「体が硬くて胸が回らない」はカン違い。手でクラブを上げるから回らないんです! 【勝又優美・アマチュアの悩み解決】
JLPGAティーチングプロ・勝又優美が解決してきた「生徒さんから相談が多いゴルフの悩み」Case.12
やさしくてわかりやすい指導で安定した人気を誇る勝又優美プロが、これまでに多く相談されてきたアマチュアのお悩みを披露。その原因と解決策を教えるシリーズ。今回からは体が硬いと思い込んでいる人、および本当に体が硬い人によくあるお悩みを紹介し、その解決策を探る。心あたりがある人はもちろん、あまりない人にも参考になる内容なのでチェックしていただきたい。
写真/相田克己
バックスイングを手で上げると悪い動きのオンパレードになる
今回はアベレージスコア90台、46歳でゴルフ歴19年のOさんの例を紹介させていただきます。お悩みはドライバー、アイアンを問わずボールがつかまらないスライスで、つかまえに行くとヒッカケる。アマチュアの方にはよくある症状を抱えていらっしゃいました。
スイングを拝見すると、バックスイングの早い段階からクラブがインサイドに入っていきます。そしてトップに向かうときは手でクラブを上げていく。トップではヘッドが垂れてシャフトがクロス。切り返しからダウンスイングではクラブが寝て下りてくるため、そのまま当たるとフェースが開いてスライス、ボールをつかまえようと手首を返すとヒッカケが出ていました。
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バックスイングの早い段階からクラブがインサイドに入って
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トップではヘッドが垂れてシャフトがクロス
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ダウンスイングではクラブが寝て下りてくる
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そのまま当たるとフェースが開いてスライス、ボールをつかまえようと手首を返すとヒッカケ
Oさんの修正ポイントは2つ。1つめはバックスイングで胸が回っていないところでした。そのことをダイレクトにお伝えすると「体が硬いから回らないんです」というお答えだったのですが、実はこれが大きなカン違い。読者の方の中にもOさんと同じように考えている方がおられると思いますが、胸が回らないのは手でクラブを上げているからで、ほとんどの場合、体が硬いからではありません。
“ペットボトルドリル”をやれば誰でも胸が回るようになる
これを直すにはスイングの始動を変えること。Oさんはテークバックでクラブを手でインサイドに引き上げていたので、手先を動かさずヘッドを真っすぐ引くようにして頂きました。同時にこのテークバックを習慣化していただくために“ペットボトルドリル”をおすすめしました。アドレス時に中身の入ったペットボトルをクラブヘッドの右側に置き、ボトルを右に押しながらテークバックするドリルです。写真では500ミリリットルのペットボトルですが、重いほどいいのでOさんには2リットルでお願いしました。勢いをつけてテークバックしてもOKです。バックヘッドでボトルを押すと「体が硬い」はずだったOさんも普通に胸が回りました。
2つめのポイントはアドレス。実際にはポイント1と同時にやっていただきましたが、ツマ先体重だったアドレスを真ん中体重にしていただきました。これについては構える前に、ツマ先側、カカト側、と順番に体重を乗せて動き、最終的に真ん中に落ち着かせる方法がおすすめ。終始ツマ先体重だとスイング中にバランスが崩れるので安定させるのが目的です。重心位置が安定したことで頭ケがなりました。
勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。
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