逆目は飛び過ぎたり、スピンが利かなくなることが多い

暖かくなって芝が生え揃うと、たいていのコースはフェアウェイもグリーンもきれいなゼブラ模様になっています。より手をかけたコースになると、ダブルカットを施してクロスになっていることも。

きれいに刈られたフェアウェイについ見惚れてしまうこともありますが、日常的にそういったコースでプレーをしているプロは芝目をどれだけ意識しているのでしょう。

「プロはめちゃくちゃ気にしますね、芝目を」

こう話すのは若手女子プロの鶴岡果恋や澁澤莉絵留のコーチで、関東ゴルフ連盟チームKGAジュニア技術担当コーチをつとめる重田栄作プロ。

重田プロ 「ボクはプロの中でも、フェアウェイの芝目をかなり気にするほうかもしれないですね。鶴岡果恋プロの試合でバッグを担ぐときも、彼女に『ここ、逆目だから気をつけろ』とか『順目だから、行け!』とか言うし、

フェアウェイの芝目は100ヤード以内になるとさらに気にしますね。芝の刈り高にもよるけど、基本逆目は引っかかって、ヘッドの抜けが悪くなるから。

あとはフェースとボールの間にほんの少しだけど芝が挟まるから、ドロップする。フライヤーになってボールが飛びすぎちゃう。順目はこういうことないんですけどね。

50〜80ヤードになると通称ポッコンになって、スピンが利かなくなる、逆目は。これも芝がフェースとボールの間に挟まるから。とはいえ、100パーセントそうなるかといえば、そうじゃないときもある…。まぁこういうのがゴルフだし、だから難しいんですけどね。

順目はフライヤーしたり、ポッコンする心配がないからふだん通りの打ち方だけど、逆目のときは変えますね、打ち方を。ヤバそうだなぁ…って感じたら、ヘッドスピードを落としてスイングしてスピン量を減らす、抑えるようにします。

あとは入射角をふだんより緩やかにする。これもスピン量を抑えるためですが、100切りを目指すレベルやようやく90台の人にはちょっと難しい。でも、プロはこうやって打っているということを頭に入れておけば、今後役に立つときがくるかもしれませんよ」

芝目が見える高麗のグリーンでは、打ち方を変えることが多い

● 順目:芝の色が薄い・白っぽく見える
● 逆目:色が濃い・黒っぽく見える

フェアウェイもグリーンも芝の色が薄い・白っぽいほうが「順目」。色が濃い・黒っぽいほうが「逆目」です。

そしてここを勘違いしているアマチュアゴルファーが多いのですが、ティ方向からグリーン方向に見た場合と、グリーン方向からティ方向に見た場合では芝目は逆になり、見え方も変わります。ここを理解していないと、ボールがピン奥についた場合「あれ?」となって、訳がわからなくなります。

芝目の見え方が変わるってどういうこと?

セカンドショットがグリーンオンし、ボールはピン奥3メートルに止まりました。グリーンに向かって歩いているときにグリーンやボールを観察すると「ボールは白っぽいところに止まってる。ということは順目だな」と思ってボールのところまで行きます。

そしてボール位置からピン方向を見ると、芝の色が黒っぽく見えます。「あれ?白っぽいところに止まってたはずなのに、なんで?」となります。

これが、見る方向が変わったことで芝目の見え方が変わる、ということです。つまりこのような場合、ピンの下から打つ場合は「順目」、上から打つ場合は「逆目」になるわけです。

大事なのは芝目を意識すること

「いまは多くのコースがグリーンはベントですよね。あまり高麗のグリーンはない。ベントは順目、逆目がわからないというか、見えないことがほとんど。だからボクは気にしないで打ちますね」

こう話すのは重田プロ。

重田プロ 「基本、いいコースのグリーンは芝目があったらダメなんです。というか芝目ができないように管理しているし、芝目を作らないのがプロのキーパーの仕事、と思ってるところが多いんです。だからボクは、ベントで芝目を気にしたことはほとんどないです」

「高麗は、芝の特性で芝目が見えるから順目と逆目で打ち方を変えます。逆目はパンチ入れるというか、フォローを出さない、流して打たない、みたいな…。インパクトしてすぐヘッドを戻す…そんなイメージですね。順目は流し打つ、フォローでタッチを合わせていく感じで打ったりします」

重田プロ 「先ほど言ったように、ボクは基本的にベントは芝目を気にしない。ただ、芝目が見えるときは気にします、高麗ほどじゃないけど。あとは名門コースで非常にきれいな高麗は、ベントで見えるときみたいな感じで気にします」

プロのように芝目によって打ち分けることは、アマチュアレベルにはなかなか難しいもの。しかし芝目を気にしてプレーすることは、スキルアップにつながっていくに違いありません。

宮川岳也(みやかわ たけや)
ゴルフ雑誌編集記者を経てフリーのゴルフライターに。レッスンやギアはもちろん、ゴルフの歴史などにも精通。また、無類のスイングマニアで、スイング理論が大好き。ここ数年は競技ゴルフに明け暮れ、毎日の練習を自らに課している。