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Diamana(ディアマナ) 今だから言える驚きのストーリー

【第19回】商品開発はドラマ!(ディアマナ)三菱ケミカル 世界ナンバーワンの生産量を誇りメジャーチャンプの技術を支える高精度

2022/07/30 ゴルフサプリ編集部

Diamana,ディアマナ

タイガー・ウッズはじめPGAツアーのトッププレーヤーたちの要求に応え、メジャーでも実績を残しているのがディアマナだ。

ゴルフメーカーの商品開発におけるドラマチックな業界裏話をメーカー勤務経験のフリーライター・嶋崎平人が語る連載企画。今回はDiamanaブランドが主役のストーリー。

GOLF TODAY本誌 No.602/70〜71ページより

1977年から事業を始動。OEMから96年には自社ブランドの限定生産で誕生したハワイをイメージしたブランド

Diamana,ディアマナ
高性能で、多くのゴルファーの要望に答え続けるディアマナ・ブランド。

三菱ケミカル株式会社のカスタムシャフトは、「Diamana(ディアマナ)」のブランド名で知られている。三菱ケミカルは2017年に三菱レイヨンを統合し、ゴルフシャフト事業は三菱ケミカルで継続している。
一般ゴルファーには三菱レイヨンの社名の方が記憶にあるかもしれない。三菱ケミカルの最大の強みは、
世界で唯一原材料開発、炭素繊維、炭素繊維をシート状にするプリプレグ、シャフト成型まで自社内で一貫生産できるところである。

「Diamana」について、三菱ケミカルのスポーツレジャーグループマネージャー片岡武哉氏にお話を伺った。

片岡武哉氏

三菱ケミカルのシャフトとの関わりは、シャフト原材料である炭素繊維の開発を1972年に開始したのが始まりである。1976年にはプリプレグ(釣り竿、テニスラケット向け他)を販売し、1977年からゴルフシャフト事業を開始した。その後1981年からシャフトのOEM(クラブメーカーへのシャフト供給)を始めた。
自社設計のオープンモデルも開始し、OEMも広がっていった。1996年にはシャフト製造会社MRCP社を設立した。
三菱ケミカルはトッププロが使うシャフトを国内外ゴルフメーカーにOEMで生産していたことから、その技術をベースに03年に、自社ブランド・コスメのシャフトを出した。付けた名前は「Diamanaスティンガー」、500本限定で市場で販売した。
「Diamana」の誕生である。このシャフトはプロが使用しているとの情報が伝わり、あっという間に完売した。

同じ時期USPGAツアーでカスタムシャフトのプロトタイプを展開。ブレークした切っ掛けは、04年ビジェイ・シンが使用して好成績を上げタイガー・ウッズを抜き世界ランキング1位になった。それを見ていたタイガーが04年にドライバーのシャフトを「Diamana」に変え、これで、一気にUSPGAツアーに広まった。
その年の日本ツアーのダンロップ・フェニックスでもタイガーが「Diamana」を使用し優勝したことで、日本での展開に弾みがついた。04年にこの自社ブランド「Diamana S」(青マナ)を発売した。

ビジェイで火がつきタイガーで拡大。今や世界のメジャーで13戦、10勝の勝率で信頼感を奪取

Diamana,ディアマナ

2005年「Diamana M」(赤マナ)、2006年「Diamana D」(白マナ)を相次いで発売したあとも常に新たな新商品開発に余念がない。

「Diamana」の名前は、Dia:ダイヤモンド、mana:ハワイ語のマナ(力)を組み合わせた造語である。
この名前は当時の片岡氏を含めた販売チームで考えられた。三菱を意識した「Dia」と、企画の段階でハワイをイメージしていた。なぜハワイか?
片岡氏は「メンバーの中にサーファーがいて、ハワイの明るいイメージで行くと決めて、デザインも花やサーフボード、トロピカルを意識していた。」シャフトの表面のデザインに花や楕円が組み合わされている。
言葉としてはそのまま読むと「ダイヤマナ」では硬いイメージでなので「ディアマナ」と呼ぶことで決まった。それでも、名前が決まるまでは4カ月を要した。

三菱ケミカルは基本原材料メーカーで消費者に直接売る消費財を取り扱っていなかったので、この商標も何種類も登録にだすことなく「DIAMANA」のみを2003年に出願している。商品開発は培われたシャフトの設計技術を結集し、世界のトッププロに支持される高性能シャフトを開発する目標で、プロの微妙なフィーリングがチップの特性の違いによることを見い出し、プロへのフィッテイング精度が向上した。2004年にはPGAツアーでタイガーを始め、ビジェイ・シン、セルヒオ・ガルシア、マイク・ウィアー、レティフ・グーセンなどそうそうたるメンバーが使用していた。
 
05 年には「Dia mana M」(赤マナ)、06年には「Diamana D」(白マナ)を相次いで発売した。開発の中で、スタンダードタイプの中調子の青マナ、先調子の赤マナ、元調子の白マナの3種類を明確にして、幅広いゴルファーをカバーできるラインナップを揃えた。このモデルの考え方を現在も継承している。三菱はUSPGAツアーにツアーをサポートする人員を継続して出している。

1972年に最初にグラファイトシャフトを商品化した米国ALDILA社を2013年に買収子会社化し、そのブランドを含めて、USPGAツアーでは直近で32%の使用率を確保している。タイガーが復活した80勝目の2018年のツアー選手権、2019年の81勝目のマスターズ、2019年82勝目でツアー記録に並んだZOZOチャンピオンシップで使用したドライバーのシャフトも「Diamana」であった。2017〜2020年のメジャー大会13戦中10勝を「Diamana」を含め三菱ケミカルのシャフト使用者が勝利している。

片岡氏に今後の開発について聞いてみた。

片岡武哉氏

世界的なブランドになるプロセスなどを伺った三菱ケミカルのスポーツレジャーグループマネージャー片岡武哉氏。

「日本で唯一、原料からの開発・販売まで一貫性を可能にしている、今までに無い新規性のある商品を創出してプレーヤーに体感してもらいたい。クラブセットの14本のシャフトを全てカーボン化するのが直近の目標としています。」

また、今後ゴルフがもっと発展するために、例えばゴルフバックの軽量化、セットの軽量化は素材メーカーとしてやらなければならないと思っています。」「Diamana」は現在5代目であるが、OEMを含むシャフト生産量は三菱ケミカルが世界No.1である。


取材・文/嶋崎平人


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