安定したドローが打てるようになりたい!アマチュアもマネしたい、古江彩佳のスイングを解説
一流プロのドライバーのマネどころ
アマチュア時代に優勝した「富士通レディース」は今年の優勝で大会3勝目。日本ツアー通算8勝目をマークした。
今シーズンから米国女子ツアーにフル参戦している古江は、8月の「スコットランド女子オープン」で優勝し、10月には「富士通レディース」で凱旋勝利を飾った。ドライバーショットの安定性は米国でもトップクラスだと評価されているが、アマチュアがマネするべきポイントとは?
GOLF TODAY本誌 No.606 14〜17ページより
構成・文/野中真一撮影/相田克己 圓岡紀夫
左サイドを回すことで手を返さずに安定したドローが打てる
低いトップからフェースを早めにボールを向ける
バックスイングでもダウンスイングでも手を使わない
古江選手の特徴はとにかく手を使わないこと。アドレスでは腕や手首が完全に脱力されています。背中も無理に反ったり、丸くなったりしていないので、体全体に力みがなくバランスが良い構えになっています。
バックスイングでは上半身の回転だけでクラブを上げているので手をヒネったり、フェースを開くような動きは一切ありません。
連続写真を見てもハーフウェイバックの高さでは教科書通りのスクエアフェースになっているのがわかると思います(写真2)。手を使っていないのでトップが大きくなることもなく、低い位置でコンパクトなトップになっています(写真4)。
グリップにはほぼ力が入っていない
インパクトの瞬間でも手首には余計な力が入っていない。左肩の動きに合わせてグリップにも斜め上に引く力をかけている。
そして、素晴らしいのがダウンスイングでも腕や手に余計な力が入っていないことです。アマチュアだとどうしても手でボールを打ちにいく姿勢になりやすいのですが、古江選手は腕ではなくて左サイド全体を回すことでクラブを下ろしています(写真5、6)。
スイング軌道としてはヘッドがインサイドから入ってくる典型的なドローヒッターなのですが、手首を返してボールをつかまえる動きは一切ありません。それが球筋を安定させることができる最大の要因です。
インパクトからフォローにかけては左サイドを引っ張って回した余力で、ラクにクラブを振っているだけ。体全体に無理な力が入っていないのでケガもしにくいと思いますし、安定した活躍ができる。決してアスリートじゃないと出来ないスイングではないので、シニア世代のアマチュアにも参考にしてほしいスイングです。
トップからの沈み込みが「間」を作り、再現性を高める
沈み込みの理想は椅子に座るようにお尻を落とす感覚
アマチュアの皆さんだとドライバーショットで手を使わないとインパクトのタイミングが合わなくなってしまう人も多いと思いますが、それは沈み込む動きができていないからです。
古江選手のスイングをよく見るとトップから切り返した直後にヒザや骨盤が下がって、少し沈み込んでいます。沈み込みの理想はトップから足を広げて椅子に座るようにお尻を落としてダウンスイングする感覚です。
この沈み込みによって、切り返し直後に適度に「間」を作ることができます。だから手を使わなくてもハーフウェイダウンのタイミングではハーフウェイバックと同じポジションにクラブが戻ってきています。
ハーフウェイダウンでシャフトが目標方向と平行な位置にありフェースがわずかにシャットになっていれば、インパクトでスクエアに当たる確率はすごく高くなります。
アマチュアでスライスに悩んでいる人は、沈み込みとは反対に体が伸び上がってしまう人が多いです。そうするとカット軌道になってフェースが開いてしまうので、スライスが出てしまうので注意しましょう。
バックスイングとダウンスイングの位置と角度がほぼ同じ
左肩は低い位置をキープしている
バックスイングでは左肩が上がらずに低い位置をキープすることで、左腕が伸びてスイング軌道が大きくなる。
沈み込みでスエーを防止
沈み込みで骨盤やヒザが低くなると、体の軸もブレなくなるのでスエーするクセも解消できる。
解説:石井忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。
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