中身もすごいのだけど、「Mizuno Pro 245」は一目惚れするアイアンだ!

ミズノは、「Mizuno Pro 245 アイアン」を2023年9月15日に発売する。コピーは、“マッスルバックのような風貌、やさしさと飛び”である。サブコピーは、“ホットメタルブレード クロモリの飛び、軟鉄の打感の良さを1セットに共存”だ。コピーだけでどんなアイアンなのかがわかる

中空構造で、4番〜8番のネックとフェースは「クロムモリブデン鋼(SCM435)」で作り、ソールとバックフェースは「ステンレススチール(SUS431)」で作ったものを合わせている。8番以下の番手はフェースとネックは、「マイルドスチール(S25CM)」で、バックフェースとソールは「ステンレススチール(SUS431)」で作ったものを合わせている。

「Mizuno Pro 245 アイアン」の4番〜7番は、前モデルの約1.6倍のタングステンを配置。低重心と重心深度を深くしている。そして、「新コアテックフェース」とソールを薄くして高初速エリアを拡大。ミズノ鍛造アイアン史上最高反発係数を達成したという。

実際に構えてみると、フェースがより小さく見えるような工夫もあり、シャープなヘッドが好きなゴルファーにはたまらないアイアンに仕上がっている。

「Mizuno Pro 245 アイアン」がバックに入っていたら、10人中9人はマッスルバックのアイアンを使っている、と思うはずだ。それでいてマッスルバックよりやさしくて、かつ飛ぶのだとしたらそれだけで購入を決めるゴルファーも少なからずいるはずだ。

その実態をたっぷりと試打ラウンドをして、確認することにした。

「Mizuno Pro 245」は、自分のためのアイアンだと感動できる人のために存在する!?

「Mizuno Pro 245 アイアン」を打ってラウンドして、わかったことを挙げる。

● 打音打感:音量やや控えめ。濡れた鞭系に残響なしの音。軽く弾く打感、手応えはかなり敏感。
● 弾道球筋:低めの高弾道。小さなフェード、ドローに反応。スピンは少し緩め。
● 飛距離:クラシックロフトの1.5番手アップ。ショートアイアンは1番手アップ。

最初に感じたのは、”成分無調整”だ。つまり、薄めるもの自由、味を付けるのも自由。
よく言えば癖がなく素直なのだが、他の中空アイアンがこの1年、2年でやさしさを増している中で、やさしさが特別に目立つわけではないことに驚いた。そのぶん球筋は美しく、かなり敏感に打ち手の意思がボールに伝わる。当然、しっかりと芯に当てていける技量を打ち手に求める本格派である。

このアイアンに興奮できる人は、パワー不足でマッスルバックやツアーキャビティのアイアンが使いづらくなったパターンが第1位だと感じた。具体的には、シニアでテクニックには自信があるゴルファーと、女子プロでアイアンが得意なゴルファーだ。

軽量シャフトを選択できるようになっているのは、ターゲットを絞ってチューニングを徹底した証である。

前モデルより確実に進化したのは、いわゆる打感だ。澄んだ水のようなクリアな手応えは書くまでもなく、濡れた鞭系の音は耳に心地がいい。ただ、あくまでもそれは「クロモリ」のフェースの中空構造としては、なのである。

軟鉄鍛造の”最響”の打感が味わいたいというこだわりを持っているのなら、「Mizuno Pro 245 アイアン」の打感と打音には満足できないかもしれない。その場合は、「Mizuno Pro 241 アイアン」を使うといいだろう。

個人的感想

個人的に思うのだが、打音の違和感は成功体験を少し重ねただけで更新される。つまり、いい記憶と一緒に新しい打音も好きになるものなのだ。そういう意味でも、良くできている。ミドルアイアンからショートアイアンまで、バラつきがない打音を響かせてくれるからだ(余談であるが、番手によって打音の音量や音質が変わってしまうアイアンも市場にはある)。

飛距離性能という部分でも、本格的な使い勝手という意味でも進化を感じることができたが、1つだけそれらの機能と引き換えに気づいた点もあった。弾道が美しいのでスピンが強くかかっているような感じがするのだが、スピン性能はそれほど強くない。

中空構造で低重心化すると飛距離は増してもスピン量が減る、という傾向があることは知っているが、もう少しスピンがかかってくれれば、もっと好きになったと思う。

「Mizuno Pro 245 アイアン」は、ツアー用中空アイアンという分野で、やさしすぎてアバウトな狙いでのゴルフしかできなくなるアイアンが並ぶ中、一石を投じるアイアンだ。特に球筋は伸びがあって、小さなフェードもドローも打ち放題で楽しかった。調子が良く狙い通りにいけば、まさにピンポイントのゴルフができるアイアンである。

また、こういうアイアンを使っている限り調子がひどく悪くなる前にわかるので、結果としてハイレベルを維持しやすいことも想像できるのは、オススメポイントである。

「Mizuno Pro 245 アイアン」は、たくさんのゴルファーが使えるアイアンではないかもしれないが、一部のゴルファーにとっては、このアイアンでなければダメだというベストマッチを感じるクラブに仕上がっている。冒頭に”成分無調整”と書いたが、これはまさに味付け次第で自分だけのアイアンになる可能性がある




篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


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