5番アイアンは必要か?難しい理由や代わりにユーティリティを入れるべきか
この記事では5番アイアンの必要性についてお話しします。以前のアイアンセットは3番からでしたが、今のアイアンセットは6番からというのがもっともスタンダード。そのため、セットに含まれない5番アイアンを持っていない人も多いはず。
別売の5番アイアンを買ったほうがよいのか、それとも不要なのか…。迷っている人は、この記事を参考にしてください。
5番アイアンとはどんなクラブ?
5番アイアンとは、メーカーやモデルによって違いはありますがクラブのレングス(長さ)が37~38インチ程度、ロフト角が21~25度程度の番手のクラブになります。
アイアンセットが3番からだった時代はミドルアイアンという位置付けでしたが、アイアンセットから外れた今はロングアイアンという認識の人も多いと思われます。
5番アイアンをバッグに入れたいとなると、別売されている物を購入することになりますが、おおよその価格は20,000~25,000円程度になります。
5番アイアンの平均飛距離【一般男性・女性・プロ】
プレーヤー | 5Iの平均飛距離(キャリー) | 5Iの平均飛距離(ランを含む) |
---|---|---|
一般男性 | 130〜170ヤード | 140〜180ヤード |
一般女性 | 70〜110ヤード | 80〜120ヤード |
男子プロ | 200ヤード前後 | 210ヤード前後 |
女子プロ | 170ヤード前後 | 180ヤード前後 |
5番アイアンって、どれくらい飛べばいいんだろう…。多くのアベレージゴルファーはこういったことを考えているものです。
プレーヤーの年齢や技量、さらに使用しているアイアンの種類等によっても違いはありますが、男性ならキャリー160ヤード前後、女性ならキャリー100ヤード前後飛ばすことができれば、クラブの特性からみて、何も問題ないと思われます。
5番アイアンが難しいといわれる理由
5番アイアンがアイアンセットに含まれなくなったこと、ユーティリティ(ハイブリッド)がスタンダードになったこと、こういった理由から、今は5番アイアンは難しい番手と言われています。その難しさについて少しお話ししましょう。
ポイント
- シャフトが長いため振りにくさを感じる
- ユーティリティに比べるとソールの幅が狭い
- ユーティリティと比べるとヘッドが小さい
- ロフト角が少ないためボールのつかまりが悪い
シャフトが長いため振りにくさを感じる
5番アイアンのレングス(長さ)はおよそ37~38インチ。アイアンセットの流れから見ると、この長さが突出して長い訳ではありません。
しかし、アベレージゴルファーは「5番アイアンは長い」と感じる人が比較的多く、シャフトが長いために振りにくいと感じる人もまた多いのが現実です。
当たり前のことですが、長くて振りにくいために、ハイハンデのプレーヤーにとっては難しい番手と言えるでしょう。
ユーティリティに比べるとソールの幅が狭い
5番アイアンはショートウッドやユーティリティ(ハイブリッド)と比較してソール幅が狭く、そのためにボールが上がりにくいものです。
またダフった場合も、ショートウッドやユーティリティほどソールが滑らないため、ザックリになることが多くなりがち。このような点から見ても、アベレージゴルファーにとって5番アイアンは難しいと言えるかもしれません。
ユーティリティと比べるとヘッドが小さい
5番アイアンはショートウッドやユーティリティ(ハイブリッド)と比較してヘッドが小さいため、トウ側やヒール側にボールが当たったとき、フェース面が左右にブレやすく、そのせいでショットが散りやすい傾向があります。
このようなことから、スコア100前後を行ったり来たりしているアベレージゴルファーには難しい番手と言えるかもしれません。
ロフト角が少ないためボールのつかまりが悪い
基本的にゴルフクラブはウッドもアイアンもロフト角が少ない(小さい)ほどボールのつかまりが悪くなります。
前記しましたが、5番アイアンのロフト角はおおよそ21~25度。この角度がとても少ない訳ではありませんが、6番アイアンや7番アイアンより少ないため、その分どうしてもつかまりが悪くなり、難しいと感じる人が多いのです。
またボールの高さを得ることも難しくならざるを得ません。
今どき最新の5番アイアンにはやさしいクラブも!
アイアンセットに含まれない5番アイアンは、100切りを目指すレベルの人やたまに100が切れるといったレベルの人には打つのが難しい番手といえます。
とはいえ、最新モデルや比較的新しいモデルのなかには打つのがやさしいといえる5番アイアンもあります。
一般的にやさしいといえるタイプは、ヘッドやフェースに軟鉄、チタン、クロモリ鋼、カーボンなどいくつかの素材を使用し、またタングステンなどの重り(錘・ウエイト)を配して造られている「複合アイアン」と呼ばれる5番アイアンです。
複合アイアンは初心者や初級者はもちろんのこと、多くのアマチュアゴルファーにとって打ちやすく、仮にミスヒットした場合もできるだけ大きなミスになりにくい設計になっています。
もし5番アイアンをバッグに加えたいなら、迷わず複合アイアンから選ぶことをおすすめします。
5番アイアンは必要か?クラブセッティングに含めるべき?
打ちやすく、やさしいモデルがあるとはいえ、別売されている5番アイアンをあえてバッグに入れるか否かは判断が難しいところです。そのためこの項では5番アイアンのメリットなどについてお話しします。
ポイント
- 5番アイアンを使うメリット
- 5番アイアンはどんな人におすすめ?
5番アイアンを使うメリット
5番アイアンはフェアウェイウッドやユーティリティ(ハイブリッド)よりも長さ(レングス)が短いぶん、振りやすいといえるでしょう。
またフェアウェイウッドやユーティリティに比べるとボールが上がりにくいため、例えば林の中からフェアウェイに戻すといった場合やどうしても低いボールを打たなければならない場合には重宝するでしょう。
技術の高い人は“ラインを出す”といった方向性重視のショットが打ちやすいメリットもあると思います。
5番アイアンはどんな人におすすめ?
アイアンが好き。アイアンが得意。こんな人は5番アイアンをバッグに入れましょう。またフェアウェイウッドやユーティリティ(ハイブリッド)がうまく打てない人や苦手意識のある人にも、5番アイアンはおすすめです。
5番アイアンがバッグに入っているけれど、うまく打てないからほとんど使わない…。こんな人は荷物になるだけなので、5番アイアンをバッグから抜いて、代わりに安価なユーティリティを入れて使ってみましょう。そのほうがスコアがまとまるかもしれません。
5番アイアンの代わりにユーティリティを使う選択肢も
打ちやすく、またミスヒットに対する許容範囲が広い、やさしいタイプの5番アイアンもありますが、それでもアベレージゴルファーにとって5番アイアンは打つのが難しい番手といえます。
複合構造による低重心化などでボールが上がりやすくなるようにデザインされているとはいえ、ロフト角が少ない(小さい)ためヘッドスピードが速くないとなかなか番手通りの高さは出ません。
さらにアベレージゴルファーをはじめとしたハイハンデの人にとって、ボールのつかまりが良い番手とはいえません。
こういった理由から、もし5番アイアン購入を考えているならそれはやめて、同じくらいのロフト角を持ったユーティリティ(ハイブリッド)を迷わず購入しましょう。
レングス(長さ)こそ5番アイアンより長いものの、その他の部分ではすべてユーティリティのほうがやさしく打てて、良い結果につながるはずです。
【参考】5番アイアンとユーティリティの飛距離
クラブ | 男性 | 女性 |
---|---|---|
5I | 160〜180ヤード | 100〜120ヤード |
3UT | 180〜200ヤード | 125〜145ヤード |
4UT | 170〜190ヤード | 120〜140ヤード |
5UT | 160〜180ヤード | 110〜130ヤード |
6UT | 150〜170ヤード | 100〜120ヤード |
※男性/HS38〜42m/s、女性/HS28〜32m/s
上記の表は5番アイアンとユーティリティ(ハイブリッド)の飛距離を比較したものです。プレーヤーの年齢、体力、技術力、そしてクラブの種類等によって違いがあるため、あくまでも参考値になりますが、飛距離だけを見ても、ふたつのクラブではこれだけの違いがあります。
ゴルフは飛距離を競うゲームではありませんが、飛ばないより、飛んだほうが有利という一面があるのは確かです(もちろん、曲がらないという前提の上ですが)。
このことからも5番アイアンをバッグに入れるより、ユーティリティ(ハイブリッド)を入れることをおすすめします。
やさしく打てる、ミスへの許容範囲が広いなど、ユーティリティは良いことだらけのように思えますが、価格だけは5番アイアンに分があります。
5番アイアンの使い方・打ち方のポイント
この項では5番アイアンの使い方や上手に打つための簡単な打ち方を紹介します。5番アイアンも含めて、アイアンがうまく打てない、アイアンが苦手という人は、下記に紹介する4つの項目を参考にしてください。
ポイント
- スタンスの中央にボールを置きましょう
- ハンドファーストでアドレスしましょう
- 下半身からダウンスイングを始めましょう
- 左足へしっかり体重を移しましょう
スタンスの中央にボールを置きましょう
ボールをスタンス中央に置くとダウンブローで打ちやすくなります
5番アイアンはダウンブローで打つことが求められるため、スタンスの中央にボールを置きましょう。ここに置くと最下点の手前でヘッドとボールがコンタクトしやすくなります。
初心者や初級者をはじめ、ハイハンデの人はボールを左側へ置く傾向があります。左側が悪い訳ではありませんが、中央や右側ほどダウンブローで打ちやすくなります。
ハンドファーストでアドレスしましょう
左足太もも内側の前にグリップをセットしてハンドファーストにアドレスしましょう
左足太もも内側の前にグリップをセットして、少しハンドファーストになるようにアドレスしましょう。このほうが、ダウンブローでボールを打つことが容易になります。
初心者や初級者、ハイハンデの人はグリップをカラダの真ん中(おへその前あたり)にセットしてアドレスする傾向があります。この位置だとヘッドがボールの手前に落ちやすくなるため気をつけましょう。
下半身からダウンスイングを始めましょう
ダウンスイングは下半身リードで行うことが大切です
ダウンスイングを始めるときは必ず下半身から行いましょう。左ひざをアドレスの位置へ戻す、左腰を左方向へ少しスライドさせる、左足を踏み込むなど、どんな方法でもかまいません。
大切なのはいわゆる“下半身リード”で行うことです。これならクラブヘッドがダウンブローに必要な入射角をキープして下りてくる可能性が高まります。
上半身でダウンスイングを始めると上体が突っ込むなど、悪い動きになりやすいため注意しましょう。
左足へしっかり体重を移しましょう
腰をしっかり回転させて左足へのウエートシフトを確実に行いましょう
下半身からダウンスイングを始めたあとは、腰をしっかり回転させて左足へ体重を移動しましょう。
左足への体重移動が正しく行えると、クラブヘッドがダウンブローで打つのに適した入射角で下りてくるようになります。
左足へ体重が移動せず、右足へ残ってしまうと、クラブヘッドがボールの手前に落ちやすくなって、ダフりのミスに悩まされることに…。注意しましょう。
5番アイアンの特徴や必要性についておさらい
やさしいタイプがあるとはいえ、5番アイアンはアベレージゴルファーにとっては少し難しい番手です。
そのため、ゴルフスイングの基本的な動きをもう一度見直して、できるだけムダのないスイングを心がけてほしいと思います。
スイングの精度が上がれば、5番アイアンがきっと役に立つはず。一朝一夕にはうまくなれませんが、コツコツ練習を続けてください。
■解説者プロフィール
宮川岳也(みやかわ たけや)
USGTFティーチングプロ。埼玉県の練習場でレッスンを行うとともに、フリーランスのゴルフライターとしても活動している。
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