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竹田麗央・独占ロングインタビュー「小さい頃から飛距離は負けないと思っていました」

初優勝からなんと3勝! 竹田麗央 独占インタビュー!

2024/07/26 ゴルフトゥデイ 編集部

試打室で遊びはじめて、そのまま大きくなった

ゴルフをはじめたキッカケは?

竹田 実家がゴルフショップなので、試打室で遊んでいた思い出とか、ボールを転がしていた記憶はぼんやりあります。もう少し大きくなってボールを打つようになると「楽しいな」と思っていました。高校生くらいの頃までは、雨で外の練習ができないときとか、試合で負けたときとか試打室で練習していましたね。

今季の平均飛距離も258ヤードを記録してるが、ジュニア時代から飛んでいたのですか?

竹田 はい、ジュニアの試合に出るようになってから飛距離だけは負けないと思っていました。プロになってからもスタッツ(部門別データ)はドライビングディスタンス(平均飛距離)しか見ていません。昨年が2位だったので、今年は絶対1位を獲りたいと思っています。

ゴルフスイングは母から教わった?

竹田 基本的なことは母から教わりましたが、そんなに昔からスイングは変わっていません。振りたいように振っていたら、今のスイングになりました。

今でもお母様からアドバイスを受けることは?

竹田 たまにあります。今シーズンの前半も「アドレスが少し広すぎない?」という指摘をされたので、少し狭くしました。

父の宜史さんとはどんな話を?

竹田 私はクラブのことについて詳しくないので、昔からゴルフクラブの相談をしてアドバイスをもらっています。シャフトのこととか、ウェッジのバウンスとか。

シャフトについてどんな話がありましたか?

竹田 今使っているドライバーのシャフト(ツアーAD UB‐5X)は、昨年の5月頃に父から「もうちょっと硬いシャフトを使ってみたら」と言われて、このシャフトにしました。

実家はゴルフショップ。プロゴルファーだった母の飛距離を中学生で抜いた。
実家はゴルフショップ。プロゴルファーだった母の飛距離を中学生で抜いた。

ゴルフショップに来たお客さんが名前の由来

母・哲子さんに取材すると、こんな話をしてくれた。

「小さい頃から体が大きかったので、同世代のなかでは飛んでいましたし、中学生の頃には私より飛ぶようになっていました。だから、もしかしてプロになるのかなとちょっとだけ思っていました。実家がゴルフショップだったことは練習環境というよりもゴルフクラブに恵まれていたと思います。体が少し大きくなるたびに、主人がクラブを重くしたり、長くしたりしていたので、ジュニア時代からずっと自分の体に合ったクラブを使いながらゴルフができました。私も今ジュニアレッスンのお手伝いをしていますが、ジュニアだとオトナのクラブを使っていたりする子もいますが、麗央にはそれがありませんでした」

麗央という名前もゴルフショップでの出来事がキッカケだったと哲子さんは教えてくれた。

「お店にブラジル帰りのお客さんが来て「リオのカーニバルが凄かった」という話をすごい勢いでして、ボール1ダースだけ買って帰っていきました。私も主人も圧倒されてしまったのですが、リオという言葉が強烈に残って名前の候補のなかにもリオはあったので、それにしました。それ以来、あのお客さんは一度も来ないので、何だったんだろうと今も思います」

ゴルフショップの名前は「ジップゴルフ」。ジップには勢いよく飛ぶという意味もあるそうだ。


1番最初にプロの試合に出たのは?

竹田 高校生になってからです。そのとき、イ・ボミさんと同じ組になったのを覚えています。プロになってからイ・ボミさんと会場でお会いしたときに挨拶させてもらって、初優勝のときも「おめでとう!」とメッセージをもらいました。

 はじめて竹田麗央を取材したのは2021年に烏山城CCで開催された「日本女子オープン」だった。高校3年生だった竹田は7位タイでローアマを獲得。最終日は渋野日向子と一緒にメディアの公式会見に呼ばれていた。強烈なパワーフェードを打っていたのが印象的だったが、あらためて当時のことを質問すると、


竹田 実はジュニア時代はドローでした。ローリー・マキロイのスイングが好きでしたから。でも、高校3年生の頃に急にフェードになった(笑)。はっきりと覚えていないのですが、試合か練習で少し左を向いたほうが振りやすかったのだと思います。それからはずっとフェードです。

「小さい頃から飛距離は負けないと思っていました。昨年はドライビングが2位だったのが悔しい」

「今でも母親からアドバイスをもらいます。最近だとスタンスが広くなっていると言われて少し修正しました」
「今でも母親からアドバイスをもらいます。最近だとスタンスが広くなっていると言われて少し修正しました」
竹田麗央
「トレーニングはしていませんし、練習量は多くない。優勝してからもプレッシャーはない」
「トレーニングはしていませんし、練習量は多くない。優勝してからもプレッシャーはない」

今季前半戦を終えた時点で優勝3回、15試合中10試合でトップ10に入っている。年間女王候補の一番手に挙げられているが、年間女王への意識や海外ツアー挑戦、さらに「追われる立場」になったことへの変化を聞いてみた。

「他の選手からはトレーニングしたらもっと飛ぶと言われるけれどキツイので(笑)」
「他の選手からはトレーニングしたらもっと飛ぶと言われるけれどキツイので(笑)」

母は「もっと練習しろ!」というタイプではありません

初優勝してから変わったことは?

竹田 もっとプレッシャーがかかってくるのかなと思っていましたけれど、そんなになかったです。むしろ2勝、3勝できたのは初優勝したときの自信が大きかったと思います。今はもっと優勝したいという気持ちが強いです。

年間女王のタイトルについては?

竹田 まだまだ全然、意識していません。でも、プロゴルファーになったからには人生で1度はとりたいタイトルです。

3勝目の「ブリヂストンレディス」で山下美夢有選手との優勝争いはどうでしたか?

竹田 自分のゴルフに集中しようと思っていましたが、やっぱり(山下選手の)スコアは気になっていました。

3勝目を挙げる前週は予選落ちしていたが、なぜすぐに優勝できたと思いますか?

竹田 前の週は少しトリッキーなコースでした。本当はドライバーを握ってはいけないホールでも強引にドライバーで打っていたので林の中に入ったりして、上手くいかなかった。でも「ブリヂストンレディス」のプロアマ中にちょっとした発見がありました。

どんな発見ですか?

竹田 ショットしたときに上体が突っ込みすぎていました。元々、調子が悪くなると上半身が倒れやすくなるのですが、それを修正したら最終日には今年のベストラウンドで優勝できました。飛距離も出ていましたし、方向性も良かったです。あの試合は今シーズンで1番飛んでいました。

長いコースの方が好き?

竹田 好きです。だから、海外の試合も楽しみ。「全米女子オープン」にも出ますけれど、「全英女子オープン」とかも出てみたいと思っています。いつかは海外ツアーで何勝もして、海外メジャーで勝てる選手になりたいです。

海外の選手で回ってみたい選手は?

竹田 やっぱりネリー・コルダ選手ですね。すごい強いので、近くで見てみたい。

強い選手や有名な選手と回るプレッシャーは?

竹田 プロ1年目はありました。でも、今はありません。

仲が良い選手は?

竹田 小祝さくら選手とはときどき食事に行ったりして、仲良くさせてもらっています。

初優勝を逃した「ヤマハレディス」では小祝さくら選手に逆転されましたが……。

竹田 試合の2日後に一緒に野球観戦に行かせてもらいました。でも、食事をしていてもゴルフの話はほとんどしません。

優勝争いする試合が続いているが、疲れはどうですか?

竹田 体は大丈夫です。私はジムとかでもトレーニングをしませんし、月曜日はなるべく休養日にしているので買い物とかしています。練習量も決して多いタイプではありません。全くしないわけではありませんけれど(笑)、遅くまでやるタイプではありません。

アマチュア時代の練習量は?

竹田 昔からそんなに練習するほうではなかったと思います。ダラダラと長い時間、練習するのは好きではなかったです。1時間と決めたら1時間。母も「練習しろ!」というタイプではありませんでした。

ジムとかでトレーニングしていないのですか?

竹田 していません。他の選手からも「トレーニングしていないの? したらもっと飛ぶのに」と言われますけれど、トレーニングはキツイので(笑)。オフは少しだけ体幹トレーニングしたり、走ったりします。

解説者やプロのコーチからは「竹田選手のスイングは強い筋肉と柔軟性を兼ねそなえていないとできない」と言われますが……。

竹田 筋肉と柔軟性、持ってますかね(笑)。何もしていませんけれど。

はじめての海外メジャー「全米女子オープン」に出場した竹田麗央は9位タイという堂々たる成績を残した。日本ツアーで大ブレークをして、今、最も強い選手だと言われているが、本当の最強伝説はまだはじまったばかりだ。

「1年目は有名な選手と回るときに緊張したけれど今はしません。海外ではネリー・コルダと回りたい」

おっとり系の竹田麗央と小祝さくらはツアーでも姉妹のように似ていると評判。オリックスファンという共通点もある。「全米女子オープン」は2人とも9位タイだった。
おっとり系の竹田麗央と小祝さくらはツアーでも姉妹のように似ていると評判。オリックスファンという共通点もある。「全米女子オープン」は2人とも9位タイだった。
「長いコースが好きだから海外の試合は楽しみです。いつか海外メジャーでも勝ちたいです」
「長いコースが好きだから海外の試合は楽しみです。いつか海外メジャーでも勝ちたいです」




竹田麗央

竹田麗央
RIO TAKEDA
2003年4月2日生まれ。熊本県合志市出身。166cm。6歳からゴルフをはじめて、小学生の頃から九州のジュニア競技で活躍。2021年のプロテストに一発合格。2023年は初シードを獲得。2024年は3勝を挙げて、メルセデス・ランキング、賞金ランキングで1位(6月21日時点)。「全米女子オープン」でも9位と好成績を残した。ヤマエグループHD所属。

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