頭を使ってゴルフをすれば、自然と100は切れてしまう

「本当に100を切れない人って、ゴルファーの半分もいるんですか?」
最近ゴルフを始めた若いゴルファーと話をすると異口同音に、「大袈裟なメディアの戦略だ」と疑う声を耳にすることが増えました。

やさしい用具を上手に使って、数ラウンド目で90台のベストスコアを出せたという若いゴルファーはゴロゴロいます。だからこそ、多くのゴルファーが100切りで悩んでいる、というのは情報操作みたいだと感じるようです。

いろいろな統計がありますが、ゴルファーのうちの半数は100の壁と戦っているといわれています。わかりやすい証拠は、100を切るための特集などがどのメディアでもしっかりとした数字を残すことです。つまり、需要があるからヒットするわけで、100の壁と戦っているゴルファーはたくさんいるのです。

100の壁は、オフレコの世界では『バカの壁』ともいわれています。単に自らのゴルフの分析不足なだけで、ある程度ボールが打てるようになれば、頭を使ってゴルフをすることで自然と100は切れてしまうからです。

100を切れない理由を挙げてみましょう。

(1)ボールが曲がって、OBやトラブルでスコアを浪費する
(2)良いショット悪いショットの差が激しく、計算ができない
(3)グリーンの近くから何打も打ってしまう
(4)3パットや4パットが多い

ゴルフは思い通りにならないことを楽しむゲームです。課題は、レベルが上がるほど実は増えていきます。100を切る方法は百通りあるといわれますが、レベルが上がるほど選択肢は減っていき、クリア条件がむずかしくなります。

4つの理由を全てクリアしなくとも、2023年の現在であれば楽勝で100は切れます。冷静にストロークを浪費している部分を自己分析してみることです。それがちゃんとできれば、100切りは半分達成できているのです。

昭和と平成の接待ゴルフの遺産を使って100を切るのが、令和の賢いゴルフなのだ!

4つの理由のうち、最も簡単にクリアできるのは(1)のOBとトラブルをなくすことと、(4)のパット数を減らすことです。明日からでも可能です。

その前に、少しだけ歴史をロールバックします。

昭和、平成初期までゴルフの主役は、企業理論で武装した社用族ゴルファーでした。この時代、いいゴルフコースの条件は迷走していました。偉い人がいいといえば理由なんて関係なしで逆らえない、という空気があったからです。

そういう時代だったからこそ、ゴルフコースは水面下で切磋琢磨していました。簡単にベストスコアが出るコースが、本音ではみんな大好きなのです。コース側は、どうやったらいいスコアでお客様がプレーしてもらえるのか?と創意工夫して、スコアが出やすいコースが増えました。

そして現在。幸せなことにスコアを出しやすいコースは秘かに、大量に残っています。OBとトラブルをなくしたいなら、OBがなく、トラブルが回避しやすいコースを選択すればいいのです。

「(1)ボールが曲がって、OBやトラブルでスコアを浪費する」の解決策

例えば林間コースはOBは少ないですが、林に入れば脱出に何打も必要になったりしますのでNGです。幅が広いコースが理想ですが、日本では土地の関係でそういうコースは少ししか存在しません。

2019年のゴルフ規則の大改正で、かつて邪道だと非難されていた前進4打の概念は、ローカルルールとして逆に奨励されるように変わりました。狭い山岳コースでいいのです。大きく曲げればボールはなくなりますが、1打罰で前方から3打目で再開できるローカルルールが助けてくれます

「(4)3パットや4パットが多い」の解決策

次に3パット、4パットを減らすということもコース選びで解決できます。やさしいグリーンのコースを選べばいいだけのこと

グリーンが難しいと渋滞の原因になるので、大量にお客様を入れるコースほど、できるだけ平らで変な癖がないグリーンのホールが多いという傾向があります。

ゴルフに貴賤なし!どんなコースであろうと出たスコアは現実として受け入れるのが正解

自分に合ったゴルフコースで鍛えるのが、ゴルフ上達の最高の近道なのです。
若者ゴルファーが、今までのゴルファーより簡単にスコアの壁を突破している現実には、複数の要因があります。

(1)やさしい用具を上手く使っていること
(2)遠くてもいいので安くプレーできるゴルフコースのスコアが、まとまりやすい創意工夫に支えられている

というこの2つの要因が大きいと考えると、かなり説得力があるのです。

そんなことをしても本格的なコースでは通じない、という声も聞こえてきます。ゴルフの不思議なところなのですが、賢くクリアし続けてスコアの壁を壊してしまえば、スコアが出にくいコースに行っても、別人にはならなくなるのです。つまり、いつも通りのスコアでゴルフができてしまうのです

簡単なコースでブレイクスルーしてレベルアップをするという手法は、21世紀になってからはゴルフ先進国の選手育成ではごく当たり前になりました。情報収集と分析で、ゴルフのスコアの壁を越えるだけではなく、破壊してしまうのが賢い令和のゴルフなのです。




篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】

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