攻撃的なショットは、多くの人々を惹きつける魅力にあふれている
ゴルフ歴やレベルを問わず、ゴルファーなら誰でもパーやバーディを獲りたいと思っているもの。
上級者であればさまざまな状況に応じてショットを打ち分け、インポジションにボールを運んだり、時としてピンをデッドに狙うこともあるでしょう。精度の高い安定したショットが打てれば、結果は別として、このようなマネージメントができるものです。
常に攻撃的で、果敢にピンを攻めるプレースタイルは観る者を惹きつけ、「ぼくもあんな風にプレーしてみたい」と、思わずつぶやいてしまう魅力があります。
アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラウス、タイガー・ウッズ…etc、時代を築いた名プレーヤーはみな、ゴルフファンの溜め息を誘うアクティブでオフェンシブなショットを放ってきました。そして、そんなショットはゴルフファンのみならず、多くのスポーツマニアをも唸らせてきたのです。
100切りレベルの“果敢”は、単なる無謀なマネージメント
ポジティブ、アクティブ、オフェンシブ。こういったマインドでプレーをすることは、決して悪いことではありません。このような気持ちがあるからこそ、レジェンドと呼ばれる名プレーヤーたちは数々のスーパーショットを我々に見せてくれたのです。
「そっか、だったらぼくも常に果敢なプレーを心がけるぞ!」
名プレーヤーに倣ってこんなことを思ってしまった100切りゴルファーがいたら、ちょっと待ってくださいと言いたい。ゴルフに限らず、前向きな気持ちでプレーをすることはとてもいいこと。しかし、今のあなたのレベルで果敢なプレーを実行しても、それは単なる無謀なマネージメントです。
ドライバーのティショットはもちろん、それ以降のショットでも、いわゆるナイスショットが出るとたいていの100切りゴルファーは気持ちが高まってテンションが上がります。そしてその気持ちのまま、残り距離だけでクラブをチョイスし、ピンをデッドに狙ってフルスイング。
よい結果に結びつくことも稀にありますが、多くの場合ダフってチョロしたり、引っかけて林の中へ…。
一喜一憂することなく、粛々とプレーをすることでチャンスと巡り会える
いい当たりのティショットがフェアウェイをキープすると、「ここはチャンスホールだな。よーし、ピンデッドに行って、バーディを狙うぞ!」などと思っていませんか?
パー3ホールのティショットが結果オーライでグリーンの端にワンオンしたとき、「ラッキー!チャンス到来。このロングパット、ねじ込むぞ!」などと思っていませんか?
100切りを目指すゴルファーの中に、思い通りのフェアウェイキープやワンオンを実現できる人は実はいません。結果そのようになっただけで、ゴルフの神様の気まぐれで“たまたま”そうなったというのが現実です。ですから、100切りレベルのゴルファーにバーディやパーを狙って獲れるようなチャンスホールはないのです。そもそも狙ってパーを獲れる腕前があれば、100切りレベルのわけがありませんよね。
では、チャンスホールはどんなゴルファーに訪れるものなのか。それはショットが良くても悪くても、パットが入っても入らなくても、ラウンド中に一喜一憂することなく常にフラットな気持ちでいることのできるゴルファーにこそ、チャンスホールは訪れます。
球聖ボビー・ジョーンズのように「パーおじさん」と向き合うために粛々とプレーをすることが、チャンスを引き寄せることになるのです。
文・宮川岳也(みやかわ たけや)
ゴルフ雑誌編集記者を経てフリーのゴルフライターに。レッスンやギアはもちろん、ゴルフの歴史などにも精通。また、無類のスイングマニアで、スイング理論が大好き。ここ数年は競技ゴルフに明け暮れ、毎日の練習を自らに課している。




