ゴルフシューズはスパイクレスの時代 でも、やっぱりソフトスパイクのほうが本格派?
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第81回
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。
写真提供/篠原嗣典
シューズ選びの最初の決断は、スパイクレスorソフトスパイクに!
ゴルフシューズを選ぶときに最初に考えることは、スパイクレスか?ソフトスパイクか?という時代が来たのだとゴルフショップのスタッフから聞きました。曰く、「最近は、完全にスパイクレスを選択するお客様のほうが多数派になっています」とのこと。
スパイクレス(裏に突起が付いているシューズのことで、スパイクレスという名称は便宜上)の歴史は意外に古く、実はスパイクシューズが広まる以前から存在しました。20世紀前半に米国でスパイクシューズが一般化しても、欧州ではスパイクシューズは競技ゴルファー向けの特別な新しい形態のシューズ、という位置付けで、それ一択にはならなかったのです。
20世紀末までゴルフシューズは、基本的にスパイクシューズのことでした。何度かスパイクレスのヒットシューズが生まれましたが、過半数の日本のゴルファーはスパイクレスのシューズを選ぶことはなかったのです。
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令和のゴルフブームの主役は?
とはいえ、20世紀末にバブルが弾けてから、スパイクシューズは急激に減っていきます。理由は複数ありますが、金属の釘状のスパイクがいろいろなものを傷めてしまうのが一番の理由でした。
例えば、ゴルフコースのクラブハウス内の絨毯は、スパイクの時代はすぐにボロボロになってしまうので、年に何度も傷んだ場所を修復していました。
平成の期間は、ゴルフシューズ=ソフトスパイクでした。鋲が樹脂でできたソフトスパイクシューズであれば、絨毯の傷みは10分の1程度になり、修繕の費用は別次元に少なくて済みます。
スパイクレスシューズもありましたが、初級者はグリーンを傷つけにくいのでいいとか、腰が悪い人には歩行しやすくていいとか、用途を絞って選ぶ人が多かった期間が続きました。
令和のゴルフブームで、ゴルフシューズの主役は完全にスパイクレスになりました。その最大の理由は?というゴルフ談義をしていたら、強烈な違和感を覚える意見があったのです。
スパイクレスは履き替える必要がないからいい、という理由には…ちょっと待った!
「やはり家から履いていける気軽さが、スパイクレスシューズが過半数になった要因ですよ」という売り文句でショップはアピールしますが、僕の周囲ではそんな人は見たことがありません。コースに着いてからシューズは履き替えるもので、スパイクレスだから履き替えないでいい、というのは「ちょっと待ってよ!」なのです。
コースの外から汚れや芝生に害がある雑菌を持ち込むからダメなのだ、というのがセオリーですが、実際にはその実害よりも、気持ちの問題が大きいのです。
ゴルフシューズを家から履いていくのはマナー違反なの?
スパイクレスの登場以来、「ゴルフシューズは家から履いていく」という人が増えているようです。 凸凹が少ないから車の運転...
例えば、学校の上履きをイメージしてください。「面倒だから家から上履きでいいや」「上履きに履き替えなくとも、自分だけならそんなに汚れないだろう」というのは非常識。
玄関で靴を履き替えることで、学び舎に入るという言わば儀式になっていて、気持ちの切り替えが自然にできているのです。もちろん、衛生面でもプラスです。
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