フェース素材によって転がり方が大きく変わる
クラブの進化に伴い、パターも大きな変化を遂げていますが、その中でも特に変化が激しいのはフェース面です。ひと昔前まではパターに“インサート”という概念すらなく、ヘッドは鋳物や真鍮、軟鉄の削り出しなど、1つの素材の塊というのが当たり前でした。
しかし昨今は、ボディーとは異なる素材が埋め込まれていたり、幾何学模様の編み目や溝が刻まれていたりするなど、フェースの表面は実に多彩です。
これだけ種類が多いとどれを選べばいいか迷うという人もいるでしょうが、考えようによってはゴルファーにとってはありがたいことです。というのも種類が多い分、パッティングで大事な“自分にとって距離感が合うモデル”が見つかりやすいからです。
例えばインサート素材に関しては、大きく分けてホワイトホットなどに代表される樹脂系とアルミニウムなどが主流になっている金属系のものとがあるわけですが、その種類によって転がり方が大きく異なり、距離感が合う、合わないも使う人によって変わってきます。だからフェース素材の種類が多くなればなるほど、合うモデルが見つかりやすいということになります。
フェース素材に劣らず、溝や網目模様なども進化
フェース面の溝や網目などのデザインに関しても同じことがいえます。そもそもフェース面の模様は、「もっと安定した打ち出しで、ラインから外れない転がりがほしい」というツアー選手の要望から生まれたものです。
ボールの転がりが不安定になるのはインパクト時のボールのスリップ現象が原因になることが分かったので、打ち出した瞬間、スリップせずに余分なバックスピンを減らし、地面との摩擦も軽減しながら素早く順回転をかけるという溝構造がフェースインサートに加えられたのです。
だから基本的には、「安定した順回転がかかる」「ボールとの設置面積を小さくして、打球感をよりソフトにする」などの効果を追求したものです。
ところが最近ではそれをさらに進化させ、フェースセンターの溝を深く、あるいは広くすることで弾きを弱くして、芯に当たったときと外したときの転がる距離の差を小さくするなどの効果を狙った溝も開発されています。
芯で打ったときの転がりが重要
このように、せっかくいろいろな転がり方をするパターが世に送り出されているわけですから、使う側としても自分のイメージ通りに転がるかどうかをしっかり見極めるべきでしょう。
【見極めるポイント】
● “芯でうまく打てて、よい転がりになったとき”に、「自分の思ったところにボールがとまっている」かどうか
● 転がる速度も、自分のイメージ通りかどうか
単に、「よく転がる」とか「手応えがいい」「打球音が心地良い」などの理由で選んでしまうと、スコアアップには繋がらないということです。
使うボールを決めてからパターを選ぼう
さらに、新しいパターを探している人にもうひとつアドバイスを。それは、パターとボールとの相性も考えたほうがいいということです。なぜなら、同じフェース素材、デザインでも、ボールによって転がりが変わってくるからです。
アマチュアゴルファーの中には使うボールを固定せず、いろいろなボールを使っている人が多いように思います。それが同じカテゴリー(ディスタンス系かスピン系か)のボールならば、メーカーやブランドが違っても多少は許されますが、ディスタンス系とスピン系を混在させて使っている状態だと、本当の意味で自分の距離感をつかむことはできません。
まずは使うボールを決めて、そのボールで距離感が合うフェース素材を選ぶようにすることをオススメします。
文・真鍋雅彦(まなべ・まさひこ)
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。




