グリップが自分に合っていれば飛距離も伸びる

ゴルフクラブを握る部分には必ずグリップがついているわけですが、その役割について考えたことはありますか?

そもそもグリップの使命というのは、ゴルファーが気持ち良く、イメージしたとおりにスイングできるようにするためのものです。ヘッドやシャフトのように注目を集めることはありませんが、グリップも大事なパーツのひとつ。グリップの良し悪しで、飛距離が伸びたり、ナイスショットの確率がアップすることもあるのです。

そんなグリップもここ数年、めざましい進化を遂げています。素材の工夫で機能性が格段に高くなっているだけでなく、昔に比べて色やデザインも豊富で、ツアープロの間でも「どのグリップがいいのか?」ということが話題になるくらいです。

逆にグリップが劣化していると、いいスイングにはならない

しかし、アマチュアゴルファーの中には、相変わらずグリップには無関心という人が多いようです。実際、アマチュアが使っているクラブのグリップを見ると、油や汚れが付着してツルツルになっていたり、すり減って変形していたりします。

また、フルセットを見ると、番手によって太さや材質が変わっていて、1本1本握り心地が異なるというケースもみられます。改めて言うまでもなく、グリップはゴルフクラブと体との唯一の接点です。

この部分を疎かにすると、スイングで生み出したエネルギーがクラブに伝わらないのはもちろん、それ以前の問題として、正しいスイングをすること自体が難しくなります。

実際ツアープロの中には、シーズンのうちに2~3回は全てのクラブのグリップを交換する選手もいるくらい。アマチュアゴルファーとは握る頻度が違うとはいえ、これだけ頻繁に交換するのは、太さや握り心地、色やデザインなどがしっくりくるものでないと、自分のイメージ通りのプレーができないことを知っているからです。

グローブ同様、フィット感のあるグリップを選ぼう

では、どういう基準でグリップを選べばいいのか。

● 素材:天然ラバー、合成ゴム、樹脂などに分かれており、それぞれでフィット感が異なるので、基本的には、自分の好みに合わせて選んで良い。

● 選び方:大事なのはその選び方。両手で握った感触で選ぶのではなく、グローブをしない右手の人さし指、中指、薬指の3本のフィーリングで選ぶ。そうすれば、しっくりくるものが見つかるはず。

● 太さ:グリップにはサイズ表示があり、その数字が小さいほど肉厚になっているので、シャフトに入れたときには太くなる。その選び方は、左手でクラブを握ったとき、左手の薬指が手のひらに触れないぐらいがベストの太さ。

重量を変えるだけで、リシャフトに劣らぬ効果も

重さに関しては、クラブの性能を変えることも可能です。例えば、「体力が衰えた影響もあり、使い慣れたクラブが重く感じる」「もう少し慌てずにタイミング良く振って、飛距離を伸ばしたい」と思ったら、軽めのグリップを装着するといったように。

もし50gのグリップを30gに交換したら、それだけで総重量は20g減るので、今までよりもシャープに振れるようになり、ヘッドスピードは速くなります。

しかもヘッド重量は変わらないので、よりヘッドが利いて交換前よりも打ち急がずにインパクトが強くなって、確実に飛距離アップが実現するというわけです。もちろん、その逆のケースも有効で、グリップを重くしてカウンターバランスにすることで、無駄なリストワークを使わずにグリップ軌道を安定させます。そしてドライバーをFWやUT、アイアンと同じタイミングでシャープにコンパクトに振りやすくすることができます。

しかもグリップならば、1本数万円するシャフトに対し、高価なものでも数千円程度。失敗を恐れず気軽に交換できるというメリットがあります。

スイングが安定しない人は、バックラインありのグリップを

もうひとつ、グリップ選びで重要なポイントになるのが、バックラインがあるかないかです。

バックラインとは、グリップの後ろ側の盛り上がった突起のこと。バックラインがあることで、常に同じところを握りやすくなるため、フェースの向きがインパクトで揃いやすくなります。その一方で、フェースを開いて(閉じて)打つなど、ボールの操作が難しくなります。

だから、あまり操作の必要がないドライバーやFW、UTはバックラインあり、アイアン、ウェッジ類はバックラインなしにするゴルファーも多いようです。

とはいえ、上級者ならば自分のスイングが確立されているので問題はありませんが、正しいグリップがいつもできないアベレージゴルファーにとって、いつも同じところで握ることができるバックラインは強い味方。ウェッジ以外はバックラインありで揃えたほうがいいでしょう。

また、最近のドライバーは可変式のモデルが多くなったこともあって、バックラインなしのグリップが増えつつありますが、きちんと握れなくては元も子もありません。可変式のモデルでも、自分のベストポジションが見つかったら、それに合わせて自分なりのスクエアグリップがいつでもできるようなバックラインを入れることをオススメします。

真鍋雅彦(まなべ・まさひこ)

1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。

ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。