芝質の違いによって生まれたネックの違い

日本で販売されているウェッジには、ストレートネックグースネックがあり、この二つはよく比較されます。

● ストレートネック
リーディングエッジがネックの左側のラインより前に出ている形状のモデルを指し、出っ歯とも表現される。

● グースネック
リーディングエッジが、ネックの左側のラインより後方に引っ込んでいる形状のモデルを指す。リーディングエッジを後方に引っ込めるような形にするためにネックをS字状に曲げるのだが、この形状がガチョウの首のように見えるため、グースネックと呼ばれる。

日本では、一時期グースネックが大流行しました。往年の名選手である尾崎将司プロが好んで使用し、長きにわたって活躍したからです。近年では、海外ブランドに多いストレートネックがスタンダードになり、グースネックのモデルは比較的少なくなっています。

メーカー別にみてみると、米国ブランドのウェッジにはストレートネックが多く、グースネックのモデルがあってもフェースの引っ込み具合はほんのわずかです。大きなグースネックを持つモデルは、すべて日本のメーカーのモデルです。

これには理由があります。

● 米国の芝:密集していてもボールが沈みやすく、アプローチでボールを掻き出すように打つ必要がある。
● 日本の芝:ボールが浮きやすく、よほど深いラフでない限り、ボールに直接コンタクトしやすいライになりやすい。

この違いがネックの違いを生んでいるのです。

ネックの違いはボールへのコンタクトのしやすさとボールのつかまりに現れる

直接コンタクトしやすいなら、ストレートネック一択になりそうですが、グースネックにも利点があります。
それはボールのつかまりです。スイング中、フェースはテークバックまでは開きながら動き、トップからフィニッシュまで閉じながら動いています。

● ストレートネック:ボールがつかまりにくくなる
● グースネック:ボールがつかまりやすい

ストレートネックは、グースネックに比べてフェースが前方に出ているため、インパクトで早めにボールにコンタクトします。開いた状態のフェースが閉じながらインパクトを迎えるため、早くボールにコンタクトするストレートネックの方がフェースが開いてあたりやすく、ボールがつかまりにくくなります。

グースネックの方がインパクトまでの時間が長くなるので、ボールがつかまりやすくなるのです。

この“ボールがつかまる”という現状は、ロフト角の多いウェッジにとって非常に重要になります。ウェッジでボールをつかまえられると、フェースとボールの接地している時間が長くなり、ボールがコントロールしやすく、よりスピンがかかりやすくなるのです。

<それぞれの特徴>
● ストレートネック:直接ボールにコンタクトしやすい出っ歯な形なので、芝に沈んだライからスピンをかけ、ボールをコントロールできる
● グースネック:直接コンタクトしやすいライにあるなら、よりボールをコントロールしやすく、スピンをかけられる

日本でプレーするならやっぱりグースネックがやさしい!

グースネック

一般的に日本で売られているグースネックのウェッジは、“どれもやさしい、ミスに強いモデル”といった評価がされています。この評価はその通りだと思います。アイアンなどと同じでつかまりがいいため、右へのミスの軽減、ウェッジのミスに多いダルマ落としが起こりにくいからです。

ストレートネック

対するストレートネックのウェッジは、使用する海外のツアープロのイメージもあり、“コントロール性の高いウェッジ”といった評価がされています。これもその通りと言っていいでしょう。
ですが、グースネックにもツアープロが使えるようなモデルはありますし、ストレートネックにもミスに強いやさしいモデルはあります。

まとめ

ウェッジは、そのゴルファーのボール位置や打ち方によってマッチするモデルが変わります。またバウンス角など、他のクラブと比べると絡み合う要素が多いため、自分にマッチしたモデルを探し出すには、実際に試打して試す必要があります。

ですが、ウェッジ探しの最初の入り口として、ネックの違いで選んでみるのはいいと思います。日本の芝は、そこまでシビアなライになりにくいです。それであれば、ボールのつかまりのいいグースネックのウェッジを使ってみて、直接ボールにコンタクトしにくい、つかまりすぎて左に飛んでしまうといった不満が出るようなら、ストレートネックのウェッジを試してみるといった手順がおすすめです。

ちなみに私は、ちょっとだけグースになったいわゆる“セミグースのウェッジ”を長らく愛用しています。ウェッジは苦手ですが、かなり助けられていますよ!

■オグさん(小倉勇人・おぐら はやと)
元ゴルフ雑誌編集者のスウィング&クラブアドバイザー。現在は千葉県にあるゴルフ練習場「ユニオンゴルフクラブ」にて「ゴルフフィールズ ユニオンゴルフ店」で店長をしつつ、過去の経験で得た知識を武器にゴルフライターとしても活躍中。飛距離は250ヤード、持ち球はフェード。ベストスコア68。