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"狙い打つ"という観点で最も進化していくのはどのクラブ?「185ヤード池越え、でもピンデッド」みたいな1本がほしいな

重箱の隅、つつかせていただきます|第39回

2023/11/08 ゴルフサプリ編集部

アイアン,ゴルフボール

スイング、ゴルフギア、ルールなどなど…。ゴルフに関わるすべての事柄の“重箱の隅”をゴルフライター・戸川景が、独自の目線でつつかせていただくコラムです。

Text by Hikaru Togawa
Illustration by リサオ
GOLF TODAY本誌 No.617/74ページより

なぜアイアンの宣伝なのに、「狙える」が弱いのか?

イラスト

年末のボーナス時期に向けてかどうかは知らないが、秋になると各メーカーが新モデルを市場に投入する。私も、その発表会に参加することも多い。

驚くのは、いまだに「飛距離アップ」が売り文句であり続けることだ。確かにクラブ重量の軽量化に伴い、長尺化など物理的にヘッドスピードを上げて飛距離アップすることができた時期もあるが、現在はどうなのか。

物理的な飛ばしの三要素は(1)ボール初速、(2)スピン量、(3)打ち出し角。クラブスペックやボール性能にはルール規制があり、もはやこれ以上劇的な機能向上は考えられないと思っている。

とはいえ、売り込む作り手側にはまだ活路がある。1つは、いかにヘッドスピードが遅くても、それに合わせた最大飛距離を得られる機能を開発すること。もう1つは、打ち方に応じて、ショット精度が向上するチューン機能を開発することだ。

1つめに関しては、注目すべきは「ヘッドの軽量化」だろう。タイトリストが「TS1」を発表して以降、他メーカーの追随の動きもある。いずれシャフトのように、標準重量が見直されるかもしれない。他の番手、特にアイアンもヘッドの軽量化がドラスティックに進めばいいのに、と思っている。

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イラスト

ここ数年のトレンドである"ちょい飛び系"アイアンが、実はすごく気に入らない。美しいフォルムやアスリート系のイメージで、ストロングロフト化を推し進めているだけに見えるからだ。

ドライバーが飛ばなくても、2打目で届けばいい。アイアンが飛べば、それを実現できる。それを可能にするのはロフトを立てることだ...。

この単純な三段論法は、最後の項目が間違っている。ヘッドスピードが遅ければ、ロフトを立てると打球が上がらなくなり、逆に飛ばなくなる。各メーカーもズルイもので、そのため長い番手を徐々にセットから除外している。つまり、わかって仕掛けているのだ。

大体、アイアンはキャリー主体で狙い所に落として止めるもの。ストロングロフトで弾道をライナー性にして、飛んでもコロがるのでは意味がない。もし、アイアンで飛距離アップとラン抑制を両立させたいなら、軽量化+長尺化がベストだろう。昔、中嶋常幸がUSツアーに挑戦していたころ、高弾道を求めてアイアンのレングスを伸ばしたことがあった。大正解だと思う。

元々、短いアイアンだからこそ長尺化でのヘッドスピードアップはやさしい。実は、最近の"飛び系"アイアンも少し長尺化しているが、ロフトとのバランスが悪すぎる。もっと長くするか、ロフトを数度増やすべきだと思う。

私は、アイアンで飛ばすという考え方自体は嫌いではない。以前、コブラのワンレングスモデルを試したとき、実質的に長尺化されたショートアイアンの伸びる高弾道には感動した。弾道の頂点が上がり、少し飛距離が伸びて、よく止まった。

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ゴルフはターゲットゲームだから、本来ドライバーに求めるのは方向性のアップであり、現在では、極論すればフェースコントロールのしやすさだけで選べるようになっていると思う。

アイアンに進化を感じにくいのは、フェースコントロールがそれほど難しくないから違いを感じられないため、とも思っている。"狙い打つ"という観点で、これから最も進化するのはユーティリティだろう。長い距離を運びやすい機能から、狙って止められる機能へ。5、6番モデルも増えているが、もっと止まる3、4番の開発が進むと面白い。「185ヤード池越え、でもピンデッド」が売り文句となるクラブに登場してほしい。

戸川景(とがわ・ひかる)

1965年3月12日生まれ。ゴルフ用具メーカー、ゴルフ誌編集部を経て(株)オオタタキ設立。現在、ライターとしてゴルフのテーマ全般を手掛けている。


重箱の隅、つつかせていただきます

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