通称「カチャカチャ」可変ロフト機能の正しい使用方法!ロフト角を調整するとどういいの?
ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第85回
「カチャカチャ」と呼ばれる便利な可変ロフト機能。だが、使いこなしているゴルファーは少ないように思う。そこで、正しい使用方法について、ゴルフライターT島氏が大蔵ゴルフスタジオの代表でフィッターの市川氏に切り込みます。
写真提供/大蔵ゴルフスタジオ
“Higher”なのにフェースが閉じられ、“Lower”なのにフェースが開く?
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可変ロフトで言う”Higher” 左からシャフトが入った状態。フェースが閉じる。
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可変ロフトで言う”Lower” 右からシャフトが入った状態。フェースが開く。
T島 今日は前置きなしでズバリ行きましょう!可変ロフト機能について!通称「カチャカチャ」についてです。
市川 はい。最近増えていますよね。可変スリーブと言ったほうがわかりやすいかな?
T島 これですね。2008年にルール改定されて、クラブにロフト調整機能を付加してもよくなったんですよ。それまではルールでは禁止されていました。
市川 テーラーメイドさんから出たドライバーR9が印象的です。
T島 はい。2009年に発売されて大ヒットしましたね。
市川 今日は硬派な展開ですね。
T島 大切なことなので確認のために書いておきます。プレー中に角度を変更する、“今日右に飛ぶからカチャカチャしよう!”というのはルール違反です。スタート前に変更しておきましょう。プレー中に調整すると違反です。
市川 まあ、プライベートだとカチャカチャしていますけどね。T島さんレベルになると、調整じゃないけど、ラウンド中に何度もシャフトをカチャカチャと交換しています!
T島 ルール違反です。でも、コンペや試合じゃなければカチャカチャとやっています!では、カチャカチャの原理について説明して下さい。
市川 えっ、自分で説明しないの?仕方ないですね。簡単に言うとヘッドに対してシャフトを斜めに入れることで、シャフト軸に対してロフト角が変わるという仕組みです。
T島 シャフトを地面に対して垂直に置いて、ロフト角というのは計測するんです(垂線とフェースが作る角度がリアルロフト角)。だからロフト角が変わるという。ソールとフェースの角度は変わりません。
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市川 変わったら魔術ですもんね。
T島 はい。イリュージョンです!
市川 シャフトを斜めに入れるということは、ロフト角だけでなくライ角、フェース角も変わります。
T島 ライ角については、皆さんお分かりだと思いますが、フェース角というのはシャフト軸に対するフェースの向きのことです。
市川 ロフト角を増やす方向にシャフトを傾けると、フェース角は閉じる。つまり、フックフェースになります。逆にロフト角を減らす方向にシャフトを傾けると、フェース角はオープンになります。
T島 これですね。皆さん勘違いしやすいんですけど、シャフトを真っすぐにして測ることが前提です。
市川 これわかりにくいですよね……。
T島 うん、文章で説明できない。そういうものである!と覚えて下さい!
市川 オイオイ、ライターでしょう?
T島 説明すればするほどわかりにくくなるもん。
球が上がりすぎるのは、ロフトの問題ではない。
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可変ロフトで言う”Higher” 左からシャフトが入った状態。ロフトが増える。
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可変ロフトで言う”Lower” 右からシャフトが入った状態。ロフトが減る。
市川 皆さん勘違いしてしまうことがあります。それは、ボールが上がりすぎるから、ロフト角を減らそうとするんです。
T島 まあ、スリーブに“Higher”とか“Lower”とか書いていますから当然ですけど。
市川 球がどうして上がりすぎるか?が問題なのです。単にロフトが多いから上がりすぎる!という場合ではないことが多くて……。
T島 そうそう、インパクト時にフェースが開いていることがほとんどなのに。
市川 ボールが上がりすぎる。その場合、ドロー系やストレート系ならロフトが減る方向、つまり“Lower”とか−1とかでいいのですが、右へ大きくスライスする場合は、フェースが開いて当たることでインパクト時のロフトが多くなっているんです。
T島 打つ人が、フェースを開くことでロフトを増やして打っている!
市川 はい。だから逆にロフトが増える方向、つまり“Higher”とか+1とかいう方向に入れることで、フェースの開きが抑えられて球が低くなるという。
T島 つまりロフトが増える方向=フェースが閉じる方向になり、インパクト時のロフト角が減る!という。
市川 ややこしいですよね。
T島 低いフックの場合はその真逆です。ロフトを減らす方向=フェースが開く方向。インパクトロフトが増える。
市川 これでわかりますかねぇ?
T島 それは、わかんないんな~。
市川 もう適当ですね(苦笑)
T島 実はメーカーさんはデータを持っていて、日本のゴルファーってほとんどカチャカチャしないという統計があるそうです。
市川 聞いたことあります。でも、自分でやって沼にハマる人多いです。
T島 あの…今まで書いてきた通りややこしいのです。しっかり理解するためには、両極端を試してみることをオススメします。
市川 なるほど、両極端でやってみて、効果があった方向で微調整する。
T島 そうです。意外とミスリードしやすいんで注意して下さい。
フェース角とロフト角、ちゃんと測って組んでいますか?
市川 大蔵ゴルフスタジオはフィッティングの際に、ロフト角、フェース角を見出しておいて、アフターフィッティングで微調整しています。
T島 最近はパーツブランドも可変スリーブ増えているよね。
市川 やっぱり時代なんでしょうかね?パーツブランドは、可変しなくても最初からロフトやフェース角を指定できるメーカーがほとんどなので。
T島 自分でカチャカチャしなくても大丈夫ってことね。
市川 お客様の自由ですが、わからなくなったら連絡いただければ戻しますから。
T島 大蔵ゴルフスタジオで買うと安心なんだ。なんか宣伝みたい。
市川 なんか棒読みになってましたね。もちろん、ヘッドはご自身のを使ってリシャフトされた方もご相談下さい。
T島 俺もカチャカチャあんまりいじらない。
市川 ラウンド中にシャフトは交換するのに?
T島 フェース角もロフト角も、ちゃんと測って組んでもらっているからね。
市川 T島さんはバランスとか長さとか全く気にしないのに、ヘッド重量とフェース角とロフト角はキッチリしていますよね。
T島 はい。ロフトは大切ですよ。吊るしのクラブってお買い得な気がするけど、最終的にはフィッティングして選ぶことにメリットもあります。
市川 はい、フィッティングのご予約お待ちしています。
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T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な(笑)、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。
大蔵ゴルフスタジオ
上記動画はT島氏が特派員ブログを勤めている東京都世田谷にあります大蔵ゴルフスタジオの説明。大蔵ゴルフスタジオ世田谷のクラブフィッティングの流れを説明しています。
取材協力/大蔵ゴルフスタジオ世田谷
住所:〒156-0053 東京都世田谷区桜3-24-1 オークラランドゴルフ練習場内
営業時間:11:00〜19:00
定休日:毎週月曜日
TEL:03-6413-9272
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