手打ちに悩んでいる人必見!渋野日向子のスイングにはそれを解消するヒントがてんこ盛り
一流プロのドライバーのマネどころ
渋野日向子(しぶの・ひなこ)1998年11月15日生まれ、岡山県出身。2019年に国内ツアー4勝、「AIG全英女子オープン」で優勝して大ブレーク。サントリー所属。
米国ツアー参戦2年目に挑む渋野日向子。1年目は「ロッテ選手権」で2位、「AIG全英オープン」で3位と優勝まであと一歩に迫る試合もあった。2020年以降は大胆なスイング改造を行ってきたが、アマチュアが参考にするべきポイントはどこにあるのか?
GOLF TODAY本誌 No.609 16〜19ページより
構成・文/野中真一
撮影/相田克己 圓岡紀夫
米ツアー2年目の初優勝に期待!バックスイング中、左足に体重をかけて自然体の下半身リードに
手元が一番低いのはインパクトより前
渋野選手のスイングはすごく「受動的」という印象です。具体的に説明すると、体がスイング軌道をリードしていて腕が受動的についてくる打ち方。手打ちに悩むアマチュアが参考にするべきスイングです。
まず、注目してほしいのはバックスイング中の体重移動。
クラブを上げた瞬間は右足に体重をかけていますが(写真2)、バックスイングの途中(写真4)からすでに左足に体重をかけはじめています。
トップの時点では左足6:右足4くらいの体重配分になっているので、左足に体重が乗っている状態でクラブを下ろしてきています。だから、自然と体がリードするスイングになるのです。
また、もう一つ参考にして欲しいのがインパクトでの手首のポジションです(写真8)。
渋野選手はインパクトで手首が最下点になるのではなく、インパクト前(写真7)からインパクトにかけて手首が上がっていることでヘッドを加速しています。この動きができるようになれば、ヘッドスピードアップにつながります。
左足のツマ先に体重をかけて、インサイド・アウトに
バックスイング中に左足のツマ先に体重をかけている。
左足のツマ先側に体重をかけることでダウンスイングではインサイド・アウト軌道になってドローボールが打ちやすい。
左サイドを後ろに引きながらインパクト
体が先行するスイングによって、インパクトの瞬間には左の肩甲骨や左腰を後ろ(背中側)に引きながら、体を回している。
ヘッド軌道はインサイド・アウト。一度、右ヒジを体につけて離すことで飛ぶドローに!
どうしてもアマチュアゴルファーはダウンスイングに入ると、腕でクラブを下ろしてしまうのですが、渋野選手のスイングにはそれを解消するヒントがあります。
ポイントは右ヒジの動きです。切り返しからダウンスイングに入っていくタイミングで、渋野選手は右ヒジを一度体につけて(写真4)、そのままハーフウェイダウンからインパクトに向かっています(写真5・6)。
右ヒジが体にくっついているから、絶対に腕だけでクラブを下ろす動きにはなりません。また右ヒジを体にくっつけることで、右ワキも締まってきます。アマチュアゴルファーには右ワキが空いてしまってカット軌道になる人もすごく多いです。
そしてインパクト直前になったタイミングで右ヒジを体からリリースして、一気にボールを打つことで、インサイド・アウト軌道で飛ぶドローボールが打てます。
この右ヒジの使い方はローリー・マキロイ選手にも似ていて、ドローヒッターにはマネしてほしいポイントです。
カット軌道のクセを解消できる右ヒジの使い方
切り返し直後に右ヒジを右ワキ腹に
トップで曲げた右ヒジの角度をキープしたまま、ダウンスイングでは右のワキ腹付近に右ヒジをつける。
インパクトの瞬間には右ヒジをリリース
体につけていた右ヒジをインパクト直前に離すことによって、ヘッド軌道も自然とインサイド・アウトになる。
解説:石井忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、赤坂、神保町に展開する。
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