60度のウェッジなんて難しくて無理……いや、やさしいから使ってみて!!
鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第33回
ロフト60度台のロブウェッジ(LW)はプロや上級者向けのクラブという印象があって、使うのを躊躇していた。でも今は、アマチュアも打ちやすくて実用的なLWが出ているようだ。カリスマフィッターの鹿又さんが、LWの進化と効用についてレクチャーする。
写真/ゴルフサプリ編集部
ハイバウンス、ワイドソール、オフセットの“やさしいLW”
60度のウェッジに関して、ひと昔前までは「タテ距離をコントロールしづらいから、アマチュアには難しい」と、ずっと言われてきました。ロフトがかなり寝ているから、打点が下に当たったときと上に当たったときで弾道が変わってしまったりすることから、そういう言われ方をしていたんです。
ところが、今のウェッジってバリエーションが増えていて、60度のハイロフトでもハイバウンスのモノがあったり、ソール幅が広いモノがあったり、オフセットがついてるモノが出てきました。そういうウェッジだと、ロフトが60度と寝ていても上下の打点ズレをしにくくて、打つたびに弾道が変わるという現象が起こりづらくなっています。
ウェッジのバリエーションが少なくて60度のLWが「難しい」と言われていたころは、アプローチで球を上げる・スピンをかけるといったことを、SWやAWでフェースを開くなど“テクニック”としてやっていました。でも今は、練習量が少ないアマチュアこそ、LW系を必ず入れたほうがいいとボクは思います。
イレギュラーな状況やグリーン周りのピンチで役に立つ
ボク自身はずっと「50度・56度・60度」というウェッジのセットで、かれこれ15年くらいゴルフをやっています。使い方としては、ショートゲームは56度が中心。そして、手前ピンとかで止めたいとき、奥からのアプローチでコロがしたくないとき、15ヤード以内の短い距離のバンカーといった、56度で普通に打つのでは対応できないときに60度を使う、というパターンです。
お客さんたちと話していると「60度を入れてウェッジがいっぱいあると使い方が分からない」と言われることが多いんですが、使わなきゃ分かりません。60度の弾道がどうなるのか。例えば、20ヤードや30ヤードのアプローチを打ってみて、同じ打ち方でもロフトによって弾道の違いが分かると「この状況ではこっちのロフトのほうが打ちやすい・寄りやすい」ということがつかめてくるでしょう。
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いつも通りの打ち方で、球が上がる、スピンが入る
ウチのお客さんの場合でいうと、女性ゴルファーで60度のウェッジを入れてもらって結果が出てる人が多いです。どうしてかというと、球を上げて止めるアプローチが苦手な人が多いんです、女性のほうが。
でも、特別なことをしなくても球が上がるから「60度を入れたらアプローチがスゴく楽になった」と言って、結果が出ている人が多いので。そういう女性ゴルファーも、前述したハイバウンス系やワイドソール系のモノが多いですね。
アマチュアの皆さんも、60度のウェッジを積極的に試してみましょう!
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鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。