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アイアンは「ハーフトップしてもOK」と思えばミスが少ない!

PGA初の女性A級ティーチングプロ 中村英美がレクチャーする「100を切るためのお約束!」|第10回

2022/06/18 ゴルフサプリ編集部

アイアンショットは基本的にグリーンを狙いたいときに使うクラブ。だけど大ダフリばかりしていてはスコアをロスする一方だ。「アイアンはしてもいいミスと、してはダメなミスがあります。ハーフトップならOKと割り切ってプレーすれば案外スコアがまとまりやすいですよ」と中村英美。アイアンのミスを減らすコツを教えてもらおう。

アイアンは「ハーフトップしてもOK」と思えばミスが少ない!

カラダをスムーズに回転し、ソールを滑らせるイメージで打つ

アイアンショットのミスにはダフリやトップ、シャンクなどがありますが、警戒したいのはダフリとシャンク。ボールの手前を大きくダフっては前に進めませんし、急角度で右に飛び出すシャンクもOBなどに打ち込んでしまう危険性大です。ボールを上げようとする人はしゃくり打ちになりやすく、上から打ち込む意識が強すぎる人は突っ込み打ちになりやすい。こうしたスイングがダフリやシャンクを招いてしまうのです。

しゃくり打ちになるとリリースが早くほどけて手前をダフりやすい。シャンクの原因にもなる。
上から鋭角に打ち込みすぎてフェースの刃が芝に刺さり、大ダフリになるパターンも多い。

その点、目標方向に低い角度で飛んでいくトップなら、距離が結構出るので許せるミスといえます。といってもフェースの刃が直接当たって地を這うような低いボールのトップが出てグリーンオーバーしてしまうのはダメ。トップが悪化するとボールの頭をこすっただけのチョロも出やすいので注意してください。ミスしたときはボールの上半分を叩いて低いライナーで飛んでいくハーフトップになるというのが理想です。

まずボールの位置ですが、ドライバーよりもボール1個半ほど内側にセットしましょう。ドライバーの場合は左カカト内側の延長線上に置き、アイアンはティアップの高さの分だけ右に置きます。ドライバーよりもスタンス幅が狭くなるので、感覚的にはスタンスの中央付近となります。アイアンは飛ばすためのクラブではないので、思いきり振り回すのは避けること。力感をドライバーの7〜8割くらいにセーブし、コンパクトにスイングしましょう。「アイアンは頭を動かすな」とよくいいますが、頭を止めすぎてはカラダの可動域が狭くなりますし、頭が上下に動きやすいという弊害が生じやすいのです。少しくらい顔が左右に動いてもいいですから、頭の高さをキープすることを意識してカラダをスムーズに回転しましょう。

アイアンのボールの位置は、ドライバーよりもティアップの高さの分だけ内側が基本。
顔が多少は左右に動いてもいいから、カラダをスムーズに回転しよう。トップとフィニッシュはコンパクトに。
頭を無理に止めるのは逆効果。カラダが回りにくく、頭の上下動を引き起こしやすい。

ハーフトップが出てもOKというスイングを目指すなら、ダウンブローに打つ意識はあまり持たないほうがいいと思います。フェアウェイウッドほどではないですが、アイアンにもソールの面があるのでこの面を芝の上で滑らせるイメージで打ちましょう。スイング軌道の最下点でボールをとらえるレベルブローのスイングです。そうすればミスしてもハーフトップにしかならず、大ダフリやシャンクは生じませんよ。

クラブを鈍角に入れて、ボールを横から払い打つイメージでインパクトするのがベスト。
アイアンにもソールの面がある。この面を利用して芝の上を滑らせるようにスイングしよう。

カラダのバランスを整えてから打つことを忘れない

ドライバーがいい当たりでフェアウェイのセンターをキープ。絶好のポジションからのセカンドショットでグリーンを狙いにいったら大ダフリ。ドライバーの後のアイアンショットでこんな失敗をよくしていませんか? これはドライバーの感覚がカラダに残ったままで打ってしまうから。よくあるのはドライバーのようにボールを左に置いて、しかも目線が高くなって右肩下がりのアドレスとなるパターンです。そのためしゃくり打ちになって、大ダフリやシャンク、チョロなどのミスが生じやすいのです。

ドライバーの直後のアイアンショットは目線が高くなったり、右肩下がりの構えになったりしやすい。
その体勢のままでスイングするとダウンスイングで右肩がさらに下がって大ダフリなどのミスを誘発する。

確かにそんな失敗が多いな〜と思った人に対策法をアドバイス。ショット前に軽いジャンプを2〜3回繰り返しましょう。ジャンプはカラダをリセットする効果が高いですし、バランスを整えるためにもぜひやってください。そしてアドレスを作るときは上体を真っすぐにして、クラブを真上からゆっくりと地面に下ろします。ドライバーショットの感覚がスーッと消えて、アイアンショットにマッチしたアドレスが作りやすくなります。

ドライバーの後のアイアンショットを打つときは、アドレスする前に軽くジャンプすると効果的。
アドレスを作るときは上体を真っすぐにして、クラブを胸の前で真っすぐ立てよう。
そのまま上体を折り曲げてクラブを真っすぐ下ろせばバランスのいいアドレスとなる。

アイアンでもっとも多いミスといえばダフリでしょう。ボールを上げたい心理からしゃくり打ちになるのが一番の原因ですが、ダフリが出やすい人に共通しているのはインパクトで右手のヒラが上を向いてしまうこと。フェースが開いて当たるのでシャンクの原因にもなります。そこで練習するときは通常のグリップを作ったら右手の人さし指を伸ばし、グリップの真横に添えましょう。インパクト時に人さし指でクラブを右横からアシストしてあげれば、右手のヒラが上を向いてしまう欠点が解消されてミート率がアップしますよ。

アイアンでダフリがよく出る人は、しゃくり打ちが一番の原因。
インパクトで右手のヒラが上を向いてしまうのが諸悪の根源だ。
ダフリの修正練習をするなら、通常のグリップから右手の人さし指を伸ばそう。
インパクトでも右手の人さし指がアシスト。これでダフリ癖を一発で解消できる。

〈まとめ〉
・アイアンは大ダフリとシャンクを徹底防止
・ハーフトップなら距離のロスが少ない
・頭の高さをキープして、スムーズに振り抜く
・ソールを滑らせるイメージを持とう
・軽くジャンプしてカラダのバランスを整えておく
・ダフリ防止は右手のヒラを上に向けないで打つ

アイアンは打つ前にジャンプしてカラダのバランスを整えるとグッド!

中村英美
なかむら・ひでみ/群馬県出身。163㎝。法政大学ゴルフ部卒。2015年の関東女子ミッドアマ優勝。フィリピンや台湾でトーナメント出場の経験を積んだ後、ティーチングの道に進む。21年にPGAで女性初のA級の資格を取得。22年はPGAアワード賞の最優秀賞に輝いた。アマチュアレッスンのほか、女子ゴルファーのキャスティング、コンペ・イベント企画を運営するV・J・Golfを主宰。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部


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