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傾斜地からのショットは打つ前の素振りで感じをつかんでおこう!

PGA初の女性A級ティーチングプロ 中村英美がレクチャーする「100を切るためのお約束!」|第11回

2022/06/25 ゴルフサプリ編集部

傾斜地のショットには大きく分けて左足下がり、左足上がり、ツマ先上がり、ツマ先下がりの4種類がある。「共通しているのはショット前の素振りでリハーサルしておくことと、距離を欲張らないでコンパクトに振ることです」と中村英美は言う。斜面ショットで大きなミスをしないのも100切りの絶対条件なのだ。

傾斜地からのショットは打つ前の素振りで感じをつかんでおこう!

距離を欲張らないでコンパクトにスイングすることが重要

ゴルフ場は平らな場所よりも斜面の方が多いといってもいいくらい様々な起伏があります。極論すればゴルフは傾斜地との戦いともいえます。平らなフェアウェイならフルショットできますが、傾斜地からのショットにフルスイングは禁物です。何とかグリーンに届かせようと振り回したり、距離を欲張って力んだりするとカラダのバランスを崩してボールを正確にヒットできません。ダフリやシャンク、チョロはもちろん下手すると空振りしてしまうことも。

傾斜地のショットは休めの姿勢のような自然な体重配分で立つのが一つのポイントになる。

傾斜地のショットはトラブルショットの一つですから、最良の結果を求めないようにしましょう。あまり距離が出なくてもいいからグリーンに近づけたら大成功という具合に考えてください。斜面には4種類がありますが、スイングの力感をフルショットの6〜7割くらいに抑えてコンパクトにスイングすることが共通項目です。最大でもトップの左腕は時計盤の10時、フィニッシュの右腕は2時くらいまでのイメージです。それ以上クラブを大きく振ると下半身がよろけたり、上体が起きたりしやすいのでアドレスの前傾姿勢や両ヒザの高さをキープできる範囲でスイングすることが重要です。コンパクトに振るためにも、ツマ先下がり以外はクラブを通常よりも1インチ(2・54センチ)くらい短く持ちましょう。

もう一つ重要なポイントはショット前にボールの近くで素振りを数回繰り返して、感じをつかんでおくことです。斜面に適応したアドレスの姿勢を作り、クラブヘッドのソールで芝を軽くこするようにスイングしましょう。トップとフィニッシュをコンパクトにしてカラダのバランスをしっかり保てるスイングをリハーサルしておくことでミスを最小限に抑えることができます。

ツマ先上がりはフックが出やすいから自分で曲がり幅をコントロールして打つといったテクニックもありますが、曲がりを計算して打つには相当の経験と練習量が必要です。まずはグリーンのセンター方向を狙い。ボールがどちらに曲がってもグリーンの近くに運べるようにベストを尽くしましょう。フルショットを避けてコンパクトにスイングすれば曲がり幅を小さく抑えられます。

傾斜地でミスしないためのポイントを頭に入れておこう

それぞれの傾斜地のショットの要点を整理すると下記のようになります。

●左足下がり&左足上がり
・低い方の足に体重を多く乗せて斜面と平行に立つ感じで構える
・ボールの位置はスタンスの中央付近が目安
・低い方の足に体重を乗せたまま、体重移動を抑えてスイング
・クラブを短く持ち、コンパクトにスイングするのは必須ポイント
・左足下がりは素振りの後、右足を1歩前に踏み出そう。左足上がりの場合は左足を1歩後方に下げる素振りをしておくと、傾斜なりに振り抜いていくイメージがつかめる。ただし実際のショットでは下半身をなるべく動かさない。

左足下がりは低い方の左足に体重を多く乗せて斜面と平行に立つ感じで構える。
トップはコンパクト。最大でも左腕が時計盤の10時の高さで止めよう。
左足体重のまま斜面に沿ってクラブを低く振り抜いていく。
フィニッシュも最大で右腕が時計盤の2時くらいの高さで止める。
ボールを上げようとするとカラダが右に傾いて大ダフリとなる。
ボールの近くでクラブヘッドのソールで芝を軽くこする素振りをしておこう。
振り抜いたら右足を1歩前に踏み出す素振りをするとミス防止の効果が高い。
左足上がりのアドレスは右足体重。斜面と平行に立つ感じで構えよう。
アドレスの右足体重のまま10時から2時までの高さでコンパクトにスイング。
体重を左足に乗せて上から打ち込むとフェースの刃が刺さってしまう。
この場合は振り抜いた後に左足を後ろに下げる素振りが効果的だ。
左足上がりのショットは右足軸でスイングするイメージを持とう。

●ツマ先上がり&ツマ先下がり
・ツマ先上がりはスタンスの場所よりもボールの方が高いため、クラブを1インチから2インチ短く持つ。
・ツマ先下がりはスタンスの場所よりもボールの方が低いため、クラブを短く持つとインパクトでクラブヘッドがボールに届きにくいので通常の長さに持つ
・下半身が不安定になりやすいツマ先下がりは腰を落とし、重心を低くして構える
・距離を欲張らないでコンパクトスイングを必ず実行する

ツマ先上がりは傾斜の度合いに合わせてクラブを短く持とう。
傾斜地からのショットは体重移動を使わないのでボールの位置はスタンスの中央が基準。
距離を欲張らず、10時から2時まで高さでコンパクトに振ろう。
ツマ先下がりはボールの場所が低いのでクラブを通常の長さに持つ。
ヒザを深く曲げて腰が立ったアドレスはNG。下半身が安定しにくいからだ。
腰を十分に落とし、重心を下げて下半身をどっしりさせて構えよう。
ツマ先下がりはとくに下半身のバランスを崩しやすい状況なので両ヒザの高さをキープし、コンパクトに振ろう。

また練習場のマットでも、斜面ショットのイメージ練習ができますので紹介しましょう。最初に通常のアドレスを作り、右カカトを浮かせて体重の8割近くを左足に乗せます。そして左足荷重のままでボールを打ちます。フォロースルーまで右カカトを浮かせておけばクラブヘッドを低く出せます。これが左足下がりの斜面を想定した練習です。左足上がりの斜面の想定練習はそれと反対に左カカトを浮かせて構え、体重の8割を右足に乗せたままでスイングしましょう。フィニッシュでも左カカトを着地させないようにします。こうした練習もしておくと斜面ショットのイメージがつかめますよ。

左足下がりの想定練習は右カカトを浮かせて構えよう。
左足軸でスイングし、ボールを上からヒットする。
フォロースルーではクラブを低く出していく。
左足上がりの想定練習では左カカトを浮かせて構える。
右足軸でスイングし、ボールをアッパー気味にとらえる。
右足体重のままクラブを高い位置に振り抜いていくイメージ。

〈まとめ〉
・斜面ではなるべく自然な体勢で構える意識を持つ
・傾斜地ではコンパクトなスイングに徹しよう
・ショット前の素振りでスイングイメージをつかむ
・曲がり幅を計算しないでグリーン方向を狙おう
・左足下がりと左足上がりは低い方の足に体重を多く乗せる
・ツマ先上がりはクラブを短く持つ
・ツマ先下がりはクラブを通常の長さに持ち、腰を落とす

左足上がりは振ってから左足を下げる素振りをしておくと効果的!

中村英美
なかむら・ひでみ/群馬県出身。163㎝。法政大学ゴルフ部卒。2015年の関東女子ミッドアマ優勝。フィリピンや台湾でトーナメント出場の経験を積んだ後、ティーチングの道に進む。21年にPGAで女性初のA級の資格を取得。22年はPGAアワード賞の最優秀賞に輝いた。アマチュアレッスンのほか、女子ゴルファーのキャスティング、コンペ・イベント企画を運営するV・J・Golfを主宰。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部


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