キャディバッグの寿命は何年? ベトベトやボロボロ剥がれ…壊れたら交換と考えてるのは危険!
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第101回
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。
写真提供/篠原嗣典
セルフプレーの時代なのにキャディバッグってどういうこと?
まだカメラがなかった18世紀や19世紀にもゴルフはプレーされていました。現在のような試合はありませんでしたが、歴史として語り継がれている対戦はたくさんありました。それらは絵画として残されています。その絵画を見ると、当時のゴルフ事情がわかって、面白いのです。その1つが、有名な選手の近くにいるキャディは、剥き出しのクラブを数本、脇に抱えていることです。つまり、当時はトップ選手でもキャディバッグを使う慣習がなかったのです。
歴史を調べてみると、当時からキャディバッグは存在していました。それは一部の貴族がゴルフする際に、ひ弱なキャディがクラブを持って歩くのが大変だろうということで、補助するアイテムとしてのバッグだったのです。トップ選手でも7本ぐらいのクラブでプレーしていましたから、体力があるキャディにはバッグは不要だったのです。
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20世紀になってアメリカのトッププレーヤーが多くのクラブを使うようになり、持ち歩くのが困難になったためにキャディバッグを使うことが一般的になるのです。アメリカがキャディバッグを広めたことを証明するように、現在でもアメリカにはバッグだけを扱う専用のメーカーが複数あります。
更に時は流れて、2024年。「セルフプレーしかしないのに、キャディバッグって呼び方、何だか変だよね」という疑問の声が聞こえるような時代になっています。
絶対にNGなキャディバッグがあることを知っていますか?
キャディバッグという名称は実態と合っていないので変更しようという動きは、有名なメーカーを先頭にして存在しています。カートに乗せて使うから「カートバッグ」に、というのが有名ですが、まだまだ浸透していないのでキャディバッグと呼ばれるのが一般的です。初心者がさり気なく「ゴルフバッグ」と表現することもよく耳にします。カートバックよりも、ゴルフバッグが自然なのかもしれません。
呼び方は別として、キャディバッグなんて何でも良いじゃないか、という乱暴な意見がありますが、本当でしょうか?プレーに直接関係ないからスコアにも影響しない、オマケ的なアイテムだというわけです。適当に選んでいる人が多いからこそ、さり気なく使い手の人間性が滲み出るのがキャディバッグで、油断すると恥ずかしいことになるのがキャディバッグだと僕は考えています。
まず大事なことは、物理的にNGで、使っている人はすぐにやめないと人格を疑われるキャディバッグがあるということです。キャディバッグは消耗品で、使っていると徐々に痛んで寿命が来るのです。壊れたら交換と考えてるのは危険です。素材が痛んだら交換、つまり寿命だというのが鉄則なのです。
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キャディバッグの素材は合成皮革が主流です。これは柔らかい素材に表面の素材を貼り付けて作られていますが、どうしても時間の経過で剥がれ始めます。剥がれた部分は粒状のゴミになり、痛んだところから接着材が滲み出てベトベトするようになります。
こういう傷んだキャディバッグは、隣のキャディバッグにベトベトした汚れをつけてしまうのです。この汚れはなかなか取れないのです。自分のバッグを大事にしている人は、それだけでバッグを交換するという被害もあります。
ベトベトのキャディバッグを使い続けているのはNGです。痛み始めたらキャディバッグは、即交換しましょう。大切に使ったとしても、安いバッグなら5年程度、高額なバッグでも10年程度でベトベトし始めるので注意が必要です。
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