ボールを蹴ってしまっても、わざとでなければお咎めなし

「打ったボールが右の林へ。ボールを探していたらうっかり自分のボールを蹴ってしまった」。そうそうあるケースではないと思いますが、ゴルファーに話を聞いてみると、「やってしまったことがある」という人もけっこういるようです。そんなときはどうすればいいのか?

以前(2019年のルール改正前)は故意であろうがなかろうが、自分のボールに触れてしまった場合は、「1打罰を加えてボールを元あったであろう位置にリプレース」というのがルールでした。かつてゴルファーたちは、「紛失球は嫌だけど、蹴ってしまっては元も子もない」と、慎重に探したものでした。

しかし、2019年の改正でペナルティーは撤廃。

● ボールを動かしてしまっても、元にあったと思われる位置にリプレースすれば「無罰」でプレーが可能

もともと、他のプレーヤーのボールを蹴ってしまった場合は「無罰でリプレース」だったので、それと同じになったということです。これからの季節、落ち葉の中にボールを埋もれている可能性もあるので、クラブで落ち葉をかき分けながらボールを探すこともあるでしょうが、そのときにクラブがボールに当たっても「無罰でリプレース」できるのです。

わざとボールを動かしたと判断された場合は1打罰

このようにルールが改正されたのは、「ボールを蹴らないように、恐る恐るボールを探している人が多かった」のが主な理由だと思われます。しかも2019年のルール改正により、ボールの捜索時間も5分から3分になったこともあり、「誤ってボールを蹴ってしまってもいいから、ちんたらせずにさっさと探しましょう」ということになったのでしょう。

ただし、これが「故意(わざと)」になると話は変わってきます。ボールを見つけたとき、ライが悪かったのでボールを探す振りをして少し動かしたという場合は、インプレーのボールを動かしたと見なされ「1打罰で元の位置にリプレース」。悪質なルール違反なので、もう少し厳しい罰を与えても良さそうな気もしますが。

故意か故意でないかの判断について

問題は、その行為が故意か故意でないかの判断。以前は、「ズルしたかしてないかわからないけど、とりあえずズルしたとみなそう」というルールでしたが、改訂後は、「ゴルファーたるもの絶対に、故意でボールは蹴ったりしないよね」ということが大前提となっています。

まあ、ゴルフをやっていたらズルをしそうなゴルファーか、そうでないかは自然と分かるものですが、前者のようなゴルファーとはあまりプレーはしたくはありませんよね。

もし自分自身が疑われるのは嫌だったと思ったら、ボールを探しに行くとき、余裕のある人に「一緒に探してくれない?」と頼んで近くにいてもらうのもいいかも。そうすれば疑われることはないですよね。それと、蹴ってしまったあとの“リプレース”を忘れないように。これを怠ると「誤所からのプレー」で2打罰になってしまいます。故意に蹴るより罪が重くなるので注意してください。

文・真鍋雅彦(まなべ・まさひこ)

1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。

ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。