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体重移動を使ってスイング? どうすればいいの? 教えて!大西翔太コーチ!

よくわかる大西翔太のゴルフ初心者あるあるQ&A|VOL.5

2022/11/23 ゴルフサプリ編集部

経験の浅いゴルファーたちの疑問に対して、大西翔太コーチが親切にわかりやすく解説してくれるレッスンシリーズ。第5回は「体重移動を使うって、本当なの?」というクエスチョンを取り上げる。体重移動を使えば大きなパワーが生まれるような感じがするけれど、大西コーチは「左右の体重移動は意識しない方がいいですよ」という。

「体重移動を使うって、本当に正しいの?」

「体重移動を使うって、本当に正しいの?」

「歩くときのような前後の重心移動を意識しましょう!」

両足の「ツマ先⇔カカト」の自然な重心移動でスイング

バックスイングで体重を右足に乗せて、ダウンスイングの始動時に体重を左足に移動し、フィニッシュまで振り抜く。体重移動はそのように説明されることがほとんどですし、実際そんなイメージをお持ちの人も多いことと思います。

「バックスイングで右足、ダウンスイング以降は左足」と考えれば、体重移動は「横移動」の感覚となりますよね。ところがそのような意識を持つとバックスイングで上体が右に大きく動き、その反動でダウンスイング以降は上体が左に流れやすい。カラダの回転軸が左右にブレてミート率が低下してしまい、カラダを大きく使った割には飛距離があまり出ないのです。

横の体重移動を意識するとカラダが左右にブレやすい。

ボクはゴルフのスイングというのは「足踏み感覚」と考えています。歩くときは両手を前後に振り、両足はツマ先とカカトの間の体重移動が自然に生まれますよね。左足を前に出せば右腕を前に、右足が前なら左腕が前に振るという感じでカラダの対角線で動くでしょう。「体重移動」という言葉は決して間違いではないけれど、その正体は「前後の重心移動」なのです。

歩くときのように両足の裏で感じる自然な「重心の前後移動」をスイングに活かそう。

歩くときは両腕を前後に振りますが、今度はクラブを持たないで足踏みしながら両腕を左右に大きく振りましょう。バックスイングでお腹を右に回せば体重が自然に右足に多く乗り、ダウンスイング以降でお腹を左に回すことで体重が勝手に左足に多く乗るわけで、感覚的にいって能動的な動きとは違います。

足踏みしながら両腕を左右に振るだけで、両足の前後の重心移動が受動的に行なわれます。カラダを左右に揺らすような動きはほとんどなく、アドレスの位置のままでカラダをターンする感覚となります。これでカラダの回転軸をキープしやすく、前後の重心移動で回転がスムーズにいきます。

バックスイングでお腹を右に回せば体重が自然に右足に多く乗る。
切り返しでお腹を左に回転。意識しなくても体重が左足に移動する。
お腹画目標を向くまでターンすれば左足への加圧がさらに強まる。

最初はヒールアップを使ってスイングしてみよう

両足の前後の重心移動を具体的に説明しましょう。バックスイングではカラダの回転に同調して右足はカカト側に、左足はツマ先側に重心が移動します。そして切り返しで左足を踏み込むときに左足は重心がカカト側に移動し、カラダを左に回転する動きと連動して左足はカカト側への荷重が強まり、右足はツマ先側に重心が移動します。

両手で前後の重心移動を説明。バックスイングでは左足はツマ先側に、右足はカカト側に重心が移動する。
ダウンスイング以降では右足はツマ先側に、左足はカカト側という具合に対角線で重心移動画が行なわれる。

今度はクラブを持ってスイングしましょう。実際にボールを打つのもOKです。バックスイングでは左足のカカトをあまり浮かせなくてもいいですが、最初のうちは左足のヒールアップを使ってスイングしてみてください。左カカトを大きく浮かせて、お腹を右に回転してトップのポジションへと上げていく。そして左カカトを着地させてクラブを振り下ろし、今度は右カカトをヒールアップしましょう。

ダウンスイング以降で右カカトを浮かせるのはカラダの回転スピードを上げるとか、フィニッシュまでしっかり振り切るための絶対条件ですが、バックスイングや切り返しでの左足の重心移動もナチュラルに行なうことにも気を配りましょう。

慣れてきたらバックスイング時の左足のヒールアップを小さくしてもいいですし、左カカトを浮かせないでベタ足のままでも構いません。ただし左足の裏で前後の重心移動、すなわち「足裏の圧力の前後移動」を感じておくことが大事です。

足踏み感覚を取り入れた重心の前後移動はスイングリズムの安定に直結し、スイングの再現性や反復性が向上します。経験の浅い人でもグッドショットの回数がどんどん増えてくるはずです。

バックスイングで左カカトを浮かせてクラブを振り上げていく。
左カカトを踏み込んでダウンスイングをスタート。実際は左足をヒールアップしなくてもいいが、前後の重心移動を感じよう。
カラダをフルターンし、フィニッシュへと向かう。体重のほとんどが左足のカカト側に乗る感覚だ。

アプローチも歩行のリズムを意識するとうまくなる

スイングのパフォーマンスは人それぞれですし、パワーも異なるので自分なりに前後の重心移動を感じやすい動きでいいと思います。この前後の重心移動の感覚は、パターを除けばどのクラブでも絶対に必要です。

ドライバーのようにフルショットして飛距離を稼ぎたいクラブはカラダの回転スピードが速く、回転量も大きくなります。その分だけスピーディで、パワフルな足踏み感覚が要求されるということです。

アプローチのような小さいスイングになると下半身をできるだけ動かさないで、腕や手だけでクラブを振ろうとする人が多いのですが、それはミスの原因となります。足が動かないで、手でクラブを操作するとインパクトで手をこねてしまい、ボールを正確にヒットできません。

小さいスイングでも足踏み感覚で、つまり下半身主導でスイングすることが重要です。ショットほど下半身の動きは大きくないから、小さく足踏みするイメージとなりますが、前後の重心移動を使ってカラダを回転させるという点ではまったく一緒です。

アプローチは下半身の動きが小さくても、足踏み感覚のスイングを実行しよう。
下半身を止めると手先だけでボールを打ってしまい、様々なミスの原因となる。

両足の前後の重心移動でスイングするのが正解


取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/船橋カントリークラブ

大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富でメディアでも幅広く活躍中。


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