マスターズ出場選手の9割が『コンボ』だった!これが世界のトレンド?
鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第17回
世界の4大メジャー「マスターズ」(4/11~14開催)を初めて生で観戦したというカリスマフィッターの鹿又さん。世界最高峰のフィールドに出場した名手たちのクラブを見て感じたこと、そして、ボクらアマチュアに落とし込めることを教えてくれた。
写真/ゴルフサプリ編集部
複数のモデルを組み合わせたコンボ型がトレンドに
今年の「マスターズ」の会場(オーガスタナショナルGC)へ行って出場選手たち、つまりPGAツアーやDPワールドツアー(欧州ツアー)など、海外のツアーで戦っているプレーヤーのアイアンをウォッチしてきました。すると全体のうち9割くらいの選手が、アイアンをコンボ式にしていたんです。読者の皆さんも「そこまでか!」という印象じゃないでしょうか。
最も特異な例を挙げると(選手名は伏せる)、3Iと4Iは異なるモデルの中空系アイアン、5Iはキャビティ、6Iから下の番手はマッスルバックという、複雑なコンボセットがありました。大きい番手ほど、ヘッドが大きくてやさしくなっているということ。総体的にロングアイアンを、中空のUTではなく中空のアイアンにしているケースが多かったです。
彼らのような世界のトッププレーヤーにしてみれば、ベースとなるクラブがマッスルバック系なので、それに対してやさしくてかつ同じような弾道が打てるアイアン、というイメージでセットしているのでしょう。
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同じモデルでそろえればOK、というわけではない
このコンボ式の考え方をアマチュアに当てはめてみます。例えば、ミドルアイアンから下の番手はキャビティを使っている人だったら、ロングアイアンはポケットキャビティにしたほうが、重心が低く深くなって球が上がりやすくなり、セットの流れが良くなるでしょう。そうではなく、小さい番手ですでにポケットキャビティを使ってる人ならば、ミドルアイアンから上の番手はもっと球が上がりやすいヘッドにしたほうがいい。ということは、そこの番手がUTになってくるでしょう。
「セットは同じモデルでそろえて使わなきゃいけない」という決め事のようなものを取り払って、セットをカスタマイズしていく時代になっているのではないか。世界の名手たちがコンボ式セットで戦っている現場を目にして、そう感じました。
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タイプ違いのポケットキャビティをセットするのもアリ
私自身のセットを例に挙げると、7I~PWは軟鉄のポケットキャビティを使ってます。ボクは寛容性が高いポケキャビが好きなので。そして5Iと6Iは、ヘッドサイズがちょっと大きくて、ステンレスにチタンフェースを入れたポケットキャビティを使ってます。同じポケットキャビティでも、素材違いのコンボということですね。
5番と6番をアイアンにしている理由は、ボクにとってはUTよりもアドレスしたときにアライメントが取りやすいから。と同時に、5Iと6Iの距離を打つときに、そこまで高い球を望んでいません。「ちょっとランが出てもOK」と思ってるから、そういうセットにしているんです。それがもしも「高い球が欲しい」と思ったらUTにするということ。アライメントを優先するか(アイアン)、球の高さを優先するか(UT)。ボクの場合は、それによってアイアンとUTを入れ替えたりしています。
アマチュアの皆さんも、ロフトが30度くらいから上の番手は「今のままで本当に打てているか」を検証してみてはいかがでしょうか。
鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。
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