スイング改造で再現性が高くなった渋野日向子の今シーズンは、昨年以上の活躍が期待できる!
一流プロのドライバーのマネどころ
1998年11月15日生まれ、岡山県出身。2019年に国内ツアー4勝、「AIG全英女子オープン」で優勝して大ブレーク。2021年にも日本ツアーで2勝して、2022年シーズンから米国ツアーに参戦。サントリー所属。
米国挑戦2年目の渋野日向子。昨シーズンはコーチをつけていなかったが、今シーズンは2020年まで指導してもらった青木翔コーチとのコンビを再結成。オフシーズンは青木コーチのもとで調整していたが、どこが変わったのか?
GOLF TODAY本誌 No.611 14〜17ページより
構成・文/野中真一
撮影/本誌編集部
ふたたび、青木翔コーチとタッグを組んで米ツアー2年目に挑む、渋野日向子は昨年と何が変わった?
トップを高くしたことでスイング中の「間」と「うねり」が復活。軌道もストレートに
(写真3)低い軌道でインサイドからヘッドを入れていた
ヘッドがかなりインサイドから下りてきて、手元も低いのでリストターンを使いながらフェースをスクエアに戻していた。
(写真2)切り返し直後に腕が遅れてくる
左腰は回りはじめているが、ヘッドのポジションはまだ背中の後ろ。切り返し直後に腕が遅れてくることで体と腕の捻転差がキープされている。
切り返し直後に「間(ま)」ができるように
昨年の最終戦から短い期間でしたが、ドライバーのスイングはかなり変わりましたし、すごく良くなったと思います。一番変わったのはトップの高さです。昨シーズンはトップが極端に低いレイドオフ系のスイングでしたが、今シーズンは手元が肩より高いポジションまで戻ってきました。
トップが高くなったことにより、切り返し直後に「一瞬の間(ま)」を作ることができるので、ダウンスイングでは体が先に動いて、手元が遅れるようになりました。
その結果として、ダウンスイングでも上半身と下半身の捻転差がキープできています。この捻転差がタメにつながるので、インパクト付近でのヘッドスピードも上がっていきます。
昨シーズンのスイングも、体の強さと柔軟性を感じる打ち方でしたが、切り返し直後に手元が低いポジションに落ちてきてしまっていたのでリリースが遅くなってしまうことがありました。体への負担が大きくケガのリスクもあるスイングだったと思います。
トップが高くなったことによって、スイング軌道も変わりました。渋野選手は典型的なドローボールヒッターですが、昨シーズンのスイングだとトップが低くて、すぐに手元のポジションが下がってしまったので、インパクトに向かうまでに急激にフェースターンをしてボールをつかまえていました。もちろん、タイミングが合えば強い打球が打てますが、曲がり幅も大きかったと思います。
今年はトップが高くなったことで、インサイド・アウトの軌道がストレートに近い角度になり、体の「うねり」が復活。浅い角度のインサイド・アウト軌道になったことでスイングの再現性も高まり、インパクトでフェース面をコントロールしやすいと思います。
スイングの再現性が高くなった理由はココ!
バックスイングで、クラブを立てることで体とクラブが離れないインパクトに
ダウンスイングの軌道がストレート軌道に近くなったのはトップが高くなったことだけでなく、バックスイングでクラブを立てて上げるようになったことも要因の一つです。今年のスイングだと手元が胸の高さにきたところでシャフトが立っていきますが(写真3)、この軌道を作るためのポイントは左サイドにあります。渋野選手は手首の動きを使わずに、左サイドの側屈(ワキ腹を縮める動き)だけでバックスイングしています。だからクラブが立ってくるのです。
クラブを立てることによって、スイング中の体とクラブの距離が近くなり(写真6)、体のパワーをボールに伝えやすいスイングになっています。腕が体の遠くにいかないことで再現性も高くなります。
また、ハーフウェイダウンでは右肩が下がらず、高い位置をキープしているのもアマチュアが参考にするべきポイントです。右肩が高いことで入射角が安定し、インパクトロフトが一定になります。アマチュアは右肩が下がってロフトが寝る傾向が強いです。このスイングで完成度を上げていけば今シーズンは昨年以上の活躍が期待できるでしょう。
インパクトでロフトが一定に
左サイドの側屈を使うことで、クラブが立つ
バックスイングでは左のワキ腹を縮めながらクラブを上げることで、手首の角度を変えなくても正しいポジションにクラブが上がる。
ダウンスイングで右肩の位置が高い
アドレスよりも少しハンドアップ右肩が高い位置にあることで、ドライバーでもハンドファーストの姿勢になるのでインパクトでは少しロフトが立つ。
アドレスよりも少しハンドアップ
インパクトはアドレスよりも少し手元が高くなることで、手元を動かすスペースができるのでヘッドスピードが上がる。
上半身が柔らかいのでフィニッシュではヘッドが顔より前に出ている。
解説:石井 忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。
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