「試打した時は、良かったのに」コースで結果が出ないのは“奏でるハーモニー”が崩れてる?クラブ選びを失敗させないための注意ポイント
ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第131回
練習場で催されるショップやメーカー主催の「試打会」。新製品が出揃ってくる時期は、練習場で試打会が開催されることも増えてきますよね。いろいろなクラブを試せて有意義なものですが、実は試打会には気を付けるべき点もあるのです。それは一体…!?ゴルフライターのT島氏が大蔵ゴルフスタジオの金子フィッターに切り込みます。
試打会・試打即売会って、打って選べるメリットが魅力ですが…
T島 先日、取材でずっと練習場にいたんですけど、試打会やってて観察してました。
金子 僕も大手量販店の頃は、試打会のスタッフとして練習場によく行きました。
T島 私も中古ショップにいた時は、試打即売会よくやってました。でもアレ危険だなと思ったんですよ。
金子 売って試すことができるので、納得していただけるというメリットがあります。
T島 そうだね!いろいろ試してその中の1本なわけですから。間違いない!あとは予算と相談。最終日とか試打クラブ持って帰るの大変だから値引きしたりするし。
金子 バーゲンプライスになったりするんですね。
T島 そうそう。すごく売ったんですよ。でもなにか悩んでいる1本だけなんだよね!売れるのは。
金子 あっ、今回のテーマがなんとなく見えてきました。
T島 欲しかったクラブが安くなってる!打って良かったから買う!ハッピーに感じるかもしれないけど。でもクラブって練習場で使うものじゃないよね?
金子 そうですね、コースで結果が出ないと意味がない。
試打して納得したのにどうして結果が出ない?
T島 かといって、試打を否定しているわけじゃないです。注意するポイントがあります。
金子 ありますね。今フィッティングスタジオでフィッターという仕事をしているということで見えることがあります。
T島 でしょ?だって14本の収まりというか、奏でるハーモニーというか、それが大切なポイントなわけです。
金子 1本だけ音程が合わないとそのクラブの性能を活かせない!
T島 そうなんです。例えば…フェアウェイウッドだけ色々打ってみる!これは打てる!最高じゃん!と思うわけです!でもコースではフェアウェイウッドばかりバカバカ打つ機会なんてないよね?
金子 1Wやパターは14本の中でも、比較的ハーモニーを崩す要素が少ないです。厳密に言うとチェックポイントはしっかりありますけどね。
T島 そうだね。特別なものが入ってもなんとかなる要素がある。
金子 そうですね。ドライバーセット、パターセットという複数本入れるクラブじゃないのです。アイアンセットは皆さん同じモデル・同じヘッドと統一感がある人がほとんどで、違うモデルが混ざらない。でも…
T島 フェアウェイウッドやユーティリティ、ウェッジもですけど、統一感がない場合が非常に目立つ。
金子 セットという意識がとっても薄いんです。色んなメーカー、モデルが入ってると当然装着されているシャフトが違うんです。同じメーカー、同じモデルでも年式がちがうと、シャフトが変わっちゃいます。
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金子 ゼクシオもモデルが変わればシャフトの重さや特性は全く同じではないです。たまに大きく変わる年度があったりします。
T島 これはなんとかなることが多いんだけど、グリップ重量をガラリと変えたりすることもあります。
金子 ありますね。そういう時に“あれ?これだけ打てないよ”という1本が出ちゃいますね。フィッティングの際に皆さん同じように言われるんです。“試打したらとっても良かったんですよ”って。
T島 読者の方もそろろろお気づきかもしれませんね。セットと思っていないので“1本だけ“買い替えちゃうと、ハーモニーにならず不協和音が生まれます。
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