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ゴルフ場に令和のドレスコードが発令? 知らなかったでは済まされない!?

ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第104回

2024/04/01 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。

バギー? ジョガー? ジャージ? ポンチ? 新時代は複雑?

アドレス

「バギーパンツは持っていないのですか?」
オシャレな女性から、僕の試打動画を見た感想として、質問されました。
「バギーパンツ?」
知りませんでしたので、逆に質問をしました。

バギーパンツは、ダボッとした極端に太いシルエットのズボンのことだと知りました。1920年代にイギリスの若者が流行させたオックスフォードバッグスが原型なのだそうです。
「今、また流行ってきているし、昭和のオジさんがさり気なく履いていたら、ちょっとカッコイイと思いますよ」

アドバイスを素直に受け入れて、早速、購入しました。スラックスタイプで、ゴルフのドレスコードでも問題ないものがありましたし、2000年頃、米ツアーで、タイガーやデュバルが好んで履いていたものと同じで、当時は、僕も履いていたからです。

ドレスコードについての質問を受けるたびに、勉強になると感心します。新しいものが、次々と出てくるからです。

「ジョガーパンツは大丈夫でしょうか?」
ジョギングをする人たちのファッションが元になった裾が絞られたズボンがジョガーパンツです。
素材次第だと回答します。ジャージ素材は、ドレスコードが厳しいゴルフコースではNGです。

「運動するのに、どうしてジャージはダメなんですか?」
社交場としての機能も求められるゴルフコースでは、汗臭さを想起させるジャージは相手に不快を与えてしまう可能性があるから、ジャージ素材はNGにしているゴルフコースがあるのです。

「ジャージ素材がダメなら、ポンチ素材のポロシャツもダメなのでしょうか?」
ポンチ素材というのは両面機と呼ばれる機械で編まれたダブルジャージーの生地のことです。それから発展して、二重になっている生地もポンチ素材と呼ばれます。
これについては、裏地が冷感素材になっているポンチのポロシャツは、厳しいドレスコードのゴルフコースでも使用できるので、ポロシャツとして成立していればOKだと話します。

せっかくのゴルフだから、オシャレなウェアで楽しみたいという気持ちは老若男女共通かもしれません。ドレスコードに注意しながら、楽しむのが正解です。

ドレスコードって、誰が決めているの?

ゴルフ関連の団体は、ドレスコードはゴルフコースや団体が決める参加資格の一つであり、公式な規則と連動はしないという対応を世界中でしています。
とはいえ、暗黙の了解も存在します。

欧米では、イギリスの皇室関係者が着用してゴルフ行事に参加することで、ゴルフコードは更新されるのです。
直近では(といっても100年近く前)、労働者の防寒着として広まったセーターは、労働を想起させるからドレスコード的にはNGになっていましたが、ゴルフシーンでも着て良い、となったのは、公室メンバーがセーターを着て外交ゴルフに参加したことがきっかけになったのです。

遠く離れた島国の日本では、洋服の文化が奇妙に捻れて伝わったこともあって、その辺りのリスペクトの不文律は伝わっていません。

ドレスコードを決めているのは、権威あるゴルフコースの理事や役員として選出されたオールドゴルファーです。
ざっくばらんに書きますが、特に知識もないのに、雰囲気と古い常識で決定するドレスコードは、男性と同じものを女性にも強いるという欧米のゴルフ関係者がビックリするものが、長年、更新もされずに維持されています。

当人たちに、個別に意見をしたことがありますが、歴代の先輩が決めたものを覆すのは、正しいとか、間違っているという基準ではなく、さらに、古いから新しくしようという概念は存在しない、という回答でした。責任を負いたくないという無責任が、伝統を維持するのではなく、壊すことになる未来が、近々訪れるのではないか、と期待しています。
悪法でも法であれば従うのが正義です。僕は奇妙なドレスコードを強いるコースには足を踏み入れないことで抗議をしています。

ファストファッションでも十分にオシャレは出来る

ゴルフ

日本のゴルフ用品の歴史で、令和になって、過去最大に売れていると豪語する分野があります。
一部のゴルフアパレルメーカーです。大量に展開する大メーカーではなく、ピンポイントに限定的に展開していく販売をしている小さなブランドが完売御礼を連発しているというのです。
ゴルフウェアを作っていなかったスポーツブンランドが、次々にゴルフウェアに参入する背景は、そのような成功事例があるからなのです。

女性ゴルファーの数は、バブル期の最大だった人口を超えているというデータがあります。
ゴルフコース関係者は、数年前から、それを実感していたようで、女性の施設を改装するコースが増加していました。
先程のゴルフアパレルでも、主役は女性ゴルファーのようです。オシャレをすることで、ゴルフの楽しさは何倍にもなるという事実を彼女たちが証明しているのです。

さて、男性ゴルファーはというと、オシャレよりも、先にやることがあるだろう、という意見が、昭和の頃のままで過半数を占めるそうです。
それでもオシャレを楽しむ男性ゴルファーは増えているように感じます。奇をてらうことなく、オシャレを楽しむのは良いことです。

オシャレなゴルファーに会うと、僕は恥も外聞もなく、アドバイスを求めることにしています。オシャレは自らのためではなく、他者のためにあると考えているからです。
異口同音に言われるのが「清潔感」です。おじさんゴルファーにとって、何よりも大切なのは、清潔感なのだと教えてもらっています。

僕はひと昔前から、ゴルフウェアは全てファストファッションのブランドです。(防寒のためのウェアは、一部、ゴルフメーカーのものもある)

清潔感を意識しながら、カラーやシルエットを選ぶことが十分に可能です。
好きなカラーのウェアでゴルフをするのは、ウキウキします。季節によって、カラーは変化もします。僕なりのオシャレの楽しみ方です。

オシャレなゴルファーたちのアドバイスの中に、もう一つ、面白い共通点があります。
若作りを無理にしない、ということです。自分の世代を無視したウェアで決めても、中身は変わらないから奇妙な着せ替え人形になって滑稽だ、という話は怖い例として教訓にしています。

冒頭のバギーパンツは、某ファストファッションブランドで数千円でした。それで昔を懐かしみ、楽しくゴルフが出来れば、まさにプライスレスです。ワクワクしながら、デビューさせる日を待つのもゴルフの内なのです。

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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