なぜかゴルフマーカーにこだわる「金無いのにゴルフやってるオヤジ」
金無いのにゴルフやってるオヤジのはなし 第15話
独身時代によくゴルフのトーナメントをテレビで見ていました。そのときに、プロがグリーンでボールをマークするときに、どのようなマーカーを使っているのだろうと気になっていたのです。
そして、ミーハーな私は、マーカーだけでもトーナメントプロと同じものを使ってみたいと思ったのです。
始めはゴルフコースにあるプラスチックのマーカーを使用していた
25歳でゴルフを始め、26歳からゴルフコースのラウンドを開始しましたが、グリーンでボールをマークする際に使用するマーカーは、ゴルフコースに置いてあるプラスチックのマーカーを使っていました。
ゴルフコースの名前が書いてあるので、いい記念になりますしね。
しかし、その頃、テレビでトーナメントを見ていると、プロたちはボールをマークするとき、何かコインのようなものを置いているように見えます。ゴルフコースのプラスチックのマーカーのように固定するための鋲があるわけでなく、ただの平らなコインのように見えました。
そして、ツアープロたちは、いったいどのようなマーカーを使っているのかと、ずっと気になっていました。
そんなときにあるゴルフ雑誌が、プロが使用するマーカー特集というのをやっていたのです。
喜び勇んでその記事を見てみると、ツアープロたちが使っているマーカーは特に制約は無いようで、完全な個人の好みという感じでした、中には日本円の硬貨を使っているプロもいました。
当時、小柄ながら飛ばし屋で、スイングも美しく人気があった田中秀道プロが、イタリアの500リラコインを使ってました。2色に分かれていて珍しいから、というのがイタリアのコインを使用する理由でした。
今や、ユーロのコインが2色に分かれていますが、当時はまだEUが出来る前の時代。
500リラコインは、内側が日本の5円玉のような色で、外側が100円玉のような銀色でした。当時は、たしかに2色に分かれたコインは珍しい存在でした。さすがプロ、カッコいいなと思っていました。
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田中秀道プロを真似て、500リラコイン入手にチャレンジ
そうこうしているうちに、当時、在籍していた会社が業績不振になり、一時帰休が実施されることになりました。会社に来なくていい代わりに、その日の給料の何割かはカットするというものです。
当時は独身で、金銭的にも多少余裕があったので、少々給料が減るものの、せっかく休みだからどこかに出掛けるかなどと思いました。
そこで思いついたのがイタリアです。
EUはまだ存在していない時代で、通貨も今のユーロではなくリラでした。そこで、田中秀道プロがマーカーとして使っている、500リラコインを大量にゲットしてこようと考えたのです。
イタリア行きの航空券を探すと、ヨーロッパのオフシーズンのためか、スイス航空でヨーロッパ往復64,800円という超格安航空券を発見しました。
当時は燃油サーチャージも無かったので、それ以外に掛かるのは空港税だけでした。早速、航空券を購入し、さらにローマのテルミニ駅近くの一泊朝食付きで6000円くらいの安宿を4泊予約して、単身日本を飛び立ったのです。
ホテルは朝食付きだったので、朝はひたすら、パンとあまり味がしないハムとチーズを、もう食べきれないというくらい食べ、最後はブラッドオレンジジュースで無理やり流し込んでホテルを出発。
昼間は何も食べずにとにかく動き回り、夜に格安ホテルの中にある古びたレストランでパスタを食べて就寝という貧乏旅行。
それでも、ホテルがテルミニ駅に近かったので、一日は鉄道に乗って、花の都フィレンツェまで足を延ばしました。貧乏旅行の中でも電車賃や入場料などで少しずつ現金が出ますが、そのときのおつりに500リラコインが出来ると、袋に分けて確保し続けました。1000リラが約60円の時代だったので、500リラは約30円。
すぐに貯まります。また、バチカン市国のバチカン美術館で、入場料が1万8000リラだったので、紙幣で2万リラを支払ったところ、お釣りの2000リラがイタリアのお金ではなく、バチカン市国の1000リラコイン2枚という粋な演出がありました。
こうして、イタリアの500リラコイン10数枚とバチカン市国の1000リラコイン2枚を持って、日本に帰国したのです。下の写真が、そのコインになります。
500リラコインをマーカーに使おうとしたものの…
いよいよ500リラコインをマーカーに使うぞと思ったものの、その後ほどなくして結婚し、以前書きましたように、金無くなってゴルフをやめてしまったので、500リラコインの出番はありませんでした。
そして、14年のブランクの後にゴルフに復帰したのですが、その時に、そういえば500リラコインあったなと思い出しました。ブランク期間中に自宅の引っ越しもありましたが、家探しして、なんとか発見したのです。
今となっては、その後に出てきたユーロのコインも2色のコインですし、2色のコインはあまり珍しいものではなくなってしまいました。しかし、今どきイタリアのリラのコインを使っている人はまずいないと思うので、「なんかカッコ良くない?」と思って使い始めたのです。
ということで、ようやく苦労して手に入れた500リラコインをマーカーとして、使い始めたのですが、とにかく紛失します。おそらく、叩いて落ち着きなく、バタバタプレーしている最中に、無くしてしまうのだと思いますが、紛失するはっきりとした原因は分かっていません。とにかく紛失率が酷いので、このままではすべて無くなってしまうと思い、不本意ながら、再び、ゴルフコースのプラスチックのマーカーに戻すことにしてしまいました。
しかし、使用を完全に諦めたわけではなく、70台でラウンドできる上級者になったら、少しはプレーに余裕が出て、紛失率も減るのではないかと思います。その時に、また思い出の500リラコインをマーカーとして使ってみたいと思っています。
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金無いのにゴルフやってるオヤジ(ペンネーム)
東京都在住の50代のおっさんです。25歳からゴルフを始め、現在はスコア100前後のアベレージゴルファーです。金は無いですが、70台でラウンドできる上級者になるべく、ゴルフを頑張っています。「金無いのにゴルフやってるオヤジの日記」というブログもやっています。こちらもご興味があれば覗いてみてください。