フェアウェイウッドは幅広いソールを滑らせるイメージで打つ！
PGA初の女性A級ティーチングプロ 中村英美がレクチャーする「100を切るためのお約束！」｜第9回
フェアウェイウッドはフェアウェイからのロングショットで使うクラブ。きちんと打てれば距離を稼げるが、パーフェクトなショットを打とうなんて思わないことだ。「多少ミスしてもいいから、とにかく前に進みましょう。ソールの機能を生かしたスイングを実行すれば距離のロスを軽減できますよ」と中村英美。フェアウェイウッドが強い味方になってくれればスコアメイクがぐっとラクになる！
フェアウェイウッドは幅広いソールを滑らせるイメージで打つ！
うまく当たらないときはボールの位置をチェック
フェアウェイウッドは、パー5ホールはもちろんパー4ホールの第2打で手にする機会が多いクラブです。ティショットがあまり飛ばなかったときは必ずと言っていいくらい持つでしょう。これだけ使用頻度の高いフェアウェイウッドが苦手なままではスコアになりません。いつもグッドショットが打てたら最高ですが、100点満点のショットでなくて大丈夫。50〜60点くらいでもOK。とにかく前進あるのみです。
フェアウェイウッドのショットで注意したいのはボールの位置です。フェアウェイの芝の上から打つクラブですが、アイアンと同じようにスタンスの中央にボールを置いて構えるとインパクトで左半身が起き上がってボールの手前を叩いて大ダフリやチョロといったミスが発生しやすくなります。トップなら多少は距離を稼げるけれど、大ダフリやチョロが続けて出ると前になかなか進めません。ちなみにチョロとはボールの頭をこすっただけでせいぜい10ヤード程度しかコロがらないミスのこと。フェアウェイウッドはドライバーと同じくらいシャフトが長い上に、シャフトがしなりやすいため、クラブヘッドを鈍角に入れて打つ必要があるのです。
ボールはドライバーよりティアップ分だけ内側に置きましょう。ドライバーのボールの位置は左カカト内側の延長線上が基準です。そこからティを右に倒した位置がフェアウェイウッドの適性のボールポジションとなります。あとはアドレスで作ったカラダとボールの間隔をキープし、ボールを横から払うイメージで打ちましょう。飛ばそうとして振り回すとカラダの軸がブレやすいですから、フィニッシュで振り抜いた体勢のままで3秒間立てるようなバランスのいいスイングを実行してください。
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幅広いソールの機能を活かすには「ゾーンで打つ」イメージがいい
フェアウェイウッドのヘッドはアイアンのヘッドよりもずっと大きくてソールが幅広く造られています。実はこれ、ソールを芝の上で滑らせるためです。折角のフェアウェイウッドの機能を活かせないなんて実にもったいない話。そこでスタンスの中央よりやや左にボールをセットし、ボールをゾーンでとらえるイメージで打ちましょう。点でとらえるイメージではダウンスイングの軌道が鋭角になり、インパクトでクラブヘッドが弾かれてしまいます。つまり、ソールの滑りが使えなくなるのです。
クラブヘッドをボールの少し手前から入れてボールの先10センチくらいに向けてソールを滑らせる感覚が大事です。こんな具合に面でボールをとらえるイメージを持つとクラブヘッドが鈍角に入り、ソールの滑りを最大限に引き出せて大ダフリやチョロを防げます。ミスを軽減でき、どんどん前に進めます。ショット前にはボールの近くの場所で、ソールで芝を軽くこする素振りを数回繰り返しましょう。ボールがあると思われる地点の芝を刈り取るイメージで「シュッ」と擦れる音が聞けたら、クラブがうまく入っている証拠。この素振りはボールの位置のチェックになりますし、本番のショットのリハーサルとしての効果も高いのです。
フェアウェイウッドでもロフト角の少ない3番ウッドはボールが上がりにくく、最初はとても難しく感じることでしょう。持っているのでしたらロフト角が多めの5番ウッドや7番ウッドを先にマスターするのがオススメです。3番ウッドよりもボールが上がりやすく、なじみやすいクラブといえます。練習でフェアウェイウッドがうまく当たらないときはクラブを短く持ちましょう。半インチ（約1・2センチ）短く持っても飛距離は5ヤードくらいしか落ちません。シャフトのしなりが少なくなり、クラブをコントロールしやすいのでミート率が上がってかえって飛ぶようになったというケースもあるくらいです。ミスを減らす練習でフェアウェイウッドに自信をつけましょう。
〈まとめ〉
・フェアウェイウッドはとにかく前に進むことが第一
・ドライバーのティアップ分だけボールを右に置く
・ボールの少し手前からソールを滑らせるイメージ
・打つ前に芝を軽くこする素振りをしよう
・ロフト角の多い5番や7番を先にマスター
・クラブを短く持てばミート率がアップする
フェアウェイウッドはソールを滑らせるように打てばミスが激減！
中村英美
なかむら・ひでみ/群馬県出身。163㎝。法政大学ゴルフ部卒。2015年の関東女子ミッドアマ優勝。フィリピンや台湾でトーナメント出場の経験を積んだ後、ティーチングの道に進む。21年にPGAで女性初のA級の資格を取得。22年はPGAアワード賞の最優秀賞に輝いた。アマチュアレッスンのほか、女子ゴルファーのキャスティング、コンペ・イベント企画を運営するV・J・Golfを主宰。
取材・文／三代 崇
写真／渡辺義孝
協力／栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部
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