いいスコアを出したいなら「いいスコア」を目標にしない方がいい!?
石井良介のゴルフ・すべらない話:第29回
石井良介の一面を一人語りという形でお届けする連載企画「石井良介のゴルフ・すべらない話」。第29回は、良いスコアを出すためには、目標設定をどうすればいい? というお話です。
写真/ゴルフサプリ編集部
自分に起こり得ることを想像して最悪にならない手を選び続ける
「今日は90を切る」、「ボギーペースで回る」など、アマチュアの方は何だかの目標をもってティオフすると思います。ゲームへの入り方はすごく重要。目標を立てることで、いい入り方ができるなら大いに結構です。ただ、僕の場合はパープレーとかトータルスコアを目標にすることはありません。
プロの多くは、スタートから数ホールは、その日の自分のプレーがコースに馴染むか探りつつ、どうやって3ホールくらいを乗り切るか考えます。言い換えれば、そこでゲームを壊さないようにする。野球でも、立ち上がりで大量失点したらゲームが終わりになりかねません。そうならないよう、いかに序盤をスリ抜けるかを考えるわけです。
目標設定が高いか、低いかと言われれば、低いと思います。スタートからバーディを取ろうなんて思わないし、パーで上がれたら嬉しい。何はともあれ、つつがなくフェアウェイの幅にティショットを打ち、セカンドをいいバランスでスイングできて、運びたいところに打てるよう全力を尽くします。それがうまくいったら次のホールからはピンを狙う、といった感じになっていきます。
一番飛ぶのは何センチ? ドライバーのティアップの高さで飛距離はどのくらい変わる?
アイアンで高さを出したい時、ティを高めにすることありますよね? じゃあ、ドライバーの飛距離を伸びるティの高さもあるので...
朝の練習場で調子がよくて、本番でも調子がいいことは、まずありません。朝イチのティショットでいきなり曲がることもよくあります。スタートホールのプロは、余裕がある感じに見えるし、実際そんな雰囲気を出そうとしていますが、本人的には余裕はなく、丁寧に打つことだけを心がけています。それで「今日は大丈夫そう」と思えれば、そのノリでいく。不安があれば次のホールで修正して辻褄を合わせようなどという意図をもってプレーしています。
要は目の前のことにベストを尽くす、となりますが、もしかしたらベストの尽くし方が、アマチュアの方とはちょっと違うかもしれません。簡単に言うと、常に最善点をとり続けること。ミスショットしたら、ミスを悲嘆する前に、その場所から最善点をとるにはどうすればいいかを考えます。今の自分の状態で起こり得ることを想像し、最悪にならない手を選ぶことを繰り返すんです。そのゴルフ場を何度も回ってわかっているならパープレーで回りたい、となるかもしれませんが、初めてのコースだったらスコア設定もへったくれもありませんからね。
年間平均ストロークを付けている人もおられますが、僕は異なる環境での平均は平均ではないと思っています。同一コースの平均なら意味はありますが、すごく距離が長いコースと短いコースの平均スコアをとったところで意味があるのかは疑問です。思っているのは「今日も楽しくいいゴルフがしたい」だけで、「いくつで回ろう」ではありません。もちろんコンペとかになれば、立場上70台やパープレーが目安になるので、そこからかけ離れたくないと思っていますけど。
ティショットが220ヤード飛んで、フェアウェイにあるのに「60点」?
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