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フェースを返す? 手を返す?って、どうすればいいの? 教えて!大西翔太コーチ!

よくわかる大西翔太のゴルフ初心者あるあるQ&A|VOL.4

2022/11/16 ゴルフサプリ編集部

よくわかる大西翔太のゴルフ初心者あるあるQ&A

経験の浅いゴルファーたちの率直な疑問に対して、大西翔太コーチが親切に解説してくれるレッスンシリーズ。第4回のクエスチョンは「フェース(手)はどうやって返せばいい?」。フェース(手)の返し方を間違えるとボールを正確にとらえられず、大きなミスを誘発しやすいというから正しい動きをマスターしておこう。

「フェース(手)を返すって、どうすればいいの?」

「フェース(手)を返すって、どうすればいいの?」

「フェース(手)を返すって、どうすればいいの?」

「フォロースルーでクラブヘッドのトゥを上に向けましょう!」

「フォロースルーでクラブヘッドのトゥを上に向けましょう!」

両腕の三角形をキープして左右対称に振る動きがベース

「フェースをどうやって返すか」の本題の前に、スイングの基本の動きを先に説明したいと思います。ゴルフのスイングはカラダの回転と腕の振りの連動がとても重要で、両者のバランスが悪いと両手を正しく返すことができません。

まずは上体を起こしてクラブをお腹の高さくらいに構えてください。ここで両肩と両腕の三角形をイメージします。そして両腕とクラブをカラダの真正面にキープした状態でお腹を右に90度回しましょう。

その位置から今度はお腹や胸が目標方向を指すまで左に180度回してください。両腕とクラブの重さで両ワキが適度に締まり、両肩と両腕の三角形をキープしてクラブを左右対称に動かすのがポイントです。

大西翔太コーチ
クラブを胸の前で構えて、両肩と両腕の三角形をイメージする。
大西翔太コーチ
三角形をキープして、お腹を90度右に向ける。腕や手は何もしない。
大西翔太コーチ
腕とクラブをカラダの正面にキープしたまま、お腹を左にターン。
大西翔太コーチ
三角形を崩さないで胸やお腹が目標方向を指すまでカラダを回転。

バックスイングで両手が右腰の高さに上がったポジションと、フォロースルーで両手が左腰の高さに上がったポジションが左右対称形となればスイングの軌道が安定し、ボールを正確にとらえやすくなります。

そのためのポイントとして、バックスイングは自分の右隣にいる人と左手で握手して、フォロースルーでは自分の左隣にいる人と右手で握手するイメージを持つといいでしょう。

バックスイングの右腰の高さとフォロースルーの左腰の高さの間で素振りを繰り返してください。腕や手が何もしなくても、お腹を左右に回転するだけでクラブを振れることが体感できるはずです。実際のフルスイングでは腕の上げ下げの動きが加わりますが、この動きがスイングのベースとなるのです。

大西翔太コーチ
バックスイングは右隣の人と左手で握手するイメージを持とう。
大西翔太コーチ
フォロースルーは左隣の人と右手で握手するイメージ。この右手甲の角度が大切なポイント。

ボールをつかまえようとしてフェース(手)を返しすぎるのはNG

腰の高さで素振りを繰り返すと、何か気づきが得られませんか? 他人から見れば「手」を返してクラブを振り抜いているように見えるけれど、自分では何もしていないですよね。

両肩と両腕の三角形をキープし、腕とクラブがカラダの正面から外れないようにする。この条件を満たして、お腹を左右に回転させればフェース面がスクエアに保たれます。手を返すというとフェースを閉じながらボールを打つイメージが浮かびやすいですが、逆効果となることが多いです。

お腹がスムーズに回転しないと下半身が止まり、インパクトで手をこねてしまいやすくなります。カラダの回転と腕の振りが連動しませんから、自分では手を返しているつもりでもボールを正確にとらえられないのです。

大西翔太コーチ
手を返してボールをつかまえようとすると手をこねてしまう人が多い。

ゴルフの経験が浅いうちはインパクトでフェースが開いて当たることが多く、スライスが生じやすいといえます。そこでボールがつかまりやすいようにと、「フェースターンを使って打ちましょう」とアドバイスされますよね。

両手を返せばフェースがターンしやすいのは確かですが、「じゃ、手を返すのが正しいのだな!」と早合点してはいけません。インパクトでフェースが開くのは両手が先行し、クラブが遅れてしまうためで、両肩と両腕の三角形が崩れて両腕とクラブはカラダの正面から外れてしまうのが問題点なのです。そこを正しく理解してください。

大西翔太コーチ
初級ゴルファーはインパクトでフェースが開きやすい。これは手元が先行するのが原因。
大西翔太コーチ
フェースが開いて当たる人はフォロースルーでフェースが上を向いてしまう。

インパクトでフェースが開く人は、フォロースルーで右手のヒラやフェース面が上を向いてしまいます。そうした傾向のある人はボールがつかまりやすいように多少は両手を返すイメージを持ってもいいと思いますが、過度にならないようにしましょう。

両腕を左に大きくねじって両手を返そうとするのは絶対にNGです。インパクトでフェースが急激にかぶり、ボールは大きく左に飛び出してしまいます。フォロースルーでフェースが下を向くほど手を返しては方向が安定しないので避けてください。

それよりもインパクトからフォロースルーにかけてグリップエンドをお腹に向けて振り抜く意識を持つ方が、フォロースルーで手がきれいに返って見えるようなフォームが作れます。

大西翔太コーチ
両腕を左にねじって両手を急激に返すのは逆効果。フェースがかぶって当たり、ボールは急角度で左に飛んでしまう。
大西翔太コーチ
腕とクラブをカラダの正面にキープした状態でインパクトを迎える。
大西翔太コーチ
フォロースルーでグリップエンドがお腹の方をさせば両手がきれいに返った形となる

自然なフェースターンを使って打つコツをつかもう

一番いいのは自分で手を返す意識を持たなくても、自然なフェースターンが使えてボールを正確にとらえられるようになることです。

最初に説明したように「両肩と両腕の三角形を変えない」、「腕とクラブをカラダの正面にキープして、お腹の回転主体でスイング」、「腕とクラブの重さで両ワキを適度に締めて、スイング中に腕をねじらない」といったポイントを頭に入れておけばフェースターンが使えるようになります。

フェースターンといっても、実際はそれほどフェースを返しているわけではありません。試しにインパクトの形を作り、その体勢のままでお腹を左に90度回してみてください。腕や手が何もしていないのに、フェースが返っているような形に見えますよね。ところが実際はフェースはずっとスクエアに保たれたままなのです。

大西翔太コーチ
インパクトの形をつくり、それから胸を左に90度向けてみよう。
大西翔太コーチ
フォロースルーでクラブヘッドのトゥが上を向く。この形を目指そう。

極論すれば手を返しているように見えても、自分では手を返していない。これが正解です。軸をキープして回転運動をすればクラブヘッドの遠心力が働き、結果的に両腕の回旋(アームローテーション)とフェースターンが自然に発生するということであって、両手の返しは能動的ではなく受動的な動きと考えてください。

フォロースルーはクラブヘッドのトゥ(先端)が上を向くような形をイメージしましょう。右手は自分の左隣の人と右手で握手するような形です。右手の甲が上を向くとフェースが返りすぎてしまいますし、下を向けばフェースが開いてしまいます。クラブヘッドのトゥや右手の甲の向きをチェックして、手をナチュラルに返すコツをつかんでください。

大西翔太コーチ
左隣の人と右手で握手するイメージ。これをチェックポイントにするといい。

クラブヘッドのトゥを上に向ければ手が自然に返る


取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/船橋カントリークラブ

大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富でメディアでも幅広く活躍中。


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