セルフプレーの時代なのにキャディバッグってどういうこと?
まだカメラがなかった18世紀や19世紀にもゴルフはプレーされていました。現在のような試合はありませんでしたが、歴史として語り継がれている対戦はたくさんありました。それらは絵画として残されています。その絵画を見ると、当時のゴルフ事情がわかって、面白いのです。その1つが、有名な選手の近くにいるキャディは、剥き出しのクラブを数本、脇に抱えていることです。つまり、当時はトップ選手でもキャディバッグを使う慣習がなかったのです。
歴史を調べてみると、当時からキャディバッグは存在していました。それは一部の貴族がゴルフする際に、ひ弱なキャディがクラブを持って歩くのが大変だろうということで、補助するアイテムとしてのバッグだったのです。トップ選手でも7本ぐらいのクラブでプレーしていましたから、体力があるキャディにはバッグは不要だったのです。
20世紀になってアメリカのトッププレーヤーが多くのクラブを使うようになり、持ち歩くのが困難になったためにキャディバッグを使うことが一般的になるのです。アメリカがキャディバッグを広めたことを証明するように、現在でもアメリカにはバッグだけを扱う専用のメーカーが複数あります。
更に時は流れて、2024年。「セルフプレーしかしないのに、キャディバッグって呼び方、何だか変だよね」という疑問の声が聞こえるような時代になっています。
絶対にNGなキャディバッグがあることを知っていますか?
キャディバッグという名称は実態と合っていないので変更しようという動きは、有名なメーカーを先頭にして存在しています。カートに乗せて使うから「カートバッグ」に、というのが有名ですが、まだまだ浸透していないのでキャディバッグと呼ばれるのが一般的です。初心者がさり気なく「ゴルフバッグ」と表現することもよく耳にします。カートバックよりも、ゴルフバッグが自然なのかもしれません。
呼び方は別として、キャディバッグなんて何でも良いじゃないか、という乱暴な意見がありますが、本当でしょうか?プレーに直接関係ないからスコアにも影響しない、オマケ的なアイテムだというわけです。適当に選んでいる人が多いからこそ、さり気なく使い手の人間性が滲み出るのがキャディバッグで、油断すると恥ずかしいことになるのがキャディバッグだと僕は考えています。
まず大事なことは、物理的にNGで、使っている人はすぐにやめないと人格を疑われるキャディバッグがあるということです。キャディバッグは消耗品で、使っていると徐々に痛んで寿命が来るのです。壊れたら交換と考えてるのは危険です。素材が痛んだら交換、つまり寿命だというのが鉄則なのです。
キャディバッグの素材は合成皮革が主流です。これは柔らかい素材に表面の素材を貼り付けて作られていますが、どうしても時間の経過で剥がれ始めます。剥がれた部分は粒状のゴミになり、痛んだところから接着材が滲み出てベトベトするようになります。
こういう傷んだキャディバッグは、隣のキャディバッグにベトベトした汚れをつけてしまうのです。この汚れはなかなか取れないのです。自分のバッグを大事にしている人は、それだけでバッグを交換するという被害もあります。
ベトベトのキャディバッグを使い続けているのはNGです。痛み始めたらキャディバッグは、即交換しましょう。大切に使ったとしても、安いバッグなら5年程度、高額なバッグでも10年程度でベトベトし始めるので注意が必要です。
自分らしいキャディバッグがゴルフを楽しくしてくれる!
キャディバッグのことでよく聞かれるのが、スタンドがついたバッグが若くてオシャレなのか?という質問です。スタンドバッグは、担ぎでゴルフをする際に便利だから足があるのです。担いでゴルフをしないのであれば、丘サーファー(本当はサーフィンをしないのにボードだけ持っている人のこと)みたいだと思います、と回答しています。
電車でゴルフに行くのに便利だから、という意見もありますが、色々な機能は使えてこそ活かされますので、よく考えて決断するしかありません。
<ロマン派ゴルフ作家がキャディバッグでこだわること>
● 白ベースであること
● 悪目立ちしないこと
● 収納がしっかりしていること
● 使いやすそうなこと
キャディバッグは、クラブを運ぶだけのアイテムではなく、必要なものを携帯できるアイテムでもあるのです。空のままのポケットがあるなんて信じられません。無意識にキャディバッグは、自分の考え方やゴルフへの姿勢を発信するアイテムです。何でも良いと思っている人ほど、実は派手なものや目立つものは嫌う傾向があり、平均的で大人しいものを選んでいるものです。
パッと見た目で高額かチープか、というのもわかってしまうのもキャディバッグの特徴ですから、コスト意識も露呈します。汚いままで使用しているのも目立ちますし、古くてボロボロなのも明確です。
バッグ置き場でもキャディバッグは主張し続けているのです。たまには、キャディバッグのことを見直してみましょう。気分転換に交換するのもアリです。ゴルフにおいてそれはプラスになっても、マイナスにはならないことは保証します。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。




