ネームタグ、ちゃんと付けてる? フルネームでもローマ字だけじゃ、困らせちゃうよ
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第107回
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。
キャディバッグのネームタグ、ネームプレートは大丈夫?
「ご来場のお客様をお呼び出しいたします。○○様、至急、キャディマスター室までお願いいたします」
このような館内放送が流れることがあります。呼び出された人は、軽くパニックになりつつ、慌てて呼ばれた所に急ぐわけです。
「お客様のキャディバッグは、どれでしょうか?」
現場では、ネームタグがなくて、バッグの積み込みができないトラブルが発生しているのです。
ネームタグのベルトが切れて紛失してしまったということもありますが、初心者や復活ゴルファーの中には、準備をしていなかったというケースもあるようです。いずれにしても、ネームタグがなく、持ち主がわからないキャディバッグは、ゴルフコースにとって朝の業務を妨害する厄介者なのです。
初心者や復活ゴルファーには、必ず聞くようにしています。
「キャディバッグのネームタグは、大丈夫ですか?」
「ネームタグとネームプレートって、何が違うの?」
と聞かれることがあります。
20世紀末までは、ネームプレートと呼ぶのが一般的でしたが、最近は、ネームタグと呼ぶことが多くなっています。両者は同じもので、違いはありません。(以後、ネームタグで統一)
昭和の頃は、キャディバッグを購入すればショップが氏名を刻印したネームタグをサービスするのが当たり前でした。ネットのショップでキャディバッグを購入する際に、『※ネームタグの名入れは致しません』と注意書きがあるのは、昔の慣習のままだと信じている人とトラブルになるのを防ぐためです。
令和の時代は、ネームタグはオマケではなく、自分で準備するアイテムになりました。
ネームタグはゴルファーの履歴書で情報が満載だという自覚を持とう!
呼び出しがあったあとに、ゴルフコースがつけた手書きで氏名が書かれた臨時の紙製タグをそのまま使っている人もいます。保守的なゴルファーほど、それを見たら、この人はちょっと…… と警戒をします。
昭和のゴルフシーンでは、事あるごとにネームタグを作って配るという慣習がありました。ゴルフ歴と同じ枚数の名前が彫られたネームタグを持っているのは普通だったのです。
その当時、メンバーコースのメンバーになるステイタスは、現在より何倍も高かったので、メンバー用に配布されるコースロゴのネームタグを自慢するように使用していましたし、ジャラジャラと複数のメンバーコースのタグをつけて気分良くなっている人も少なからずいましたが、複数の恋人がいることを自慢するようで下品で趣味が悪いと、個人的には軽蔑していました。
競技ゴルファーは、ネームタグ1枚で自分の実力を示しました。
日本オープン、日本アマのタグは、参加した年ごとに予選通過者には特別なネームタグが贈られるので憧れでした。今でも、数十年前のネームタグをしている競技ゴルファーがいます。
昭和の頃は、多くの試合で、予選でもネームタグが参加賞で配られたので、競技ゴルファーは出た試合の数と上まで進んだ分の枚数をプラスして保有するわけですが、最も大事にしている1枚を使用するのがカッコイイとされていたのです。
最近では、メンバーコースよりも、サークルや団体のネームタグのほうが価値があるのかもしれません。その中の一人という繋がりとプライドを感じられるアイテムになるからです。
今も昔も、ネームタグは、自分をアピールするものとして良くも悪くも機能しているのです。
ゴルフを楽しむアイテムとしてネームタグを使うのが正解!
最近は、自分のお気に入りのキーホルダーに、お名前シールを貼って、ネームタグにしているケースや、金属製や樹脂製ではなく、透明のソフトビニールのケースに推しのグループの会員証を入れてネームタグにしているケースもあると耳にしました。
自分のキャディバッグだと判別できるようにするのがネームタグですので、合格ですし、実に面白い時代になったと感心しました。
「バッグに名前が刺繍してあるのに、ネームタグがないって、呼び出しされてさ」
と怒っている人がいました。
よく聞くと、ローマ字で刺繍したのは、イニシャル+姓だったのです。
ローマ字の場合は、フルネームの氏名にすべきです。一目で読めて、所有者が明確になるらないと意味がないからです。
気が利いているゴルファーは、こういう場合には、ローマ字と漢字で氏名を並べて入れています。
ゴルフらしいアイテムとして、昔ながらの金属製か、樹脂製で、氏名の彫りにインクが入っている形式のネームタグを推しています。時代が流れても、消えずに残るものがあるのは、素敵なことです。ネームタグは、そういうゴルファーとしての姿勢や思想までアピールすることがあるのです。
ネームタグは自分を証明することを楽しめるアイテムです。無駄にしないようにしたいものです。
さて、改めて聞きます。あなたのネームタグは大丈夫ですか?
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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