ゴルフ場の自動精算機、あなたは好き?嫌い?採用しているコースに事情を聞いて考えたこと
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第97回
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。
写真提供/篠原嗣典
自動精算機が好きな人、嫌いな人、ゴルフに直接関係ないからこそ恐惶謹言!
40代の男性ゴルファーが言いました。
「自動精算機で朝チェックインしてて、帰りも清算できるコースのほうがスコアが良いような気がするんですよ」
聞いたことがない話だったので興味を持ってよくよく聞いてみると…知らない人に対面で対応してもらうのは少し緊張したり、相手が不機嫌だったりすると嫌な気持ちが伝染するというのです。それがゴルフに影響してスコアに出る、というわけです。
彼はバリバリの営業マン。意外な一面を持っているのだと感心しながら、自動精算機が好きだという人は実はたくさんいるのかもしれない、と思ったのです。
自動精算機を扱っている会社に取材しました
2023年の時点で正確な数字は不明ですが、業界の感覚としては日本のコースの25%ぐらいが自動精算機を採用しているそうです。
「あれ、嫌だよね。フロントも同時に使えるところだと、100%フロントでの対人の清算を選ぶよ」というゴルフ仲間が、僕の周囲では圧倒的多数でした。ちなみに、僕もほぼ同じ意見です。
「時間がかかるんだよ。よくわからないから慎重になって、余計に遅くなる。後ろに人が待っていると焦るから、失敗して最初に戻ったりするんだよね」
自動精算機への評価は、サービスの低下だと考える人が多いような気になっていましたが、4分の1のコースで採用されている現実や、使い慣れれば対人よりも早く清算できる利便性を考えると、自動精算機を歓迎するほうが多数派になっていくのかもしれません。
ゴルフコースがブラック企業にならないためには、不可欠なもの?
自動精算機を採用しているコースにも色々と聞いてみました。
ちょっとビックリしたのは、話を聞いた4つのコースは全て違う系列のコースでしたが、全コースがフロントでのサービスを希望する客には対応しているということでした。100%自動精算機というわけではないのです。
自動精算機を採用した最大の理由は、同じでした。従業員の負担を減らすためだそうです。朝6時半に出社して7時からフロントに立っている社員を14時半に帰宅させるために、清算のフロント業務を機械化することは時代の要求とのことでした。早番と遅番のシフトで対応していたコースは、人員を半分は無理でも、3分の1は減らすことができるという点も経営的には魅力だったそうです。ただ、一人の人件費よりも機械のリース代のほうが安いと聞くと、ちょっと寂しい気持ちになりました。
「今はね、どこもブラック企業って言われないように必死なんだよ」話を聞いたコースの中で、自動精算機をフル活用しているコースのオーナーが言っていました。
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