スナップ動作を促す左サイドのリードと張り
グリップエンドをグッと引きつける
サイドスローのイメージで右サイドを動かすだけでは、上手くパワーがヘッドに伝わらない。左サイドでグリップエンドを引き込むたぐり動作でヘッドがしっかり走るようになる。
たぐり動作は左サイドの〝張り〟を意識
野球のサイドスローのイメージを、スイングの基本に置いたホーガン。だが、ゴルフではクラブヘッドが手元より離れているため、振り遅れる動きにもなりやすい。
「そのため、スナップ動作を重視すべきですが、これを右手の力主体で行おうとすると、力みやコネる悪い動きを誘発します。だから、左サイドでのたぐり動作で支援するのです」と森プロ。
還暦を過ぎてもシニアツアーで活躍を続けるベルンハルト・ランガーのスイングは、たぐり動作のメリハリがとても明確だという。
「相変わらず精度の高いアイアンショットを駆使していますが、動きはシンプル。ダウンでは右ヒジのタックインと右足の内側への踏み込みでサイドスローの動きを促し、インパクトに向けて左サイドに瞬間的に〝張り感〟を持たせることでグリップエンドを上手くたぐり込み、ヘッドをレベル軌道で走らせています」
ヘッドを振り抜く方向のイメージを持つ
左腕のローリングで低く引きつけたホーガン
故障を避けるヒント
左のヒジとヒザの脱力で振り抜く
ヘッドの慣性=勢いを緩やかに収束させる
左腕を短く使ってクラブの動きに従う
大フォローより円軌道のほうが身体にやさしい
「張りのあるインパクトを求めると、そのまま両腕と肩の三角形をキープするイメージで大きく振り抜くプロもいますが、身体の負担を考えるとあまりオススメではありません」
フォローで頑張っても、打球には影響がない。力むだけ無駄に消耗したり、故障の原因になるだけ、と森プロ。
「ホーガン、ランガーもそうですが、フレッド・カプルスなどもシニアで飛ばし屋を続けていられるのは、左サイド、左腕の脱力が上手いからです。
ヘッドを走らせる秘訣であるスナップ動作は、左手の緩急、メリハリが効くほど効率よく機能します。ランガーの場合、若い頃はまだフォローで硬さ感がありましたが、シニア以降どんどん無駄が削ぎ落されている印象です。フォローではクラブの動きに従うだけ、フィニッシュは惰性で行けるだけ。この脱力は学ぶべきです」
Ben Hogan
ベン・ホーガン(1912~1997)
アメリカ・テキサス州出身。身長173cm、体重68kg。ツアー通算64勝。メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。
ベン・ホーガン(1912~1997)を手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。
ホーガンアナリスト 森 守洋




