パター界の大御所、スコッティ・キャメロンて何がスゴいの?
石井良介のゴルフ・すべらない話:第30回
圧倒的なカッコよさと所有感はブランディングの賜物
スコッティキャメロンが上手なのは、歴代の名器と言われるモデルに対するオマージュというか、敬意を表しながら、いいモデルを同じようなスタイルで作り続けているところ。ゴルフが上手な人たちが育ってきたようなパター、その人たちの感性に訴えかけるようなパターを生み出しているところです。所有感みたいなものはプロゴルファーにもあるはずで、スコッティ・キャメロンが作ってくれたパターなら、きっと日本のプロは使うでしょう。そういったブランディング能力の高さには圧倒的だと思います。
今から27~28年前でしょうか、タイトリストの名義でスコティ・キャメロンが出はじめた頃に1本買ったことがありますが、当時でも所有感がありました。あの頃はベティナルディ、ケビンバーンズなど、高級パターが百花繚乱でしたが、それでもスコッティ・キャメロンのカッコよさは頭抜けていました。
なおかつ、タイガー・ウッズや丸山茂樹プロら当時のスター選手がこぞって使っていて、そのエフェクトもあった。強い人が持っているものに憧れるのはゴルファーの心理、特にパターはそれが如実に出ますからね。国内でジャンボさんがウォズで勝つと、あっという間に売り切れたように、ベルンハルト・ランガーがマスターズを勝ち、タイガーが勝ちまくった。すると、本来売っていないものが、なぜか市場に出てきて、そういう中で欲しい人が高いお金を出して買いました。それでどんどん価値が上がったのは否めないところです。いつの時代でも、憧れのものを使う楽しさがあるということでしょう。
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スコッティ・キャメロンのよさは、打感や打音が、ちょうどいいところにあると言われますが、これについては、僕らがそれがいいと思わされている部分があるかもしれません。トッププロが使って「打感がいい」、「打音がいい」と言われて、例えば僕らがそれをお店で打った時に「これがいい打感なのか」とはじめて知った部分もあるわけですから。冷静に考えれば、打感や打音は、好み以外の何ものでもないわけで、樹脂のインサートの打感がいい人もいれば、金属音のするものがいい人もいる。意外とスコッティ・キャメロンの歴代モデルは打感が違うので、どれをもっていいとするかは難しいと思います。
とはいえ、やはりスコッティ・キャメロンの所有感は圧倒的ですし、何だかんだ言ってもカッコいいパターです。同じピン型パターでもカッコいいと思うし、本家本元のピンパターとは違った魅力があります。スコッティ・キャメロンを真似て作ったパターもたくさんありますが、やっぱりどれも違います。「何でだろう?」と思うくらい違います。カッコいい、悪いは人それぞれの感じ方ですが、結局カッコいいところを見て育った僕のようなゴルファーが多いのではないでしょうか。そう考えると、やはりキャメロン人気はブランディングの妙ということになるんだと思います。
石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。
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