ボールを真っすぐ打つ練習は「上りのちょいスラ」で。パットは“持ち球”と同じイメージで打つといい
あなたもパター巧者になれる!藤田寛之が教えるグリーンの読み方&打ち方 最終回
ツアー屈指のパター巧者である藤田寛之には長年の競技生活で編み出した独自の流儀がある。それを参考にワンランク上のゴルフを目指そう。
GOLF TODAY本誌 No.622/116~119ページより
取材・構成・文/小山俊正 撮影/相田克己 取材協力/葛城ゴルフ倶楽部
藤田直伝! パットの流儀
ショットもパットも同じ感覚で打つ
ボールを真っすぐ打つ練習は、ストレートのラインで行うのが一般的ですが、私の場合はストレートに近いスライスライン、俗に言う「ちょいスラ」の上りで練習します。その理由は、私がフェードヒッターであり、ショットもパットも同じ感覚で打ちたいからです。
ドライバーショットはフェアウェイの左サイドを狙い、ボールをやや右に曲げながらセンターに運ぶ。それと同じように、パットはカップの左端内側を狙い、やや左サイドか真ん中からボールを沈める。カップの左端内側に向けてボールをきっちり打ち出せるかがポイントです。
カップの右側に外すのは私にとって一番悪いミスで、フェースが開いたりしてボールがつかまっていない証。左側に外すと、ボールがつかまり過ぎていることがわかります。平らではなく「上り」の傾斜で練習するのは、インパクトを緩めずにボールを強くヒットするためです。
もう一つのポイントは、練習でも本番でもボールの30~50センチくらい先にスパット(目印)を設定し、そこにボールを真っすぐ打ち出します。どのくらいのスピードで打ち出すかをイメージし、それを表現する。自分自身ができることはこれだけで、スパットから先のボールのコロがりはコントロールできません。だからこそ、スパットの設定が重要なのです。
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経験を積み重ねると読む感覚が養われてラインが見えてくる
グリーンを読むという作業は「学習」であり、知識を得て経験を積み重ねることで記憶の中に蓄積され、感覚が養われます。するとパットのラインが見えてくるので、「読むクセをつける」ことが大事。傾斜がわからないからといって諦めるのではなく、成長するチャンスと考えてトライ&エラーをくり返しましょう。
それには、グリーンの外側から全体の大きな傾斜をつかむことが第一です。遠くからグリーンを広く大きく見たほうが、形状や傾斜がよくわかります。そしてグリーンに近づいたら、カップとボールのどちらが高い位置にあるかを見て、おおまかなラインを予測。こうすると距離感が合いやすくなります。
また、ボール位置とカップ周りでは傾斜の度合いが変わったり、傾斜が反対(スネークライン)になっていることもあるので、カップ周りも入念に観察しましょう。
傾斜の下側に立ってラインを見る
Get in!攻略ポイント4|うまくなる極意。パットの本質を追求し見誤らないことが重要
パットはとらえ方次第で簡単になったり難しくなったりする
ゴルフの中でもとりわけパットは特別で、体の使い方も道具も違います。打ち方は一つでシンプル。それゆえ、簡単と思える人にとってはとても簡単で悩まずに上達できる一方、難しいと思う人にとってはとことん難しく、イップスになるほど悩み続けてしまう。つまり、パットはとらえ方次第で簡単にも難しくもなるのです。
ポイントは、パットの本質が見えているかどうか。本質とは「狙ったところにボールを真っすぐ打つ」ことであり、それを最優先に追求していくことがとても重要です。これを見誤ると、複雑に考え過ぎたり迷路にハマったりするので注意しましょう。
そのために私は、パターマットでの練習を長年続けています。ひたすらボールを打ち続けると、思考も打ち方もシンプルになる。新たな領域にたどり着き、ステージがワンランクもツーランクも上がるはずです。
入れごろ外しごろの距離を攻略
藤田寛之
ふじた・ひろゆき(葛城GC)
1969年6月16日生まれ。168センチ、70キロ。福岡県出身。レギュラーツアー18勝、シニアツアー3勝。2012年は年間4勝を挙げ、43歳にして初の賞金王に輝いた。23年シーズンは日本シニアオープンのビッグタイトルを獲得。得意クラブはパター。
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