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部


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