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日本のゴルファーだけがわかる108の秘密!

ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第18回

2022/05/14 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。

早朝にゴルファーたちと一緒に走る!

ゴルフコースに向かう早朝の高速道路。同じ道を、ほぼ毎週、片道約100キロ走ります。
ゴルフの行き帰りだからというだけではなく、ドライブも楽しんでいます。

まず、運転する上で、注意するのは車の量です。車の量が多ければ、少し急ぐ意識を持たないと、計算よりも全体的に遅くなってしまうからです。
まあ、余程のことがなければ、早朝の高速道路はガラガラです。

周囲の車を観察しながら、「今日は、ゴルフに行く仲間ばかりいるなぁ」とわかったつもりになる日があります。
車のナンバープレートが語るのです。

『7272』『1818』『3636』『・562』ゴルフを連想させる数字のナンバーは、早朝の高速道路にはたくさん走っています。
僕のゴルフ仲間にも、このようなゴルフ連想のナンバーも車に乗っている例がたくさんあります。

僕は、全くゴルフと関係がないナンバーの車ですが、ゴルフ連想のナンバーをつけたゴルフの虜になっている仲間たちと、朝日を見ながら走る高速道路は、ゴルファーのカーニバルみたいな雰囲気で気分が上がります。
ちなみに、普段利用している高速道路の周囲には200を超えるゴルフコースがあります。

先日も、大先輩が諸事情で納車が遅れていた新車を見せてくれたのですが、ナンバーが『8100』でした。
「良いだろう?」とナンバーを指さして言うのですけれど、意味はわかりませんでした。
「パット王、だよ。パット王に俺はなる! だよ」

どこかの海賊のヒーローみたいに、もうすぐ75歳になる大先輩はニヒルに笑ったのです。
これも、わかりにくいですが、ゴルフ連想のナンバーです。
ちなみに、大先輩のパットは、軽症のイップスです。王様になれるように、高級な新車にむかって、祈るしかありませんでした。

ゴルフが好きになる人は、数字も好きな傾向があるそうです。
ゴルフは、数字に溢れているからです。スコアも数字なら、距離の数字もありますし、クラブ選びも数字絡みです。その他、何でもかんでも、その気になれば、数字だけでもゴルフは成り立つかもしれません。

身近な数字をゴルフっぽくしたくなるのは、病気だという説もありますが、ゴルファーは数字マニアだと考えれば当たり前なのです。

ナンバーマジックという魔法で遊べ!

僕は、幼稚園ぐらいの幼い頃から、『4』という数字が好きで、「死」を連想するからと嫌う大人が多い中で、いつの間にかラッキーナンバーだと考えるようになり、今のところ、『4』というラッキーナンバーに助けられた経験を積み重ねてきました。

数字には、言葉では言い表せない不思議な力があると、太古より語り継がれてきました。
民族や文化でも、違いがありますが、好まれる数字は色々ですし、嫌われる数字も様々です。
もちろん、個人的な好みもあります。

朝、フロントでチェックインすると、ホルダーを渡されて、そこにプリントされている数字が、その日の自分のナンバーになるのが、この国では一般的なスタイルになっています。その数字は、そのまま、ロッカーの番号になることも当たり前にあります。
朝の運試しとして、この数字の善し悪しで、その日のゴルフを占うなんてこともよくあります。
僕も『4』が入っていると、良いことがあるかも、と嬉しくなります。

以前、メンバーになっていたコースでは、他のメンバーが嫌がるから普段は使わない『44』のホルダーを必ず用意してくれていました。こうなると占いは出来ませんでしたが、心遣いと一緒に、パワーをもらえるような気がして気分は上々でした。

ゴルフはメンタルが大きく影響をするゲームです。
ほんの少しの不運が、次々に連鎖してゲームを台無しにしてしまう経験は誰でもしていますし、逆に、ほんの少しの幸運が、ゴルフをますます好きにさせる経験に昇華していくことも普通にあります。
小さな運不運が、メンタルに強く影響を与えるというわけです。

そういうときに、数字が魔法のように助けてくれることがあるのです。

僕が最もよく使う方法は、ボールナンバーです。『4』の数字は、気合いが入ったラウンドにしか使いません。
でも、ラウンド中に、不運の連鎖から抜け出せずに、もがいているときに、『4』のボールナンバーを使うことで、悪霊退散という感じで不運からの脱却ができるときがあります。

この方法、かなり効きますのでオススメしています。
魔法のように、絶好調になって、残りのホールで挽回したことは、もはや数え切れないほどです。(全く効かなかったこともありますが)

僕の知り合いには、ボールにサインペン(ボール用のサインペンも売っています)で、自分の好きなラッキーナンバーを書き込んで、判別もしやすいから、とても良いのだ、と胸を張っているゴルファーがいます。
一石二鳥は、魔法の世界でも、歓迎されます。

ゴルフにおける魔法は、かかった者勝ちで、秘かに自分だけで堪能するものです。

スコアカードの欄外に大きな字でラッキーナンバーを書き込むことで、良い流れを引き込むというゴルファーもいます。
僕の場合は、数字としても『4』を連続して書いたり出来ますので、そういう意味ではラッキーです。

生涯で2回、ハーフのスコアが全て『4』だけということがありましたが、本人の感覚としては、面白かったけれど、ラッキーというよりも、調子が良かったのにスコア的にはパープレーでしたから、もったいないゴルフだとおもったのです。

自分だけのマジックナンバー。ラッキーな魔法。そういうものを探すのも、ゴルフの醍醐味です。

無心こそがゴルフの極意なり!!

ゴルフのカップの直径は、ゴルフ規則で「4.25インチ」と決められています。世界中、どこに行っても、ホールの大きさは変わりません。

この大きさ。実に、絶妙なのです。
これよりも大きくとも、イマイチ面白くないし、これより小さいと難易度が高くなりすぎてつまらなくなってしまうのです。
ゴルフがたくさんのドラマを生み出す要素の一つとして「4.25インチ」という大きさは、確実に機能しているのです。

更に、ホールの大きさで、日本のゴルファーは、数字の不思議に感心することが出来ます。
4.25インチは、「108ミリ」なのです。

108といえば、除夜の鐘の数であり、人間の煩悩の数であることも有名です。
ゴルフの最強のコツは何かと、歴代の名人たちに質問してみれば、最も多い回答は、異口同音に『無心でストロークをすること』となると言われています。

煩悩は、仏教用語で、心身を悩ませ、惑わせる心の汚れ、ということになります。
わかりやすく書くと、あらゆる欲望や怒りや憎しみ、そして、無知と雑念です。

ゴルフでも、上手くいかないときほど、心の中は、炎上したコメント欄のように騒がしいものです。
煩悩は、ゴルフでも邪魔なもののです。

いわゆるゾーンに入ったゴルフをしたことがある人の多くが、無心で、静かな心だったと言います。
ホールの直径が108ミリということを知ると、煩悩との戦いがゴルフである、とも思えてきます。
絶妙な大きさで、ゴルフの面白さを支えている108ミリに感謝したくなってくるのです。

先程の「8100」という車のナンバーにした大先輩ですが、新車で何度かコースに行き、ゴルフをしたようです。このエッセイに登場させて良いか、という確認を取った時に、さり気なく聞きましたが、残念ながら、パット王にはなれていないそうです。

数字にこだわりすぎると、欲望から逃れることはむずかしいような気もしますが、108ミリのホールカップを煩悩を消していくように楽しみながらゴルフをするのが、正解なのです。
外すごとに減っていくのか? 入れるごとに減っていくのか? 確認するのも魔法になるかもしれません。

篠原嗣典。ロマン派ゴルフ作家

篠原嗣典。ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】

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