飛距離不足を補うため、オフは筋トレ三昧
――優勝おめでとうございます。
セキ ユウティン(以下セキ) ありがとうございます。
――台湾女子プロゴルフ協会(TLPGA)ツアーの賞金女王として、2017年に日本ツアー(QT16位でTPD単年登録)に初参戦。しかし、32試合中17試合で予選落ちと自らの力を発揮することができませんでした。
セキ 力が発揮できなかったというよりも、完全に私の力不足でした。まだまだそのレベルに達していませんでした。
――どこに問題があったんですか?
セキ 一番は飛距離不足です。17年は平均飛距離が220.01ヤードでドライビングディスタンスは91位。もともと飛ぶほうではなかったんですが、さらに悪いことに「この飛距離じゃ勝てない」と思い始め、必死に飛ばそうとしてしまいました。それが結果的にスイングやリズムを崩す原因となり、後半戦はさらに調子を落としたんです」
――そこから筋力トレーニングに力を入れ始めたとか。
セキ そうですね。下半身の筋肉はそこそこ強かったので、主に上半身の筋力アップを図りました。
――どれくらいのペースでやったのですか?
セキ オフは週3~4回やっていましたね。最初のうちは筋肉痛で、寝返りを打つのも苦しかったです(笑)。
――その成果はメキメキと。
セキ いきなりパワーアップとはいきませんでしたが、着実に。トレーニングを開始したころは、デッドリフト(地面に置いたバーベルをヒザの高さまで上げるトレーニング)で40kgを上げるのが精一杯だったのですが、今では130kgを上げることができます。
――そのほかにもトレーニングをやられていたとか。
セキ 筋力がアップすると同時に飛距離も伸びたのですが、それが安定しなかったので体のバランスを整えるトレーニングも頑張ってやりました。
――勝みなみ選手のトレーナーを紹介してもらったそうですね。
セキ そうなんです。勝選手の飛距離が伸びているのに気がついて、「どんな練習をしているの?」と聞いたら、「トレーナーのおかげ」という答えが返ってきたので、早速そのトレーナーを紹介してもらったんです。
地面反力を活用した一本足打法で大きな飛びを実現
――スイングもいじったそうですね。
セキ 中国在住の生体力学の先生から、「それだけの筋肉があったらもっと飛ぶ。すぐにスイングを改造しなさい」と言われたので取り組みました。
――具体的には、どういうところを変えたんですか?
セキ ポイントは3つあって、1つ目は、スタンスを広くして、体重移動を大きくしました。2つ目は、ダウンスイングでより早くトップスピードに乗せるために、腕を振ることよりも体の回転を使うことを強く意識しました。
3つ目は地面を強く蹴って、その反動を使って打つようにしました。その動きを覚えるために、テークバックで左足を上げ、ダウンで左足を踏み込んで打つ“一本足ドリル”を実践しました。それを練習だけでなく、試合でもやり続けました。
――優勝したゴルフ5レディスでも、最終日の13番パー5(474ヤード)で2オンに成功してイーグルを取っていましたが、実際にどれくらい飛距離が伸びたんですか?
セキ 20-21年は224.83ヤード(ドライビングディスタンス81位)だったのですが、今年は243.95(同21位)に。7月のニッポンハムレディス」では274ヤードが出てベスト3に入りました。
――飛距離はもう十分という感じですか?
セキ いや、まだまだ(笑)。生体力学の先生も、「もっと飛ぶ」と言ってくれているし。それに近い将来、アメリカツアーにも挑戦したいと思っているので、飛距離はもっと伸ばさなければと考えています」
セキ ユウティン 特別インタビューVol.2/2「メンタル編」
真鍋雅彦氏
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。







