朝の練習はやってもやらなくても、その人次第でOK
余裕をもってゴルフ場に到着しドライビングレンジでしっかり練習する人もいれば、スタート時間間際にやって来て練習グリーンで2、3回ボールをコロがすだけという人もいます。
いずれにしろ、遅刻さえしなければ仲間はもちろんゴルフ場にも迷惑はかからないので、その人の自由でしょう。
とはいえ、いいスコアを出したいとなると、ギリギリに到着するのはやや問題があるような気がします。
そこでプロゴルファーは試合の日の朝、どんな練習をしているのか? はたまた、していないのか? そして、アマチュアにおすすめの練習はあるのか?について、若手女子プロの鶴岡果恋や澁澤莉絵留のコーチで、関東ゴルフ連盟チームKGAジュニア技術担当コーチでもある重田栄作プロに聞いてみました。
重田プロ 「ボクは余裕をもって試合会場に到着し、ドライビングレンジでのショット練習、練習グリーンでのパット練習、そしてアプローチ練習ができるところなら、アプローチショットとバンカーショットの練習も必ずやります。
プロでもティオフまでの間にしっかり練習をする人もいれば、ほとんどしない人もいるので、アマチュアの人も必ず練習をするべきとは言えません。その人の考え方次第でいいと思います」
右や左を狙ったり、方向性を重視した場面に備えた練習は必ずやる
重田プロ 「ボクは通常、ドライビングレンジでサンドウェッジ、9番アイアン、7番アイアン、4番ユーティリティ、ドライバーという感じで練習していきます。
ショット練習が終わったら練習グリーンに移動して、まず10メートルのロングパット練習をします。次に1メートルのショートパット練習をし、それが終わったらアプローチやバンカー練習をして、スタート時間を待つ、という感じです」
重田プロ 「ただ風がある日は練習することが増えます。練習をはじめる前、コース全体を俯瞰した図の18ホールすべてに、どんな風向きなのかを記します。練習ラウンドやプロアマの日と風向きが変わっているとマネージメントも変わるため、必ずチェックするんです。
次にボク的に難しいと感じるホールや難易度の高いホール、つまりキーホールですね、それをピックアップします。だいたいキーとなるホールは5〜6個あるのですが、そのホールの風をさらに細かくチェックします。
キーホールそれぞれの風向きなどがわかったら、どう攻めるか、マネージメント方法を考えて、どんな球筋で打つべきなのかを決めます。そして決めた球筋を打つ練習をします。
例えば『3番ホールのパー4は右がOBで、左が林。風は左からのアゲンストだから、ティショットは低いドローだな』となったら、低いドローの練習をします。こういったイメージに基づいた練習をセカンドショットの場合、アプローチショットの場合とすべて想定して練習するのです。
パー3ホールはすべてティアップしてティショットを打つので、風などを考えて球筋を決めたら、練習場の芝にティアップして、そのホールで使う番手を持ってボールを打ちます」
アプローチの練習
重田プロ 「アプローチの練習もショット練習と同じです。ホールロケーションシートといって、その日のカップ位置を記したものがあるので、カップ位置を想定したショットの練習をします。例えば『12番ホールはピンがエッジから5ヤード。上りの傾斜になるからランニングで寄せよう』となったら、その練習をします。ランニングアプローチはウェッジで打つ練習はもちろんですが、ユーティリティを使ったスクレイプショットやパターを使ったピッチパット練習もやります。
風がなければ、ここまでの練習をする必要はありません。でも風が吹くとゴルフは途端に難しくなるので、ある程度綿密な練習をする必要があるとボクは思っています。
ふつうのアマチュアゴルファーが前日から風向きを調べたりすることはまずないと思いますし、ホールロケーションシートもないため、詳しいカップ位置をスタート前に知ることもないと思います。ドライビングレンジも芝の上にティアップして打つことはまずできないため、ショートホールのティショット練習もできないでしょう。
こうなるとできることは限られてきますが、ボクがおすすめするのがいくつかの目標を決めて、そこを狙って打つ練習です。ほとんどの人が打席の正面付近にあるヤーデージ看板などを狙って打っていますが、右の看板や左の看板を狙って打つ練習もやってほしいと思います。これはドライバーだけではなく、アイアンやウェッジも同じです。
コースに出たら、いつも正面が目標とは限りません。右や左を狙うケースも多々あります。そのための練習をしておいたほうがいいでしょう。さらにスリークウォーターショットとハーフショット、クラブを短く持って打つ練習は必ずやるべきです。これらは傾斜地や方向性を重視するケースを想定したもので、練習をしておくのとしないのとでは、大きな差が出るでしょう」
文・宮川岳也(みやかわ たけや)
ゴルフ雑誌編集記者を経てフリーのゴルフライターに。レッスンやギアはもちろん、ゴルフの歴史などにも精通。また、無類のスイングマニアで、スイング理論が大好き。ここ数年は競技ゴルフに明け暮れ、毎日の練習を自らに課している。




